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しおりを挟む「ねえ、私さ。また婚約破棄されたんだけどさ。
これってどういう事なんだと思う?
確かにさ、私にだって悪い所が無かったとは言わないよ?
そりゃあお互い完璧じゃないんだしさ、何かしら気に障る事もあるでしょうよ。
でもさでもさ。そういうのを乗り越えてこそだと私は思う訳ですよ!
そうやって乗り越えて行った先に愛があるんじゃないの?
そんな、初めからなんでもかんでも許せるなんて、そんな聖人でもあるまいし、
無理に決まってるじゃんね?
大体さ、距離感なんてものがそんなに簡単に分かる訳もないしさ。
そう思わない? 」
「でね、婚約者が私に言う訳ですよ『運命の相手を見つけた』って。
でもこっちは『ちょっと待て! 』ってなるでしょ?
何? 何なの? 運命って何?
そんなものこっちは知らないってのよ!
いつの間にそんな能力を手に入れたのよ、聞いてないし、そういうのって
最初に説明しておいて欲しくない?
『俺、運命の相手みつける能力あるんで』くらい言うべきでしょ。
そうじゃないとこっちもどう反応していいのかいまいち分からないのよね。
リアクション取りづらくない?
事前に言ってくれていればこっちも対処しようがあるってもんでしょうよ。
そういう所よね、事前に連絡しないのほんと嫌い。
こっちにも都合があるってのよ! あんたもそう思うでしょ? 」
「だいたいさ。どうして破棄する方がそんなに上からなのか、意味わかんない!
どういうつもりで婚約したのって話じゃない?
お互い、納得の上でするのが婚約でしょうよ。
それを一方的に破棄とか言っちゃってさ、ふざけんじゃないわよ。
私を何だと思っているのよ! 婚約者様でしょうが!
お願いしてるのはそっちで、私はそれを聞きいれるかどうかを決める立場なの
にさ。私が認めなかったらどうするのよ? それでもいいの?
あんなに偉そうに言っておいて、失敗するとかどんな笑い話よ。
笑えないわよ!
馬鹿じゃないの」
「で、あんたは結局どう思ってる訳よ?
こうして婚約破棄された女の話を聞いてさ。
もう、耳にタコでも出来たんじゃないの?
同じことの繰り返しばかりで、飽きて来てんじゃないの?
でもね、私の方がとっくの昔に飽きてんのよ!
だから最後まで付き合いなさいよね! いい? 分かった? 」
「ところで、あんた誰なのよ? 」
応援ありがとうございます!
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えっ(;゜O゜)通りすがりの人に愚痴言ってんの?迷惑でしょ。