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しおりを挟む「私が王子様の婚約者に選ばれるなんて! 」
と友達には言っているけど、実際私が選ばれるのは当然だと思っていました。
だって私、可愛いもの!
こんなに可愛いエルベザールが選ばれないなんて事がこの世界であり得るはずも
ないって知っていたから、私には何の不安もなかった。
ただ馬鹿ども嫉妬だけが面倒なのは分かっていたからそれっぽい演技をする事は
忘れなかった。
「ふう、疲れたわ」
家に帰って漸く一息をつく。
「お茶をいれてくれるニーナ」
メイドにお茶を持って来させるとさっそく始めるのだ、今日の愚痴を。
「ねえ、聞いてよニーナ。あの人達はどうして私が王子様の婚約者に選ばれたのか
が分からないんだって、馬鹿よね? そんなの私が可愛いからに決まっている
じゃない! 一体どんな目をしているのかしら、節穴も良い所よね? 」
「ええ、そうですねお嬢様」
「それに私が王子様と婚約した途端にすり寄ってくる連中の多い事、そう言えば
あのグループの中に入っている人も居たわね。そんなものよね、グループなんて
自分に利益がなくなればみんなすぐに止めてしまうなんてよく聞く話。
あのグループももうすぐ崩壊するんだわ、きっと」
私はお茶を口にして喉を潤す。
「結局さ、人を貶める事しか考えていないからそうなるのよね。私みたいに自分に
自信が持てない奴ってそうやる事でしか自分を保てない、本当つまらない人達
だと思うわ」
「お嬢様、そろそろお時間です」
今夜は王子様とパーティーに出席する事になっていた。
王子様の婚約者たる者がだらしなくてはいけない。
最高の私で向かわなくては。
何時だって私は最高だけど、それでも今夜は気合を入れる。
だって私は王子様の婚約者なんだから!
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