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しおりを挟む「ド・グ・ガ・ゴ・ワ・オ」
彼女の重みを感じる。
じんわりと俺の体に沁み込んで、溶け込んで、混ざり合う。
これがきっと……
*****
彼女の事を俺は愛していたから受け入れた。
ブラウスのボタンが弾け飛ぶ。
彼女が自分の服を破って露わになった白い肌が夏空に浮かび上がる。
彼女は首を傾げながら自分の胸に手を当てて、指がめり込んでいく。
彼女は言った。
「私のをあげるから、貴方のもちょうだい」
差し出された手の中には確かに鳴動するそれがあって、俺は冷たい手でそれを
受け取った。
彼女は言った。
「ねえ、知ってる? 女の子って二つあるんだよ心臓が」
彼女の元を離れてもまだ、俺の手の中で動き続ける心臓を見てから彼女を見る。
「さあ、早く。私を愛しているんでしょ? 」
彼女にそう言われても俺はそのまま動く事など出来ない。
口の中はカラカラで、唾さえ出てこずにただヒーヒーと息継ぎをしている状態
だった。
「仕方が無い人ね。手伝ってあげる」
彼女はそれを口の中に押し込んで来る。
俺はのけぞりながら、やがて彼女が上になった。
「ほら、早く」
強引に口の中に押し込まれていき、カラカラだった口の中が潤っていく。
「ド・グ・ガ・ゴ・ワ・オ」
そして彼女の手が俺の胸に触れた。
彼女の重みを感じる。
じんわりと俺の体に沁み込んで、溶け込んで、混ざり合う。
これがきっと愛するという事なんだと実感する事無く終わりが来た。
*****
「足りない、足りない、足りない、足りない」
口の周りを真っ赤にして彼女は言う。
「こんなのじゃ足りないのよ! 」
愛しているなんて簡単に言って来る奴らはいつだってこうだった。
「愛が足りない! 」
分かってはいたけど、
この程度の痛みにすら耐えられないものを愛とは言わない。
応援ありがとうございます!
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あわわ……///
読ませて頂きました
頑張って下さい!
ありがとうございます。