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しおりを挟むデ殿下を起こしに部屋へ入った私は珍しい光景を見る事になった。
「おはようミチャル。今日はとてもいい天気だね。
正しくどうぶつえん日和というやつだなこれは! 」
いつもはなかなか起きてくれないデ殿下が今日は何もせずに起きていたのだ。
今日はきっと嵐になるに違いないと確信した私は言う。
「デ殿下。今日は曇天です」
「そだね」
デ殿下は窓から空を見上げながら言う。
まあ、今日はデ殿下が楽しみしていたどうぶつえんへ行く日なので、わくわくが
止まらないのは分からないではない。まったく子供らしい。
「準備は出来ているな? さっそく向かうぞ! 」
デ殿下は今すぐに行こうとした、でも
「デ殿下。まずお召し物をお着換え下さい。
そのままの格好では城外出る事は出来ません。
王にまた怒られますよ? 」
「そだね」
デ殿下はどうやったのか分からないが一瞬でパジャマを脱ぐ。
「ミチャル、早く服を着せてくれ」
「はい、すぐに」
結果として時間が掛かってしまったのはデ殿下がまったく着替える気がなく、
私がパワーのみで着替えさせたからだ。いくら子供といえどもまったく動かない
子供に服を着せるのはなかなかに重労働だ。
「よし、じゃあ行くか! 」
「デ殿下、朝食を召し上がって下さい。王妃がガチギレします」
「そだね」
朝食を取り終え、王妃に余計な事をするなとしっかり釘を刺されてから
デ殿下と私、もう一人のメイドと共に馬車に乗り、どうぶつえんへと向かった。
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