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Fragrance 1-コイノカオリ-
第9話『コクルカドウカ?』
教室に戻ると、絢ちゃんはいつものようにたくさんの女子に囲まれていた。私が絢ちゃんの方を見ると、彼女ははっきりと私の目を見て微笑んでくれた。
そんなことに優越感を覚えながら、私は自分の席に戻る。
「ハル、どうだった?」
「何か進展はありましたか?」
杏ちゃんと美咲ちゃんは私が戻ってくるや否や、私の所までやってきてそんなことを訊いてくる。
明日、絢ちゃんと2人で潮浜シャンサインランドに行くこと……彼女自身が杏ちゃんと美咲ちゃんになら話してもいいって言ってたから、遠慮なく話そう。
「実は……」
2人に屋上であったことを、額にキスされたことだけを省いて簡単に話した。
「それって、原田さんが遥香ちゃんのことが気になっているってことじゃないですか?」
「サキの言う通りかも。これは絶対にハルに気があるよ」
「そ、そうかなぁ……」
絶対にニヤけているなぁ、今。
確かに、絢ちゃんと話したことで、距離はかなり縮まったと思うけど……未だに私には絢ちゃんが高嶺の花のようにしか思えないときがある。そんな人が私のことを……って思うと何だか信じられない気持ちになる。
2人きりでいるときは普通の女の子に見えるんだけど、どうして今みたいにたくさんの女子に囲まれていると、王子様のように見えてしまうんだろう。絢ちゃんが意図的にそう見せているのか。それとも、周りの環境が絢ちゃんを変えてしまうのか。私にはその理由がよく分からない。
「明日にでもコクっちゃえば?」
「へっ?」
杏ちゃんの唐突な一言に私は思わず甲高い声を上げてしまう。
「原田さんと1日中2人きりでいられるなんて、千載一遇のチャンスじゃん。コクるにはちょうどいいと思うよ?」
「そ、そうかなぁ……」
杏ちゃんの言う通り、告白するにはちょうどいいかもしれないけど、まだ不安は残っている。
絢ちゃんは私を気にしているようだったけど、それが好きだという気持ちからきているのか、入学式の日に迷子になっていた私を助けたからなのか分からないし。
「サキもそう思うよね?」
「えっ? そ、そうですね……」
突然振られたからか、美咲ちゃんは驚く。しかし、すぐに落ち着いた笑みを見せ、
「原田さんに対する想いが確かなものなら……告白してもいいんじゃないでしょうか。結果はどうであれ、好きだという気持ちを伝えることが大事だと思います」
というアドバイスを言ってくれる。
「気持ちを伝える、か……」
「まあ、早く告白しないと他の子に取られちゃって後悔すると思うけどね。原田さん、今や構内一の人気者だし」
「この前もそんなことを言ってたね。もしかして、杏ちゃんって肉食系女子?」
「あははっ、そうかもしれないね。まあ、もし原田さんに振られても、そのときはあたしがハルを彼女にするからさ。ハルはすっごく可愛いし、彼女として文句なしだから」
「そ、それは聞き捨てなりません! 万が一原田さんに振られたら、そのときは私が遥香ちゃんの彼女になりますから! 私達は小学校の時からの付き合いですし、杏ちゃんよりも遥香ちゃんを幸せにできると思います!」
「もうやめてよ! 私、まだ絢ちゃんに告白してないし、振られてもないんだから!」
まったく、酷いよ。まるで私が絢ちゃんに振られることを前提に話してる。杏ちゃんと美咲ちゃんがそこまで私のことを考えてくれているのは嬉しいけど。絢ちゃんが凄く人気のある人でも、絢ちゃんの彼女になりたい気持ちは強いんだから。
「でも、私なりに頑張ってみる。振られた後のことは、振られたときに考えるよ」
「……そうですね。それが一番だと思います」
「じゃあ、遥香の勇姿を見守るために、明日……サキと一緒に潮浜シャンサインランドにでも行ってみようか?」
「あっ、いいですね! それ」
「別にいいよっ! 明日告白するかどうか分からないんだから!」
もう、杏ちゃんも美咲ちゃんも、私の恋の行方を単に面白がっているだけなんじゃないのかなぁ。
「もう、そんなに怒らないでよ。冗談だって。あたしもサキもハルの恋が上手くいくように願っているんだから」
「……願っててね?」
「明日、原田さんと楽しんできてくださいね」
「そうだね。まずは一緒に楽しむことが大切だよね」
そうだ、明日は絢ちゃんと2人で遊園地に行けるんだ。告白とかも大切だけど、まずは絢ちゃんとの時間を楽しまないと損だよね。
気づけば、昼休みも残り10分となっていた。私は急いでお弁当を食べるのであった。
そんなことに優越感を覚えながら、私は自分の席に戻る。
「ハル、どうだった?」
「何か進展はありましたか?」
杏ちゃんと美咲ちゃんは私が戻ってくるや否や、私の所までやってきてそんなことを訊いてくる。
明日、絢ちゃんと2人で潮浜シャンサインランドに行くこと……彼女自身が杏ちゃんと美咲ちゃんになら話してもいいって言ってたから、遠慮なく話そう。
「実は……」
2人に屋上であったことを、額にキスされたことだけを省いて簡単に話した。
「それって、原田さんが遥香ちゃんのことが気になっているってことじゃないですか?」
「サキの言う通りかも。これは絶対にハルに気があるよ」
「そ、そうかなぁ……」
絶対にニヤけているなぁ、今。
確かに、絢ちゃんと話したことで、距離はかなり縮まったと思うけど……未だに私には絢ちゃんが高嶺の花のようにしか思えないときがある。そんな人が私のことを……って思うと何だか信じられない気持ちになる。
2人きりでいるときは普通の女の子に見えるんだけど、どうして今みたいにたくさんの女子に囲まれていると、王子様のように見えてしまうんだろう。絢ちゃんが意図的にそう見せているのか。それとも、周りの環境が絢ちゃんを変えてしまうのか。私にはその理由がよく分からない。
「明日にでもコクっちゃえば?」
「へっ?」
杏ちゃんの唐突な一言に私は思わず甲高い声を上げてしまう。
「原田さんと1日中2人きりでいられるなんて、千載一遇のチャンスじゃん。コクるにはちょうどいいと思うよ?」
「そ、そうかなぁ……」
杏ちゃんの言う通り、告白するにはちょうどいいかもしれないけど、まだ不安は残っている。
絢ちゃんは私を気にしているようだったけど、それが好きだという気持ちからきているのか、入学式の日に迷子になっていた私を助けたからなのか分からないし。
「サキもそう思うよね?」
「えっ? そ、そうですね……」
突然振られたからか、美咲ちゃんは驚く。しかし、すぐに落ち着いた笑みを見せ、
「原田さんに対する想いが確かなものなら……告白してもいいんじゃないでしょうか。結果はどうであれ、好きだという気持ちを伝えることが大事だと思います」
というアドバイスを言ってくれる。
「気持ちを伝える、か……」
「まあ、早く告白しないと他の子に取られちゃって後悔すると思うけどね。原田さん、今や構内一の人気者だし」
「この前もそんなことを言ってたね。もしかして、杏ちゃんって肉食系女子?」
「あははっ、そうかもしれないね。まあ、もし原田さんに振られても、そのときはあたしがハルを彼女にするからさ。ハルはすっごく可愛いし、彼女として文句なしだから」
「そ、それは聞き捨てなりません! 万が一原田さんに振られたら、そのときは私が遥香ちゃんの彼女になりますから! 私達は小学校の時からの付き合いですし、杏ちゃんよりも遥香ちゃんを幸せにできると思います!」
「もうやめてよ! 私、まだ絢ちゃんに告白してないし、振られてもないんだから!」
まったく、酷いよ。まるで私が絢ちゃんに振られることを前提に話してる。杏ちゃんと美咲ちゃんがそこまで私のことを考えてくれているのは嬉しいけど。絢ちゃんが凄く人気のある人でも、絢ちゃんの彼女になりたい気持ちは強いんだから。
「でも、私なりに頑張ってみる。振られた後のことは、振られたときに考えるよ」
「……そうですね。それが一番だと思います」
「じゃあ、遥香の勇姿を見守るために、明日……サキと一緒に潮浜シャンサインランドにでも行ってみようか?」
「あっ、いいですね! それ」
「別にいいよっ! 明日告白するかどうか分からないんだから!」
もう、杏ちゃんも美咲ちゃんも、私の恋の行方を単に面白がっているだけなんじゃないのかなぁ。
「もう、そんなに怒らないでよ。冗談だって。あたしもサキもハルの恋が上手くいくように願っているんだから」
「……願っててね?」
「明日、原田さんと楽しんできてくださいね」
「そうだね。まずは一緒に楽しむことが大切だよね」
そうだ、明日は絢ちゃんと2人で遊園地に行けるんだ。告白とかも大切だけど、まずは絢ちゃんとの時間を楽しまないと損だよね。
気づけば、昼休みも残り10分となっていた。私は急いでお弁当を食べるのであった。
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