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プロローグ
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兄に頭を殴られた。
……あぁ。
部屋に、兄の罵声と殴る音が響き渡っているようで、さっきから唾が沢山飛んできて、窓が震えている。音はよく聞こえない。あまり何も聞きたくないため、耳から伝わるものを最低限に留めたから。
そうか。
また、兄に殴られる。今度は鳩尾。リンパに当たり、二段階の痛みが来る。
またか。また、こんな家庭か。
父はまるでそこにいることがわからないかのようにに新聞を読んでいる。
母は夜になると部屋に侵入して1人で気持ちよくなっている。
兄はただひたすら理由をつけて殴る。
姉は存在を刺々しく否定し続ける。
弟や妹はみんなに愛されている。
虐待らしい虐待が詰まりまくった家庭。
兄に殴られた衝動で前世の記憶が甦った瞬間、はじめに出てきた思い、というか感想はそれだった。
また、こんな感じか。
まぁ……いいか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ってな感じで!!!主人公が闇落ちしているところから始まる系の、絵柄、ストーリーが神的であるというか、もはや神超えてるんじゃね?みたいな漫画なんよ!!!」
カフェにて。
もうすごい、ここにある全ての照明を反射させてるんじゃないかレベルでキラキラと目を輝かせながら、クラスで仲良くなった友達の1人である華菜が俺に最近の推し作品を熱弁する。彼女の熱気に圧倒されながら、俺は苦笑いを返すことしかできなかった。
「んー…」
なんと伝えればいいのか、言葉を探す。ちなみに俺は今学校帰りに友人6人とパンケーキ専門のカフェに来ている。女子3人に男子3人。席は対面するように男女が座る。合コンかよ。俺と華菜以外は現在ジュースを取りに行っている。
「なーん?あんま気に召さない感じ?」
華菜が首を傾げて聞いてくる。
「や、世界観もキャラもめっちゃ俺が好きそうなやつ。なんだけど…」
「なんだけど?」
「なんかもうオチがわかっちゃう、みたいな?それに転生系だから神作でしかないってやつじゃない限り中弛みがなぁ…」
俺がそう言うと、華菜はニヤリと笑った。
「ふっふっふっふっ…優雨真さん?言ったはずだよねぇ?これは『神作品』ということを…」
「といいますと?」
俺は少し身を乗り出した。ちなみに優雨真は俺の名前である。両親が言うには優と真の間にわざわざ雨を入れたのは、なんか綺麗じゃん?という動機からだったようだ。軽いぞ両親。
「ネタバレ希望?」
「ネタバレ希望。」
「この主人公、第一話で死にます。」
「マ!?」
「マ。」
これは予想外。華菜は俺の顔を見てドヤっている。
「そしてこの先ずっと出てきません。」
「マ!?」
「マ。」
「恨んでなんか呪いをかけるわけでもなく?」
「なく。」
「誰かに語り継がれるわけでもなく?」
「なく。その後ずっと出てこない。」
「それでもコイツは主人公なんだよね?」
「鋭いねー」
華菜がニヤリと笑う。どういうことなんだ!!!
「し・か・もー…ぜんっぜん萎えない。なんかさ、絵柄綺麗なくせして躍動感というか、漫画に動きが半端ないしさ、後付け設定とかもなしでぜんっっっぶフラグ回収。素晴らしい作品。」
知りたくなってきたじゃん!!!!
「へー。まぁ一旦読んでみるわ。」
興味ありまくりとなった。
俺は華菜と握手を交わした。
「是非。」
俺を説得できたことに満足したのか、華菜は注文していたココアパンケーキを食べ始めた。
ちなみに俺はパンケーキは注文しなかった。ここはパンケーキ専門店だが、それと同様にコーヒーも美味しい。しかもそのコーヒーを使ったアイスクリーム入りティラミスも美味しい。俺はそれを頼んだ。マセガキと思われたかもしれないが、美味しいものは仕方ない。コーヒーの美味しさがわからないお子ちゃまにはまだまだ早かったというだけである()
……あぁ。
部屋に、兄の罵声と殴る音が響き渡っているようで、さっきから唾が沢山飛んできて、窓が震えている。音はよく聞こえない。あまり何も聞きたくないため、耳から伝わるものを最低限に留めたから。
そうか。
また、兄に殴られる。今度は鳩尾。リンパに当たり、二段階の痛みが来る。
またか。また、こんな家庭か。
父はまるでそこにいることがわからないかのようにに新聞を読んでいる。
母は夜になると部屋に侵入して1人で気持ちよくなっている。
兄はただひたすら理由をつけて殴る。
姉は存在を刺々しく否定し続ける。
弟や妹はみんなに愛されている。
虐待らしい虐待が詰まりまくった家庭。
兄に殴られた衝動で前世の記憶が甦った瞬間、はじめに出てきた思い、というか感想はそれだった。
また、こんな感じか。
まぁ……いいか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ってな感じで!!!主人公が闇落ちしているところから始まる系の、絵柄、ストーリーが神的であるというか、もはや神超えてるんじゃね?みたいな漫画なんよ!!!」
カフェにて。
もうすごい、ここにある全ての照明を反射させてるんじゃないかレベルでキラキラと目を輝かせながら、クラスで仲良くなった友達の1人である華菜が俺に最近の推し作品を熱弁する。彼女の熱気に圧倒されながら、俺は苦笑いを返すことしかできなかった。
「んー…」
なんと伝えればいいのか、言葉を探す。ちなみに俺は今学校帰りに友人6人とパンケーキ専門のカフェに来ている。女子3人に男子3人。席は対面するように男女が座る。合コンかよ。俺と華菜以外は現在ジュースを取りに行っている。
「なーん?あんま気に召さない感じ?」
華菜が首を傾げて聞いてくる。
「や、世界観もキャラもめっちゃ俺が好きそうなやつ。なんだけど…」
「なんだけど?」
「なんかもうオチがわかっちゃう、みたいな?それに転生系だから神作でしかないってやつじゃない限り中弛みがなぁ…」
俺がそう言うと、華菜はニヤリと笑った。
「ふっふっふっふっ…優雨真さん?言ったはずだよねぇ?これは『神作品』ということを…」
「といいますと?」
俺は少し身を乗り出した。ちなみに優雨真は俺の名前である。両親が言うには優と真の間にわざわざ雨を入れたのは、なんか綺麗じゃん?という動機からだったようだ。軽いぞ両親。
「ネタバレ希望?」
「ネタバレ希望。」
「この主人公、第一話で死にます。」
「マ!?」
「マ。」
これは予想外。華菜は俺の顔を見てドヤっている。
「そしてこの先ずっと出てきません。」
「マ!?」
「マ。」
「恨んでなんか呪いをかけるわけでもなく?」
「なく。」
「誰かに語り継がれるわけでもなく?」
「なく。その後ずっと出てこない。」
「それでもコイツは主人公なんだよね?」
「鋭いねー」
華菜がニヤリと笑う。どういうことなんだ!!!
「し・か・もー…ぜんっぜん萎えない。なんかさ、絵柄綺麗なくせして躍動感というか、漫画に動きが半端ないしさ、後付け設定とかもなしでぜんっっっぶフラグ回収。素晴らしい作品。」
知りたくなってきたじゃん!!!!
「へー。まぁ一旦読んでみるわ。」
興味ありまくりとなった。
俺は華菜と握手を交わした。
「是非。」
俺を説得できたことに満足したのか、華菜は注文していたココアパンケーキを食べ始めた。
ちなみに俺はパンケーキは注文しなかった。ここはパンケーキ専門店だが、それと同様にコーヒーも美味しい。しかもそのコーヒーを使ったアイスクリーム入りティラミスも美味しい。俺はそれを頼んだ。マセガキと思われたかもしれないが、美味しいものは仕方ない。コーヒーの美味しさがわからないお子ちゃまにはまだまだ早かったというだけである()
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