5 / 292
本編-ARIA-
第4話『妄想ピンク』
しおりを挟む
エクレアを食べる直前にちょっとしたハプニングはあったけれど、美来も美味しそうに食べてくれて良かった。
「甘いものが好きなら、明日か明後日、スイーツでも食べに行こうか。喫茶店とかでもいいし」
「是非、一緒に行きましょう! 初めての……デートですね」
「ははっ、そうなるね。明日か明後日、デートしよっか」
「はい! 楽しみだなぁ……」
たまに敬語が崩れて心境を漏らしてくれるのが可愛らしい。
家でゆっくりすることもいいと思うけれど、土日のどちらかで、どこでもいいから美来と出かけよう。それを俗にデートと呼ぶんだけれども。
「よし、食事が終わったから、次はお風呂かな」
「えっと、その……智也さんがお先でいいですっ!」
「そんなわけにはいかないよ。美来が先に入ってくれてかまわないから」
昔、従妹とその友達が家に泊まりに来たとき、お風呂は女の子が先に入るものだと教えられた。それに、僕は特にお風呂に入る順番は気にしないし、美来の意志に従おうと思う。
「では、お言葉に甘えて。お先に入らせていただきますね」
「うん。もうお風呂に入れるから」
「はい、分かりました。えっと、その……私がお風呂に入っている間に、バッグの中を開けて下着を漁ったりしないでくださいね。恥ずかしいので……」
「……僕、そんなに信用されてないのかな」
「いえいえ、そんなことはありませんよ! 念のためですよ、念のため。でも、私とお風呂に入りたいのであれば、お好きなタイミングで入ってきても……かまいませんよ」
にやけながらそう言う美来に対して、僕はどう返事をすればいいんだろうね。
「と、智也さん? 私、何か困らせてしまうようなことを……」
「困ってはないよ。ただ……」
下着は見られたくないけど、裸は見ていいってことなのか? そう考えるのは美来だけかもしれないけれど。僕が想像している以上に、女の子の考えていることって複雑なんだなぁ。
「僕は下着も見ないし、美来と一緒にお風呂に入ることもしないからね。だから、安心してゆっくりお風呂に入ってきて。僕は皿洗いをしているよ」
「そうですか。分かりました……」
残念そうな表情をするということは、彼女は僕と一緒にお風呂に入りたかったのかな。でも、裸になった美来が側にいると、僕だって男だから美来に何か嫌なことをしてしまうかもしれない。それが怖いんだ、僕は。
「じゃあ、お風呂に入ってきますね」
「うん、ごゆっくり」
美来はバスタオルや寝間着など必要なものを持って浴室の方に行った。
「さてと、美来が風呂に入っている間に色々とやっておくか」
僕は夕飯の後片付けをし、ベッドのシーツを取り替えた。美来と一緒に寝るわけにはいかないし、美来にはベッドで眠ってもらいたいから。
「……あっ」
美来の制服のブレザーが、さっき彼女が座っていたクッションの近くに置かれていた。このままじゃ皺ができちゃうな。
「ハンガーに掛けておくか」
美来のブレザーを持って、クローゼットに掛かっていたハンガーに手を伸ばそうとした瞬間だった。
「と、智也さん……!」
「うん?」
美来の声が聞こえたので後ろを振り返ると、そこには水色の寝間着姿の美来が立っていた。
「智也さん、私のブレザーを持って……匂いを嗅ごうとしていたんですか?」
「そんなことない! 僕はただ、美来が座っていたところにブレザーが置いてあったから、ハンガーに掛けておこうかと思って」
「そうだったんですか。それならそれでいいですけど……」
誤解されずに済んでよかった。匂いを嗅ごうなんて考えもしなかったよ。もしかして、美来に相当変態なイメージを持たれているのかな。あと、美来は俺のスーツの匂いを嗅いだりするのかな。
美来のブレザーをハンガーに掛けて、僕のスーツのジャケットの横に掛けておく。
「そうしていると、まるで私達、夫婦みたいですねっ」
「僕はさすがに夫婦とは思えないけれど、同棲しているようには感じるかも」
「同棲……!」
ポン、と美来から音が聞こえたような気がした。にやけた美来の顔は真っ赤っか。その場で倒れ込んでしまう。
「美来! 風呂に入りすぎてのぼせちゃった?」
「いいえ。ただ、この幸せな気分に浸ったまま永遠の眠りにつきたいです」
「何を大げさな。運んであげるから、ベッドに横になっていなさい」
僕は美来のことをお姫様抱っこのような形で持ち上げ、ベッドに運ぼうとする。
「智也さんに抱っこされるなんて夢のようです」
「夢は見てもいいけど、決して死ぬんじゃないよ」
美来をベッドに寝かせ、鞄の中に入っていた扇子で美来に風を送る。
「はぁ、気持ちいいですぅ……」
「気分はどう? 大丈夫?」
「はい。智也さんがここまで運んでくれたおかげで大丈夫です」
「そっか」
「また、助けてもらっちゃいましたね」
「……こんなこと、助けたうちに入らないと思うよ」
10年前のことに比べたらさ。
「でも、また智也さんの優しさに触れることができたような気がします。智也さんは私にとって、たった一人の王子様です」
「ははっ、大げさだなぁ」
お姫様抱っこのような感じでベッドまで運んだからかな。でも、一つ一つのことに大げさに反応してしまうところがとても可愛らしく思える。
「大分涼しくなってきました」
「良かった。お風呂に入りすぎると気持ち悪くなるときもあるから」
「心配をかけてしまってすみません」
「大丈夫だよ。僕が助けるから。でも、次からは気をつけようね」
「……はい」
「じゃあ、僕もお風呂に入ってこようかな。もしよかったら、テレビの下に録画したアニメとかドラマのBlu-rayが置いてあるから、好きに観ていいよ」
そういえば、録画したけれどまだ観ることができていない作品が結構あったな。ゴールデンウィーク中はずっと観ていたんだけれど。
「はい、分かりました。では、ごゆっくり」
「うん」
僕は下着や寝間着などを持って浴室に向かう。
「……さすがに美来の服はないか」
洗濯機に美来の衣類が放り込まれているかもしれないと思って確認してみたけれど、中に入っていたのは僕の衣類だけだった。週末だけいるって言っていたから、寮に戻ったら一気に洗うんだろう。
浴室に入ると美来の使ったボディーソープの匂いなのか、僕の知らない甘い匂いが浴室を包み込んでいた。
「あっ」
僕が使っているボディーソープやシャンプーの横に何か置いてあるぞ。
「これ、美来の使っているものか……」
おそらく、美来の使っているボディーソープやシャンプーだろう。こういうのを置いておくってことは、これから毎週末は僕の家に泊まりに来るってことなのかな。もし、そうだとしたら、夏休みには毎日僕の家にいることになるんじゃ。
「まあ、そのときに考えればいいか」
僕は風呂で今日の仕事の疲れを幾らか取った。今日も色々とあったけれど、まさか美来と10年ぶりに再会して、僕の家に泊まることになるとは思わなかったなぁ。
風呂から出て美来のところに戻ってみると、美来はベッドの下の引き出しを開けて何やら物色しているように見えた。
「……何をやっているのかな」
「男の人の家には、えっちな本やDVDが隠されているという都市伝説を耳にしたことがありまして。それが本当なのかなと……」
「僕の部屋にその都市伝説は通用しないんだ。一度も買ったことないよ」
大学入学時に、学生の間に18禁のゲームを買うことを一つの夢にしていたんだけれど、当時は既に漫画やアニメの方にハマっていたのでゲームを買う気にならず。一つも購入することのないまま社会人になってしまった。
「あと、部屋を物色してもいいけれど、そのときは僕に一声かけてくれると嬉しいな」
「すみません。つい、確かめたくなってしまって……」
「その気持ちは分かるけどね。もし、そういうものが見つかったら美来はどうしてた?」
ちょっとくらいは美来のことをからかってもいいだろう。
美来は腕を組んでうーん、と考えると、頬を赤くして、
「……どぎまぎしてしまうと思います」
「まあ、そうなるよね」
「その後に、本やDVDと同じことを智也さんに求めてしまうかも……」
「……そう言うとは思わなかったよ」
美来のような女の子のことを肉食系女子って言うのかな。10年前に抱いた美来のイメージが徐々に崩れ始めている。でも、10年経てば人は変わるよなぁ。
これから僕と美来は同じ空間の中で一夜を明かすことになるけれど、理性を保ち続けることができるかどうか心配になってきた……。
「甘いものが好きなら、明日か明後日、スイーツでも食べに行こうか。喫茶店とかでもいいし」
「是非、一緒に行きましょう! 初めての……デートですね」
「ははっ、そうなるね。明日か明後日、デートしよっか」
「はい! 楽しみだなぁ……」
たまに敬語が崩れて心境を漏らしてくれるのが可愛らしい。
家でゆっくりすることもいいと思うけれど、土日のどちらかで、どこでもいいから美来と出かけよう。それを俗にデートと呼ぶんだけれども。
「よし、食事が終わったから、次はお風呂かな」
「えっと、その……智也さんがお先でいいですっ!」
「そんなわけにはいかないよ。美来が先に入ってくれてかまわないから」
昔、従妹とその友達が家に泊まりに来たとき、お風呂は女の子が先に入るものだと教えられた。それに、僕は特にお風呂に入る順番は気にしないし、美来の意志に従おうと思う。
「では、お言葉に甘えて。お先に入らせていただきますね」
「うん。もうお風呂に入れるから」
「はい、分かりました。えっと、その……私がお風呂に入っている間に、バッグの中を開けて下着を漁ったりしないでくださいね。恥ずかしいので……」
「……僕、そんなに信用されてないのかな」
「いえいえ、そんなことはありませんよ! 念のためですよ、念のため。でも、私とお風呂に入りたいのであれば、お好きなタイミングで入ってきても……かまいませんよ」
にやけながらそう言う美来に対して、僕はどう返事をすればいいんだろうね。
「と、智也さん? 私、何か困らせてしまうようなことを……」
「困ってはないよ。ただ……」
下着は見られたくないけど、裸は見ていいってことなのか? そう考えるのは美来だけかもしれないけれど。僕が想像している以上に、女の子の考えていることって複雑なんだなぁ。
「僕は下着も見ないし、美来と一緒にお風呂に入ることもしないからね。だから、安心してゆっくりお風呂に入ってきて。僕は皿洗いをしているよ」
「そうですか。分かりました……」
残念そうな表情をするということは、彼女は僕と一緒にお風呂に入りたかったのかな。でも、裸になった美来が側にいると、僕だって男だから美来に何か嫌なことをしてしまうかもしれない。それが怖いんだ、僕は。
「じゃあ、お風呂に入ってきますね」
「うん、ごゆっくり」
美来はバスタオルや寝間着など必要なものを持って浴室の方に行った。
「さてと、美来が風呂に入っている間に色々とやっておくか」
僕は夕飯の後片付けをし、ベッドのシーツを取り替えた。美来と一緒に寝るわけにはいかないし、美来にはベッドで眠ってもらいたいから。
「……あっ」
美来の制服のブレザーが、さっき彼女が座っていたクッションの近くに置かれていた。このままじゃ皺ができちゃうな。
「ハンガーに掛けておくか」
美来のブレザーを持って、クローゼットに掛かっていたハンガーに手を伸ばそうとした瞬間だった。
「と、智也さん……!」
「うん?」
美来の声が聞こえたので後ろを振り返ると、そこには水色の寝間着姿の美来が立っていた。
「智也さん、私のブレザーを持って……匂いを嗅ごうとしていたんですか?」
「そんなことない! 僕はただ、美来が座っていたところにブレザーが置いてあったから、ハンガーに掛けておこうかと思って」
「そうだったんですか。それならそれでいいですけど……」
誤解されずに済んでよかった。匂いを嗅ごうなんて考えもしなかったよ。もしかして、美来に相当変態なイメージを持たれているのかな。あと、美来は俺のスーツの匂いを嗅いだりするのかな。
美来のブレザーをハンガーに掛けて、僕のスーツのジャケットの横に掛けておく。
「そうしていると、まるで私達、夫婦みたいですねっ」
「僕はさすがに夫婦とは思えないけれど、同棲しているようには感じるかも」
「同棲……!」
ポン、と美来から音が聞こえたような気がした。にやけた美来の顔は真っ赤っか。その場で倒れ込んでしまう。
「美来! 風呂に入りすぎてのぼせちゃった?」
「いいえ。ただ、この幸せな気分に浸ったまま永遠の眠りにつきたいです」
「何を大げさな。運んであげるから、ベッドに横になっていなさい」
僕は美来のことをお姫様抱っこのような形で持ち上げ、ベッドに運ぼうとする。
「智也さんに抱っこされるなんて夢のようです」
「夢は見てもいいけど、決して死ぬんじゃないよ」
美来をベッドに寝かせ、鞄の中に入っていた扇子で美来に風を送る。
「はぁ、気持ちいいですぅ……」
「気分はどう? 大丈夫?」
「はい。智也さんがここまで運んでくれたおかげで大丈夫です」
「そっか」
「また、助けてもらっちゃいましたね」
「……こんなこと、助けたうちに入らないと思うよ」
10年前のことに比べたらさ。
「でも、また智也さんの優しさに触れることができたような気がします。智也さんは私にとって、たった一人の王子様です」
「ははっ、大げさだなぁ」
お姫様抱っこのような感じでベッドまで運んだからかな。でも、一つ一つのことに大げさに反応してしまうところがとても可愛らしく思える。
「大分涼しくなってきました」
「良かった。お風呂に入りすぎると気持ち悪くなるときもあるから」
「心配をかけてしまってすみません」
「大丈夫だよ。僕が助けるから。でも、次からは気をつけようね」
「……はい」
「じゃあ、僕もお風呂に入ってこようかな。もしよかったら、テレビの下に録画したアニメとかドラマのBlu-rayが置いてあるから、好きに観ていいよ」
そういえば、録画したけれどまだ観ることができていない作品が結構あったな。ゴールデンウィーク中はずっと観ていたんだけれど。
「はい、分かりました。では、ごゆっくり」
「うん」
僕は下着や寝間着などを持って浴室に向かう。
「……さすがに美来の服はないか」
洗濯機に美来の衣類が放り込まれているかもしれないと思って確認してみたけれど、中に入っていたのは僕の衣類だけだった。週末だけいるって言っていたから、寮に戻ったら一気に洗うんだろう。
浴室に入ると美来の使ったボディーソープの匂いなのか、僕の知らない甘い匂いが浴室を包み込んでいた。
「あっ」
僕が使っているボディーソープやシャンプーの横に何か置いてあるぞ。
「これ、美来の使っているものか……」
おそらく、美来の使っているボディーソープやシャンプーだろう。こういうのを置いておくってことは、これから毎週末は僕の家に泊まりに来るってことなのかな。もし、そうだとしたら、夏休みには毎日僕の家にいることになるんじゃ。
「まあ、そのときに考えればいいか」
僕は風呂で今日の仕事の疲れを幾らか取った。今日も色々とあったけれど、まさか美来と10年ぶりに再会して、僕の家に泊まることになるとは思わなかったなぁ。
風呂から出て美来のところに戻ってみると、美来はベッドの下の引き出しを開けて何やら物色しているように見えた。
「……何をやっているのかな」
「男の人の家には、えっちな本やDVDが隠されているという都市伝説を耳にしたことがありまして。それが本当なのかなと……」
「僕の部屋にその都市伝説は通用しないんだ。一度も買ったことないよ」
大学入学時に、学生の間に18禁のゲームを買うことを一つの夢にしていたんだけれど、当時は既に漫画やアニメの方にハマっていたのでゲームを買う気にならず。一つも購入することのないまま社会人になってしまった。
「あと、部屋を物色してもいいけれど、そのときは僕に一声かけてくれると嬉しいな」
「すみません。つい、確かめたくなってしまって……」
「その気持ちは分かるけどね。もし、そういうものが見つかったら美来はどうしてた?」
ちょっとくらいは美来のことをからかってもいいだろう。
美来は腕を組んでうーん、と考えると、頬を赤くして、
「……どぎまぎしてしまうと思います」
「まあ、そうなるよね」
「その後に、本やDVDと同じことを智也さんに求めてしまうかも……」
「……そう言うとは思わなかったよ」
美来のような女の子のことを肉食系女子って言うのかな。10年前に抱いた美来のイメージが徐々に崩れ始めている。でも、10年経てば人は変わるよなぁ。
これから僕と美来は同じ空間の中で一夜を明かすことになるけれど、理性を保ち続けることができるかどうか心配になってきた……。
0
あなたにおすすめの小説
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。
NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。
中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。
しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。
助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。
無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。
だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。
この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。
この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった……
7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか?
NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。
※この作品だけを読まれても普通に面白いです。
関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】
【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる