20 / 25
・古谷
3 騙し
しおりを挟む
朝、起きて『恋人がいたら申し訳ない』って謝られたけど、居ないよというと彼はホっとした表情になった。これは完全に脈アリだよなと思いつつもどう、俺達が恋人になるかと考える。過去の雑談から過去の恋人は全員異性だったし……
その日は、兄貴が出した本がどう売られてるか近場の本屋に向かった。
そこには“今注目の!”みたいな専用コーナーに兄貴の動画音声が流れつつ本が積んであった。たまに人が寄ってきて興味深そうに本を手に取ってくれてた。
と、目の端に写ったのはケイで、話しかけるとビックリされた。前に本屋で働いてると聞いてたけどこの店舗だったとは。『緑のエプロンが似合うね』と伝えると照れたように笑った。少し雑談してたら彼が呼ばれお邪魔したな、とその日は帰った。
兄貴に『本が売ってたよ』と伝えると彼は嬉しそうにしてた。そういや、気になることがあってもう一回あの本屋に向かうとケイは居なかったけど、同僚の人に話しかけられた。
『この前、水田と親しかった人ですね』
『ええ、隣人で仲良くさせてもらってます』
『お兄ちゃんが出来たって喜んでましたよ』
『兄ですか、彼は妹は……』
『水田、一人っ子ですよ』
へぇ。同僚は最近自分達の兄弟の話をしてたらケイが羨ましそうにしてたと。これで妹=ケイは確定。まぁ、バレバレではあったが。
次の日、ドアの音がして開けると妹の姿で出かけようとする彼を見て話しかけるとその格好でコンビニに行こうとしていた。懲りないなと思いつつも時間は夕方ぐらい。深夜に出かけるよりはマシだろう。
1人で行かせたくなくて、一緒にコンビニに向かう事に名前考えてるのか聞くと圭子と名乗った。こっちが話しかけるもんだから相槌だけでは無理があると思ったのか一応高い声を出しながら会話をするケイ。
その姿が微笑ましい。俺は手を繋ごうと彼の手を取った。
コンビニでアイスとか酒とか買って帰るとき横断歩道の向こうにあの時の男が人々の後ろに居るのを見かけた。ケイも見つけ震えるから男とは逆側にケイを寄せて腰に手をやって抱きながら歩く。男はケイに気づかずに通り過ぎた。
2人でホッとしながらエレベーターに乗る。
彼の仕草が可愛くてそれを伝えるとモジモジと照れてる。こんなのそのままバイバイする訳ないし、部屋で食べようと誘った。
いつものテーブルに買ってきたものを広げ、ケイはアイスとホットスナック。俺はアイスと酒とつまみ。先にアイスを食べる。食べてるのはソフトクリームだけどアイスキャンデー舐めさせたい。えろっちい動画撮りてぇなぁ……
マスクを取った彼はコッチを向かずに食べてる。顔見られたくないのか。
酒に酔ったフリをしながら聞いてみた。
『ケイはさ、なんで女の子の格好してんの?』
そういったら泣き出すケイ。そう意味で泣かせたいんじゃない。何故知ってるの? って事で本屋の同僚の話をすると混乱して、言葉を何度も飲み込む彼に俺は『ケイの事が好き』と伝える。けど、なんとなくいたずら心で酔ったフリでテーブルに突っ伏すと彼は部屋に帰らず俺をベッドまで運んでくれようとした。
なんとかベッドまで行って俺を寝かせて彼は行こうとした時にケイの腕を引っ張り抱きかかえた。
俺は寝たふりだけど、ケイは色々と疲れてた様でそのまますうすうと無防備に寝た。
その日は、兄貴が出した本がどう売られてるか近場の本屋に向かった。
そこには“今注目の!”みたいな専用コーナーに兄貴の動画音声が流れつつ本が積んであった。たまに人が寄ってきて興味深そうに本を手に取ってくれてた。
と、目の端に写ったのはケイで、話しかけるとビックリされた。前に本屋で働いてると聞いてたけどこの店舗だったとは。『緑のエプロンが似合うね』と伝えると照れたように笑った。少し雑談してたら彼が呼ばれお邪魔したな、とその日は帰った。
兄貴に『本が売ってたよ』と伝えると彼は嬉しそうにしてた。そういや、気になることがあってもう一回あの本屋に向かうとケイは居なかったけど、同僚の人に話しかけられた。
『この前、水田と親しかった人ですね』
『ええ、隣人で仲良くさせてもらってます』
『お兄ちゃんが出来たって喜んでましたよ』
『兄ですか、彼は妹は……』
『水田、一人っ子ですよ』
へぇ。同僚は最近自分達の兄弟の話をしてたらケイが羨ましそうにしてたと。これで妹=ケイは確定。まぁ、バレバレではあったが。
次の日、ドアの音がして開けると妹の姿で出かけようとする彼を見て話しかけるとその格好でコンビニに行こうとしていた。懲りないなと思いつつも時間は夕方ぐらい。深夜に出かけるよりはマシだろう。
1人で行かせたくなくて、一緒にコンビニに向かう事に名前考えてるのか聞くと圭子と名乗った。こっちが話しかけるもんだから相槌だけでは無理があると思ったのか一応高い声を出しながら会話をするケイ。
その姿が微笑ましい。俺は手を繋ごうと彼の手を取った。
コンビニでアイスとか酒とか買って帰るとき横断歩道の向こうにあの時の男が人々の後ろに居るのを見かけた。ケイも見つけ震えるから男とは逆側にケイを寄せて腰に手をやって抱きながら歩く。男はケイに気づかずに通り過ぎた。
2人でホッとしながらエレベーターに乗る。
彼の仕草が可愛くてそれを伝えるとモジモジと照れてる。こんなのそのままバイバイする訳ないし、部屋で食べようと誘った。
いつものテーブルに買ってきたものを広げ、ケイはアイスとホットスナック。俺はアイスと酒とつまみ。先にアイスを食べる。食べてるのはソフトクリームだけどアイスキャンデー舐めさせたい。えろっちい動画撮りてぇなぁ……
マスクを取った彼はコッチを向かずに食べてる。顔見られたくないのか。
酒に酔ったフリをしながら聞いてみた。
『ケイはさ、なんで女の子の格好してんの?』
そういったら泣き出すケイ。そう意味で泣かせたいんじゃない。何故知ってるの? って事で本屋の同僚の話をすると混乱して、言葉を何度も飲み込む彼に俺は『ケイの事が好き』と伝える。けど、なんとなくいたずら心で酔ったフリでテーブルに突っ伏すと彼は部屋に帰らず俺をベッドまで運んでくれようとした。
なんとかベッドまで行って俺を寝かせて彼は行こうとした時にケイの腕を引っ張り抱きかかえた。
俺は寝たふりだけど、ケイは色々と疲れてた様でそのまますうすうと無防備に寝た。
0
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる