祝福なんていらない

スタローン

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これって異世界モノですよね?

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~衛兵とメイドに付き添われ客間へ続く道を歩く僕~

城中の従者達が僕を見て笑っている。当たり前だ、素っ裸で手でイチモツを隠しながら歩いているのだから。
もう一生分の恥をかいたようだ。
それにしても勇者の扱いってこの程度のものなのか?
普通に着替えぐらい持ってきてくれても良さそうなものだけど・・

メイド「着きました。ここです。」

僕「おお!ここが客間ですか!!」

重厚な装飾をあしらった大きな中世ヨーロッパ風の扉
を開けると・・・何とも外見に似つかない簡素な内装で小さなテーブルとベッドがあるだけだった。

メイド「それではこれが着替えと装備になります」

何だこれ、◯ラクエに出てきそうな皮の鎧と麻でできたシャツとズボン、それに靴だけなんて・・・
これだけで小鬼討伐に行くわけないよな・・

メイド「他に御入用のものがございましたらお申し付けください。」

僕「あ、あのちょっと待ってください!!」

メイド「はい、何でしょう?」

このメイド、見た目は正直100点だ。金髪で巨乳、腰のクビレはくっきりしていてお尻は小ぶりだがしっかり上を向いている。
瞳はブルーで色白の顔、高い鼻に長いまつ毛。
褒め出したらキリがない。とにかく美しい。
僕は部屋について安堵したのか急にこのメイドと仲良くなりたくなった。
心細すぎて誰か打ち解けられる人間が欲しかったのだ。
メイドと言えば異世界モノでは定番、最初は少しツンツンしているが主人公に実はぞっこんデレデレだ。
このメイドもそうに違いない。僕は意を決して名前を聞いてみることにした。

僕「あの!おっおっ!!・・」

言葉に詰まってしまった。転生前の僕は女性とキスをしたこともないただのガチガチ童貞だったことを忘れていた。

メイド「ああ、おトイレですか。それならベッド脇にある壺にしてください、それでは失礼します。」

メイドは顔色ひとつ変えずに去っていった。

僕(これって異世界転生モノだよな?女神の祝福を受けてないせいなのか、全くいいことがないぞ。
それに戦闘能力もないのに、こんな貧相な装備で小鬼討伐なんて、俺もしかしたら死ぬんじゃないのか)

僕「考えても仕方ない、ウンコしよう。」

僕は仕方なくベッドの脇に置いてあった壺に異世界初のウンコをぶちまけたのであった。

ぶちっ!ビチチチチチッ!!ドボボボッ!!
ぷぅ~
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