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例えば、コーヒーを飲むように
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しおりを挟む何かに憧れるなんて事はそうそうあるものではないけれど、それでも憧れて
しまったからには少しでも近づきたいと願ってしまう。それはきっと叶わない
願いなのだろう事は分かっている。憧れるという事は自分にはなれないという
事なのだから、憧れを抱いた時点でそこで終わりなのだ。
俺達、否、二人と言った方が正確なのだろう。
どうしたってこの身体では限界があるのだ。
だから運んでもらう事にしたのは正しい判断だとおもう。
合計20個も運べる訳がなかった、少しばかり張り切り過ぎてしまったと反省は
している。
廃品回収の人に持って行ってもらったが特に問題はないだろう。
向こうだって許可なくやっているのだし、バレても通報されるなんて事はない
だろう。そもそも取り締まっていないから成立しているのだし、今更どうこう
出来るものでもないのだろう。
そんな説明で納得出来てしまうのも普通ではないが、そんな言葉がすらすら出て
来るタマキはもっと普通ではないのだろう。
もうすぐ夜が明ける。
あれだけの大仕事であったのに特に変わった様子も見せない。
俺はもういつ終わるかも分からない状況にただただ必死だったというのに、
タマキは何事でもないように、いつもと変わらず淡々とこなしていた。
「じゃあ帰ろう」
タマキの後を歩く。
それは不意で、その事を意識していたという訳でもなくて――
例えば、コーヒーを飲むように聞かれた
「オレって言うのは訛り? 」
何となく受け入れられていると思っていたけど、どうやら理解はされていなかっ
たのだと衝撃を受け足が止まった。
「あれ、そっちじゃなかったか」
振り返ってそう言ったタマキ、反応で全てを理解してくれるのは流石ではある。
そのまますたすたと歩いて行ってしまうがついて来ていない事に気が付いてまた
振り返った。
「行くよ? 」
「はいはい。今行きますよ」
そしてタマキの元へ走って行く。
もうやめてもいいかもしれないと思いながら。
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