吸血鬼への忠誠

ひいきにみゐる

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吸血鬼の館。

と言われるととてもホラーというか、恭しい雰囲気を感じるが、つまりはこれは家である。

ここに暮らしている吸血鬼は5人。

長子のキース。ザ・神聖みたいな雰囲気の、だけどとても冷たい感じの視線を見せる系この館の主。

次男のリアン。無表情。多分体の周りの気温マイナス。「こんな奴は大抵ギャップ萌えが待っている」と近づけば後悔するだけである。命はまずない。

三男のヴィータ。いつもニコニコしている。何考えているかわからない系の怖いやつ。子供っぽいが大人である。大人なんだからいい加減自立してほしい。

四男のラクア。何も喋らない。もう面倒臭い。いちいちこっちが聞かないと何もしないし何もわからない。面倒臭い。

そしてこうやってこの4人兄弟に嘆いているのが5人目の吸血鬼である俺。

この4人兄弟の……

この4人兄弟の……

俺はこの4人兄弟のなんなんだ。

美しく言えば下僕。悪く言えば奴隷。一瞬執事とかそういう単語が出てきた俺、殺してくれ。

俺は初めは人間だった。

俺の村ではある日戦争が起きて、みんなが必死に逃げ惑った。そんな中、逃げ遅れた俺は間近でじっと焼けていく家を見ながら体育座りして木陰にいた。

その時、何かが視界に入ったのだ。

何かというと、誰の家にあった何か。

つまり情報が何もないその物体を見つけたのだ。

怪しがりてやりてみるに、瓶の中光たり。それを見れば、三滴ばかりなる紅い液体、いとうつくしゅうていたり。

まぁつまりは瓶の中になんか赤い液体があって、好奇心に任せて飲んでみたらそれは吸血鬼の血で俺は吸血鬼になりました、と。

そういうことです。

良い子のみなさん、何なのかよくわからない液体を飲んじゃダメですよ。このように面倒臭い主人たちに仕えたくなければね。

あ、ここで、「イケメンなら仕えてもよくね?」みたいな感じのこと考えた奴、絶対に1番後悔するからね~。

俺もそう思ったからね~。正直に言って~。

しかし何と実際は。

こいつらクソです。

俺の村を焼き払った村、何ちゃら村(名前すら覚えてないくらいにどうでもいいわけなんだけど。この4人兄弟たちも一回も名前言ったことないし。)は、10年に一回、生贄を捧げるのよ。

そんでそいつらは檻の中に入れられて死ぬまでそこにいるんだけど。

生贄っていうからさぁ!!!!

食うかエロ本みたいになんかちょっと…ettiiなことすると思うじゃん!!!!!!!

こいつら!!!!!!!

全世話俺に任しやがって!!!!!!!!!!

俺は10年ごとに増えていく精神病んでるか艶めかしいか怯えているかの生贄共の世話を強いられ!!!!!!!!

しかも自分らの食事とか着替えとかの世話もさせてきて!!!!!!!!!!

更には財務!!!!!!!!!!!!

その他事務!!!!!!!!!!!

皆さん。これが現実です。

吸血鬼の下僕にはなってはいけません。

あ、でも一個いいことあるとすればめっちゃ給料いいよ!

一ヶ月に一回二階建ての綺麗な家3軒は買えるくらいには。

こう言えば釣られる人は釣られるな。

しかし言っておこう。

金があっても使う時間はないということを。

仕事を辞める時は首が物理的に飛んでいる時である。
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