7回目のクリスマス

菫川ヒイロ

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「やあ来てくれたんだね! 」


 全身が黄緑の男が私の目の前にいた。
 別に私は来たくて来た訳ではなく、気が付いたら目の前にタリラムーが居たと
 いうだけの事ではあったけど、ここは適当に合わせておくのが無難だろう。
 
 
「待った? 」


「うん、結構待ったけどそんな事は全然いいんだよ! こうして君が来てくれたっ
 てだけで待っていた甲斐があるんだから。ありがとう来てくれて」
 
 
 相変わらずのもの言いではあるが、感謝されれば悪い気はしない。
 どうやらここは駅前で、私はここまで電車で来たようだが本来行くはずだった
 方とは真逆の方向だったのだ。
 
 
 だから爆発したのだろう。
 
 
 もうそのくらいの感覚で居た方がいいようだと自覚した。
 何となく繰り返す感じなのかと予想してはいたけど、どうやら私が思っていたの
 とは大分違うようだった。そもそもここからスタートで良かったのでは? 
 とさえ思うがそれすらも正しいのかが分からない。
 
 
 今、私の身に一体何が起こっているのかが未だに理解が出来ないがそれでも
 これは続くのだろう。何かしらのルールにのっとってこれは進んでいるのだろう
 からこれが正解なのだろうし、私にはこのまま進む道しかないのだ……
 
 
 でも間違った所でこうして勝手に修正してくれるのであれば、気にせずに好きに
 すればいいのではないだろうか? まあ必ず死ぬけど。
 
 
 だんだん死ぬという感覚が大分鈍って来ているように思う。
 こうしてまた生き返る事を繰り返しているとそもそも私は死んだのかさえ疑わし
 くなってくる。
 
 
 そもそも最初は私はどうして死んだのだったっけ?
 
 
 あれは確か3番目の男と会って居た時の事だった。
 私には男が7人居て毎日を違う相手と過ごすという生活を送っていた。
 だから毎日がとても新鮮で充実していたのだ。そんな私が死んだ理由は確か
 誰かに刺されたからだったと思い出した私は宙に浮いていた。
 
 
 嗚呼、これはまた死ぬんだなと思いながらも既に私は次はどんな場所から始まる
 のだろうかと少しばかりわくわくしていた。
 これはもうおかしなスイッチが入っていると自分でも分かっている。
 でももうそれの何がいけないというのだろうか?
 
 
 この狂った世界で何が正しいかなんて私には分からない。
 
 






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