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Fragrance 6-キオクノカオリ-
エピローグ『ジュテーム』
あれから、絢ちゃんと奈央ちゃんが家に泊まることになった。
夕ご飯の時のお父さんはずっと嬉しそうだった。お兄ちゃんと私に恋人ができたからなのかな。その笑顔は今までの中で一番父親らしく思えた。お酒を呑むと、どこの馬の骨とも分からない男の嫁になるなら、絢ちゃんの嫁になった方がよっぽど安心だし嬉しいと豪語していた。
そして、夕ご飯が終わると、さっそく絢ちゃんと一緒にお風呂に入ることに。
「絢ちゃんと一緒にお風呂ってひさしぶりだね」
「そうだね。卯月さんとの一件以来かな」
となると、だいたい2ヶ月ぶりくらいかな。2人で入るのにはちょっと狭い湯船に、絢ちゃんと一緒に入っている。
「あのときは家には私だけだったんだよね。そこに絢ちゃんが突然やってきて……」
「そうだったね。あの時は私の方がどうしても遥香に会いたくて。遥香の顔を見るととても安心できたことを覚えているよ」
「今日の私みたいだね」
好きな人に会いたいから、その気持ちを胸に会いに行って。そして、好きな人の顔を見ると今まで不安だった気持ちがすーっ、と消えてって。私にはこの人がいるんだ、って安心して。
「それでお風呂に入って、私の悩みと想いを遥香に伝えてそれで……したよね」
そう言うと、絢ちゃんはそっと私のことを後ろから抱きしめてくる。そして、その記憶を呼び起こさせたいのか、単に甘えているのか……絢ちゃんは首筋にキスをする。まずい、このままだとすぐにのぼせちゃいそう。
「……ねえ、しようよ。昨日……約束したじゃん。しよう、って」
私の耳元で囁く絢ちゃんの声がとてもくすぐったい。外からも中からも気持ち良くさせる。普段はしっかりしているのに、時々こういう甘えっ子になるところが大好きなの。
「……ねえ、遥香。しようよ。もう、私達……許された関係なんだよ?」
「……うん、いいよ。私だってしたい気持ち、あるから。でも、あの時みたいにここでするのはまずいよ。私達が最初に入っているから。お風呂を出たら私の部屋で……ね」
それに、絢ちゃんと触れ合うのは湯船の中じゃなくて、ベッドの上の方がいいから。絢ちゃんの部屋ではしたことはあるけれど、私の部屋ではしたことないし。
「だから、それまで我慢できるかな、絢ちゃん」
「うん、分かった」
「ありがとう、絢ちゃん」
そして、私は絢ちゃんの方に振り返り、気持ちを確かめ合うように絢ちゃんとキスをした。今までの中で一番に温かくて、気持ちいい。
「私、遥香を幸せにできるように頑張るよ。今日、改めてそう思った」
「私も同じだよ。私も絢ちゃんを幸せにしたい。一緒に幸せになりたい」
「……その気持ちが同じだったから、遥香のお父さんは許してくれたのかもしれないね。今日という日を忘れないようにしないと」
「うん。今日もまた、恋人としてのスタートの日になったから」
「そうだね」
今回の一件を通して、絢ちゃんのことをどう想っていて、絢ちゃんとどのような未来を歩んでいきたいのか、そしてその覚悟はできているのかよく考えることができた。そして、絢ちゃんと今まで以上に強い結びつきを持つことができて、新しい一歩を踏み出せたような気がする。
それにしても、私と同じ気持ちだとお父さんに言ったときの絢ちゃんはとても凜々しかったな。あのときにキュンってなったもん。さすがにその直後のキスはとても恥ずかしかったけれど。
「どうしたの、顔を赤くして。この後のことで興奮してる?」
「……違うよ。みんなの前でキスしたことを思い出したの。本当に恥ずかしかったんだから。絢ちゃんは恥ずかしくなかったの」
「遥香のことが本気で好きだからね。それに、私達の関係の深さを知ってもらうにはキスするのが一番いいのかなって」
絢ちゃんは爽やかな笑みを浮かべながらそう言った。この様子だと羞恥心はあまり感じなかったみたい。
「でも、みんなの前でキスしてちょっと興奮しちゃったかな……」
「……絢ちゃんって時々、物凄くえっちな一面を見せるよね」
そこがまた、絢ちゃんの魅力の一つなんだけれど。
「そうかなぁ。でもさ、遥香。恥ずかしいと想っていながらも、私とのキスが気持ち良く感じなかった?」
「……あ、当たり前だよ。好きな人としたんだもん」
何だか今の質問に答える方がよっぽど恥ずかしく感じた。絢ちゃん、凄く嬉しそうな顔をしているし。絢ちゃんって結構Sっ気が強かったりして。
「遥香」
「なあに?」
「遥香のこと、愛してるよ」
そう言う絢ちゃんの顔はとても格好良くて、一目惚れしたときのような感情が湧き上がってくる。
「私も絢ちゃんのこと、愛してる」
本当に、大好き。
私は今一度、絢ちゃんとキスをした。そして、その続きは私の部屋の中で。
高校生になって初めての夏はどんなものになるんだろう?
きっと、楽しい夏になるに違いない。だって、絢ちゃんがいるから。
いつも以上に期待を膨らます中、本格的に夏が始まるのであった。
Fragrance 6-キオクノカオリ- 終わり
次の話からShort Fragrance 3-ヨイノカオリ-になります。
夕ご飯の時のお父さんはずっと嬉しそうだった。お兄ちゃんと私に恋人ができたからなのかな。その笑顔は今までの中で一番父親らしく思えた。お酒を呑むと、どこの馬の骨とも分からない男の嫁になるなら、絢ちゃんの嫁になった方がよっぽど安心だし嬉しいと豪語していた。
そして、夕ご飯が終わると、さっそく絢ちゃんと一緒にお風呂に入ることに。
「絢ちゃんと一緒にお風呂ってひさしぶりだね」
「そうだね。卯月さんとの一件以来かな」
となると、だいたい2ヶ月ぶりくらいかな。2人で入るのにはちょっと狭い湯船に、絢ちゃんと一緒に入っている。
「あのときは家には私だけだったんだよね。そこに絢ちゃんが突然やってきて……」
「そうだったね。あの時は私の方がどうしても遥香に会いたくて。遥香の顔を見るととても安心できたことを覚えているよ」
「今日の私みたいだね」
好きな人に会いたいから、その気持ちを胸に会いに行って。そして、好きな人の顔を見ると今まで不安だった気持ちがすーっ、と消えてって。私にはこの人がいるんだ、って安心して。
「それでお風呂に入って、私の悩みと想いを遥香に伝えてそれで……したよね」
そう言うと、絢ちゃんはそっと私のことを後ろから抱きしめてくる。そして、その記憶を呼び起こさせたいのか、単に甘えているのか……絢ちゃんは首筋にキスをする。まずい、このままだとすぐにのぼせちゃいそう。
「……ねえ、しようよ。昨日……約束したじゃん。しよう、って」
私の耳元で囁く絢ちゃんの声がとてもくすぐったい。外からも中からも気持ち良くさせる。普段はしっかりしているのに、時々こういう甘えっ子になるところが大好きなの。
「……ねえ、遥香。しようよ。もう、私達……許された関係なんだよ?」
「……うん、いいよ。私だってしたい気持ち、あるから。でも、あの時みたいにここでするのはまずいよ。私達が最初に入っているから。お風呂を出たら私の部屋で……ね」
それに、絢ちゃんと触れ合うのは湯船の中じゃなくて、ベッドの上の方がいいから。絢ちゃんの部屋ではしたことはあるけれど、私の部屋ではしたことないし。
「だから、それまで我慢できるかな、絢ちゃん」
「うん、分かった」
「ありがとう、絢ちゃん」
そして、私は絢ちゃんの方に振り返り、気持ちを確かめ合うように絢ちゃんとキスをした。今までの中で一番に温かくて、気持ちいい。
「私、遥香を幸せにできるように頑張るよ。今日、改めてそう思った」
「私も同じだよ。私も絢ちゃんを幸せにしたい。一緒に幸せになりたい」
「……その気持ちが同じだったから、遥香のお父さんは許してくれたのかもしれないね。今日という日を忘れないようにしないと」
「うん。今日もまた、恋人としてのスタートの日になったから」
「そうだね」
今回の一件を通して、絢ちゃんのことをどう想っていて、絢ちゃんとどのような未来を歩んでいきたいのか、そしてその覚悟はできているのかよく考えることができた。そして、絢ちゃんと今まで以上に強い結びつきを持つことができて、新しい一歩を踏み出せたような気がする。
それにしても、私と同じ気持ちだとお父さんに言ったときの絢ちゃんはとても凜々しかったな。あのときにキュンってなったもん。さすがにその直後のキスはとても恥ずかしかったけれど。
「どうしたの、顔を赤くして。この後のことで興奮してる?」
「……違うよ。みんなの前でキスしたことを思い出したの。本当に恥ずかしかったんだから。絢ちゃんは恥ずかしくなかったの」
「遥香のことが本気で好きだからね。それに、私達の関係の深さを知ってもらうにはキスするのが一番いいのかなって」
絢ちゃんは爽やかな笑みを浮かべながらそう言った。この様子だと羞恥心はあまり感じなかったみたい。
「でも、みんなの前でキスしてちょっと興奮しちゃったかな……」
「……絢ちゃんって時々、物凄くえっちな一面を見せるよね」
そこがまた、絢ちゃんの魅力の一つなんだけれど。
「そうかなぁ。でもさ、遥香。恥ずかしいと想っていながらも、私とのキスが気持ち良く感じなかった?」
「……あ、当たり前だよ。好きな人としたんだもん」
何だか今の質問に答える方がよっぽど恥ずかしく感じた。絢ちゃん、凄く嬉しそうな顔をしているし。絢ちゃんって結構Sっ気が強かったりして。
「遥香」
「なあに?」
「遥香のこと、愛してるよ」
そう言う絢ちゃんの顔はとても格好良くて、一目惚れしたときのような感情が湧き上がってくる。
「私も絢ちゃんのこと、愛してる」
本当に、大好き。
私は今一度、絢ちゃんとキスをした。そして、その続きは私の部屋の中で。
高校生になって初めての夏はどんなものになるんだろう?
きっと、楽しい夏になるに違いない。だって、絢ちゃんがいるから。
いつも以上に期待を膨らます中、本格的に夏が始まるのであった。
Fragrance 6-キオクノカオリ- 終わり
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