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逆・恋心編
4月9日(水)
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今日こそは彼と話そうと思っているけれど、それ以前にまだ会えると決まっていない。会えなかったら話すことなんてできるはずがなくて。頑張って彼と話してみることばかり考えていて、会えるのかどうかという点をすっかりと忘れていた。
今日も午前7時27分、各駅停車八神行きの電車に乗る。もちろん、先頭車両の一番後ろに。
鳴瀬駅に到着すると今日もいつもの場所に彼が立っていた。彼の姿を見られるだけで一安心だ。
彼は私の前に立った。
背を向けられているので、彼の顔が見えないのが残念だけれど、私の視界が彼だけで独占されているのが嬉しかったりする。これで向かい合っていたら最高なんだけどなぁ。今日は彼の背中だけを見ることになるのかな。
しかし、鳴瀬駅を発車してから7、8分後。
2つ先にある新淵駅に到着し、反対側の扉が開いた。すると、普段よりも乗客が多いからか、勢いよく彼の方へと押されてしまう。
「きゃっ」
彼のことを押してしまいドンと鈍い音がした。だ、大丈夫かな。
でも、気付けば彼の背中に寄り添う形になっていて……って、胸が彼の背中に当たっちゃってる!
ど、どうしようどうしよう!
さっき声が出ちゃったし、彼に嫌な想いをさせちゃっていたらどうしよう!
ドキドキしてしまうけど、ここは平静を保たないと。できない気がするけど。
しかし、予想外のことはまだ起こる。
「……あの、さっきは大丈夫でしたか?」
そう言って、彼は私の方に振り向いてきたのだ。彼の声はとても優しげで、私のことを見る彼の表情も優しくて。
そして、大丈夫なのかどうか訊いてくれたことがとても嬉しかった。心がとても温かくなるので、彼のことが好きなんだと改めて思う。
彼と顔を合わせたことで、さっきより何百倍もドキドキしてしまうけれど、今こそちゃんと心を落ち着かせないと。
「私は大丈夫……です」
平静を装って言ったつもりだけれ、気付けば頬が熱くて。きっと、今の私の顔、赤くなっているんだろうな。ううっ、恥ずかしいよ。
「それよりも、あなたも大丈夫ですか? さっき、凄い音がしましたし……それに、おでこがちょっと赤いので」
彼の額がほんのりと赤くなっていた。さっき、鈍い音もしたし、私が押しちゃったせいで扉に頭をぶつけてしまったんだと思う。
しかし、彼はまるで、たった今、私に指摘されたことで初めて、気付いたかのように額を触った。
「このくらい、大丈夫ですよ」
「……そうですか。良かったです」
何ともなくて良かった。凄く安心した。
彼は再び窓の方を向いて、私に背を向ける。
彼の顔をまた見たいけれど、予想外の形でも彼と話せたことに満足してしまっている。それに、今も彼の背中に触れているし。その部分が胸だけれど。ただ、彼から優しい温もりが伝わってきて、いい匂いがする。電車、止まっちゃえばいいのに。
しかし、電車が止まったり、遅延したりすることはなかった。私は鏡原駅で降りるまで彼の背中に寄り添うのであった。
今朝の電車でのことを友達に話すと、友達は脈アリだと言ってきた。
それに越したことはないけれど、勢いよく押しちゃって、額にケガまでさせちゃって。あのときは優しそうに私のことを気遣ってくれたけれど、本当はどう想っているのかな。
今日のことで私と同じ場所に乗るのが気まずくなって、明日から別の場所に乗っちゃったりしないかな。
ううっ、彼と話せて嬉しい気持ちで一杯だったのに、急に不安な気持ちが出てきちゃったよ。それも杞憂に終わればいいけれど。
明日も、彼と一緒に電車に乗ることができますように。
今日も午前7時27分、各駅停車八神行きの電車に乗る。もちろん、先頭車両の一番後ろに。
鳴瀬駅に到着すると今日もいつもの場所に彼が立っていた。彼の姿を見られるだけで一安心だ。
彼は私の前に立った。
背を向けられているので、彼の顔が見えないのが残念だけれど、私の視界が彼だけで独占されているのが嬉しかったりする。これで向かい合っていたら最高なんだけどなぁ。今日は彼の背中だけを見ることになるのかな。
しかし、鳴瀬駅を発車してから7、8分後。
2つ先にある新淵駅に到着し、反対側の扉が開いた。すると、普段よりも乗客が多いからか、勢いよく彼の方へと押されてしまう。
「きゃっ」
彼のことを押してしまいドンと鈍い音がした。だ、大丈夫かな。
でも、気付けば彼の背中に寄り添う形になっていて……って、胸が彼の背中に当たっちゃってる!
ど、どうしようどうしよう!
さっき声が出ちゃったし、彼に嫌な想いをさせちゃっていたらどうしよう!
ドキドキしてしまうけど、ここは平静を保たないと。できない気がするけど。
しかし、予想外のことはまだ起こる。
「……あの、さっきは大丈夫でしたか?」
そう言って、彼は私の方に振り向いてきたのだ。彼の声はとても優しげで、私のことを見る彼の表情も優しくて。
そして、大丈夫なのかどうか訊いてくれたことがとても嬉しかった。心がとても温かくなるので、彼のことが好きなんだと改めて思う。
彼と顔を合わせたことで、さっきより何百倍もドキドキしてしまうけれど、今こそちゃんと心を落ち着かせないと。
「私は大丈夫……です」
平静を装って言ったつもりだけれ、気付けば頬が熱くて。きっと、今の私の顔、赤くなっているんだろうな。ううっ、恥ずかしいよ。
「それよりも、あなたも大丈夫ですか? さっき、凄い音がしましたし……それに、おでこがちょっと赤いので」
彼の額がほんのりと赤くなっていた。さっき、鈍い音もしたし、私が押しちゃったせいで扉に頭をぶつけてしまったんだと思う。
しかし、彼はまるで、たった今、私に指摘されたことで初めて、気付いたかのように額を触った。
「このくらい、大丈夫ですよ」
「……そうですか。良かったです」
何ともなくて良かった。凄く安心した。
彼は再び窓の方を向いて、私に背を向ける。
彼の顔をまた見たいけれど、予想外の形でも彼と話せたことに満足してしまっている。それに、今も彼の背中に触れているし。その部分が胸だけれど。ただ、彼から優しい温もりが伝わってきて、いい匂いがする。電車、止まっちゃえばいいのに。
しかし、電車が止まったり、遅延したりすることはなかった。私は鏡原駅で降りるまで彼の背中に寄り添うのであった。
今朝の電車でのことを友達に話すと、友達は脈アリだと言ってきた。
それに越したことはないけれど、勢いよく押しちゃって、額にケガまでさせちゃって。あのときは優しそうに私のことを気遣ってくれたけれど、本当はどう想っているのかな。
今日のことで私と同じ場所に乗るのが気まずくなって、明日から別の場所に乗っちゃったりしないかな。
ううっ、彼と話せて嬉しい気持ちで一杯だったのに、急に不安な気持ちが出てきちゃったよ。それも杞憂に終わればいいけれど。
明日も、彼と一緒に電車に乗ることができますように。
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