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しおりを挟む自分の意思を表示する事が得意ではなくなったのはいつの頃からだろうか?
そんな事を考えてみる。誰しもが自由気ままに振る舞っていたはずなのに、
いつの間にかそんな事すらも忘れてしまっている。
それは世界というものを知ってしまったからだろう。
世間というものを知ってしまったからだろう。
集団というものを知ってしまったからだろう。
他人というものを知ってしまったからだろう。
故に恐怖を知ってしまったからなのだろう。
初めて出会った他人。
それはあまりにも暴力的であった。
とりあえず人を殴る。
それはとても自然にナチュラルに何の不自然さも感じさせる事なく起こったから
自分が殴られたという事実に気が付くのが遅れてしまったぐらいだ。
うわああああああああああん!
感情が先に動いた。
気が付いたら泣いていた。
そうすればいつだってすぐに助けに来てくれる。
そんな正義のヒーローみたいな人はそこにはおらず、ただ泣き声が響き渡る。
そして漸くやって来た大人達に安堵した。
誰もが自分の味方だと思っていたのだ。
でも違ったのだ、ここに絶対的な味方なんて存在はしなかった。
「ぼくじゃないよ」
そんな嘘すら見分ける事が出来ない人達。
どちらも悪いという事にされた理不尽。
誰も何も見てはいない、ただ自分の仕事が増えないようにするのが彼等の仕事で
面倒事は無かった事にしてしまうのだ。
簡単な事だ。
何も無いのに問題が起きる訳がない。
それは誰かの正解なのだろう、ただ自分にとって正解ではなかっただけ。
でもこれは始まりできっかけにしかすぎないのだ。
まだ始まったばかりである。
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