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さらに奥の手を持て
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しおりを挟む私とバミンガとの出会いはとあるパーティーでだった。
彼は侯爵家の出である為、パーティーでは常に周りに人がいる状況の中
たまたま彼が私を見かけて声をかけて来た事から私達の関係は始まった。
私にしてみれば、侯爵家の人間とお近づきになれる事はとても魅力的であったし
そして何よりもそんな人間が私に夢中になっているという状況がなんとも言えず
例え婚約者がいようとも知った事ではなかった。
むしろその事が私の原動力になっていた。
私の言う事をバカみたいに聞く狗にするという目的は見事に達成され、
そしてその時が来たのである。
「ジェニ。俺はもう君無しでは生きていけない、俺と結婚して欲しい! 」
彼はとうとう私に求婚して来たのだ。
「駄目ですよバミンガ。貴方には婚約者がいるではないですか? 」
私はあえてそんな事を聞く。
「あんな女との婚約なんて破棄してやるさ! なにせ俺には奥の手があるから
何も問題はない。だから俺と結婚してくれ! 」
彼の必死な表情を堪能した私は求婚を受け入れた。
これで私も侯爵家の人間である。
この狗を使って優雅な生活が待っているんだと思うと
その日私は興奮してなかなか寝付けなかった。
*****
私はバミンガとその婚約者のエルリとの婚約破棄の場に居た。
「エルリ、俺は運命の相手を見つけたんだ! だからお前との婚約を破棄する! 」
私は二人のやり取りを見ているだけでいいとバミンガに言われていた。
「貴方、本気でそんな事を言っているのですか? 」
「ああ、もちろんだ」
「そうですか、わかりました。では契約の通り貴方には罰を」
彼女がそう言うとバミンガの身体が燃えだした。
「え? 」
私は今の状況に頭がついていかずに、混乱する。
「残念でしたね。婚約破棄をした場合、彼は燃える事になっていたのです! 」
エルリがそんな事を言って来たが私には彼女が何を言っているのかが理解
出来なかった。燃えるって一体どういう事なんだ?
「はははは。大丈夫だよジェニ。少し場が乱れるかもしれないが驚かないでくれ
と言っただろ? 」
バミンガが燃えながら私に話しかけて来るが、私が思っていたのとは違う展開
だった。てっきりエルリが泣き喚いたり、暴れたりしてそれを彼が抑えてくれる
のだろうと思っていたのに……
「で、でも」
「大丈夫だ、俺は水属性なんだ!
だからこの程度の炎など効きはしないさ。耐性があるからね!
残念だったなエルリ、俺には効きはしないぞ! ははははは! 」
耐性? 何それ? 貴方、魔法がつかえるの!!!!
「ふふふふ。何を今更。私がそんな事を知らないとでも思っていたのですか?
この契約が貴方にとって有利なものになっている事なんて、知っていましたよ!
だから私はこの日の為に準備していたのですよ、ヘルフレイム」
「うわあああああああ」
さっきまでとは違って、大きな声をあげる彼を燃やす炎は漆黒だった。
「ふふふふ。ひゃひゃひゃひゃ。ふぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ」
燃える彼を見て奇声をあげるエルリはもはや別人に見えた。
そんな中でも私は彼を信じていたのだ、だって彼にはまだ奥の手があるのだから。
だから、待っていたのに……
「奥の手があるって言ったよね? 」
そこには真っ黒な焼け跡だけが残っていた。
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