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しおりを挟む一体私はこれを何度続けていたのだろうか?
そんな考えても仕方がない事を考えてみるが、何回もこれを経験しているから
こそ私はこの事に気が付いた訳で、そんな感覚が溢れ出してくるくらいには回数
を重ねているのだと思うと自分が嫌になる。
とは言え私以外の人物がこの繰り返している現状を理解出来ているとは思えず、
私が話した中で真面に話を聞いてくれたのはキャサリンぐらいだったし、そんな
キャサリンにも結局は病院を進められてうんざりした。
どうして私だけが気が付けたのかはさっぱり分からないが、流石にこの現状を
楽しめるような性格を私はしていないのだ。だから早くここから抜け出す事を
考えだしてどらくらいたっただろうか?
このループに気付いてからと言うもの私の記憶はずっと更新されており、消える
事はないのでそれはそれで喜ぶべき事なのだろうけど、でもこの繰り返しは精神
を消耗するという事がよく分かってからは出来るだけ考える事を止めた。
そして何度目かは分からない今日を迎えた私がようやく当りを引けたのだ。
今までと何が違っていたのかがよく分からないけど、そんな事よりも新しい展開
があったからには何かが起こるはずである。
「ねえ、零れてるわよ? 」
彼が開けたペットボトルから中身が噴き出していた。
確かにこれは今までにない展開ではあるけれど、ただ彼がどんくさいというだけ
という事も考えられるからこれは気にしない事にする。
「ああ、本当だ」
動じているのかいないのかが分かりにくい。
それは彼はしばらくその様子をみてからようやく動き出したからだ。
「ああ、もういいから動かないで」
結局私が面倒を見る羽目になるのはいつもの事ではあるけど、これからもこれが
続くのかと思うとそれはそれで嫌だなと思ったのは自分の姿が母親の様に見えた
からだ。どうして私が彼の面倒をみないといけないのか? そんな感情が沸々と
沸いて来てしまったらもう無理だった。
「私、アンタとは結婚しないわ。何があってもね」
そうだ。これだけは無理なのだ。
長年やって来たからといってそれを受け入れていた訳じゃないし、別にやりたく
なんてなかった。ただ誰も居なかったから私が面倒を見ていたというだけの事で
私の人生をどうして彼に費やさないといけないのかが理解できない。
私の人生は私の為に使うのだ。
そう決心した私はまた今日を迎えた。
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