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シェリー・カシワバは難しい
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しおりを挟むとあるアパルトマンで紅茶を飲みながらくつろいでいた彼女は時計を見て
出かける準備を始めた。
*****
シェリー・カシワバは、ここボラホワース皇国に異世界転生して来た。
始めは戸惑う事も多かったが、今となっては立派な皇国人としてやっている。
今や彼女は美食家なのだ。
人生をかけて目指す者もいるというその職業に彼女は『たまごかけごはん』
で審査員全員を唸らせ、全会一致で美食家になった。
そんな彼女は毎日のようにデートお誘いが来る。
彼女が美食家という事もあるが、その美貌は世の男どもを魅了した。
*****
支度を終え、鏡の前でおかしな所はないかチェックした彼女は
待ち合わせ場所へと急ぐ。
「ごめんなさい、待たせたかしら? 」
「いいや、今来たところだよ。今日もキレイだねシェリー」
「ありがとう、ボダ伯爵」
簡単なやり取りをして二人は歩き出す。
今日はボダ伯爵とランチをする事になっていた。
「今日行くベーカリーは君もきっと満足してくれると思うよ。
店主は『ほっこりパン屋』の出でね、店の味を引き継ぎながらも
オリジナリティのあるパンを出すのだそうだ。
是非とも君と一緒に味わってみたくてね」
ボダ伯爵の話を聞いていると店に到着した、店名は『ふっくらパン屋』という。
私はおすすめのパンを頼んで、食す。
確かにそのふっくら触感は凄まじく、そしてほっこり感も感じるという
素晴らしいパンだった。
この男さえ居なければ最高のランチになったに違いない。
「いや~、実においしかったね。素晴らしいベーカリーだったよ。
君もそう思わないかい? あのベーカリーは一度は行くべきだと私は思うね。
そうだ、ベーカリーの店主に挨拶すればよかったな。きっとベーカリーの店主も
君が食べたと知れば喜ぶだろう。あのベーカリー 」
「パン屋、パン屋って言え!
さっきからベーカリー、ベーカリーってうるさいんだよ!
『ふっくらパン屋』って書いてあっただろうが! 」
私は言うべき事だけを言ってその場を後にした。
*****
「このスープはとてもフルーティーで、この料理にとてもよく合っているね。
このハーモニーは実にすばらしい」
私はヒュン伯爵とディナーを食べていた。
「このカリカリ触感がなんとも楽しいね」
「いや~ まだ香りが残っていて、余韻を感じるね~ 」
なんだかんだと言って来るヒュン伯爵とラーメンを食べ終わった私は
「御託はどうでもいい、おいしいって言えや! 」
そう言ってさっさとアパルトマンに帰った。
*****
「今日も糞みたいな男しか居なかったよ~。
まあいいけどね、私にはアンタが居るからね~ 藤五郎~ 」
アパルトマンに帰った私は、今日の愚痴を猫の藤五郎に聞いてもらいながら
戯れていると
「にゃあ~ 」
「どうしたの、こんな夜更けにお散歩ですか? 」
藤五郎が窓をカリカリ引っ掻いて開けろと催促するすので開けてやると、
そこには見知らぬ猫が一匹。
「嘘でしょ!? 藤五郎? 戻っておいで、カリカリあげるから! 」
すると藤五郎は私の制止も聞かずその猫と暗闇に消えて行った。
溺愛していた猫のその行動に私は叫ぶ。
「裏切者~~~ 」
夜の街に声が響き渡ると
「うるさい! 」
何処かのおじさんに怒鳴られてしまった。
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