ガンスネーク

こんろんかずお

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俺達の聖戦チョコレートウォー

何これ?

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「ひ、ひいっ⁈ な、なんだこれ?」

 俺の悲鳴に呼応して、部屋のはがれかけのメイド服コスプレポスターがユラユラと揺れる。

 立花 銃郎たちばな じゅうろう17歳、花丸高校二年生の男子は自宅の二階の自室で悲鳴を上げ、におののいていた。

 何故なら俺の学習机に『チョコレート』とおぼしきものが置かれていたからだ。
 両親は今日は出かけていないし、そもそも俺は一人っ子だ。
 そして、俺は今、帰宅したばかりだったし、家の玄関の鍵もかかっていた……。

 「お前が買ったオヤツじゃね?」と思われる方がいるかもしれないが、残念ながらそうじゃない。

 何故ならそのホワイトチョコはまず、等身大のライフルの形をしていた。
 俺はこんなチョコ買ったこともないし、見たこともない。
 

 そして次に、チョコの上にイチゴジャムで、ご丁寧にダイイングメッセージよろしく、ヨレヨレの血文字風で「つきあってください」と書かれていたのだ。
 
 まるで血が滴っているようにジャムが垂れているその様には、作成者の狂気を感じる……。血で思い出したが、今日はいつもプレイしている、FPSゲームを友達とオンラインプレイする予定だったのだ。

ゴクリッ……
 俺は緊張のあまり、唾を飲みこむ……。

 誰の仕業なんだ? あ、アイツかっ、『スネーク』だな ⁈

 俺は急いでポケットからスマホを取り出し、この逝かれたチョコを震える手で写真に撮り、アプリ『LANE レイン』を使い『スネーク』に送る。

   ♢

以下『LANE レイン』のやり取り内容

ロウ    こちらロウ。なんだこの逝かれたチョコは?

ロウ    こんなことしなくても、いつでもゲーム付き合ってるだろ⁈

スネーク  何? この巨大な釣り針? 

スネーク  くだらないことしてないで早く入って来いよ?

ロウ    マ? これお前じゃないの? 後、合成写真じゃない。

スネーク  ……こちら、スネーク。そちらに向かうから待ってろ。

   ♢

 それから三十分後、同級生のゲーム仲間であり、親友でもある『スネーク』こと蛇野 剣へびの つるぎが俺の自宅に到着した。
 
 あ、ちなみに『ロウ』と『スネーク』はゲームでのあだ名みたいなもん。
 『ロウ』=立花 銃で、『スネーク』=野 剣ね。

「ひ、ひー。な、なにこれー、は、腹いてー!」

 蛇野はゲラゲラと楽しそうに床の上で笑い転げている。

 ……しかし、こいつ名前の通り、相変わらず細い体してるなー。
 顔は色白でソース顔、目はつり目で、鼻は高い。
 黒髪の束感ショートヘアをしており、ジャニーズみたいな感じだ。

 知識人で、話もうまいし面白いためクラスの女性にも受けがいい。
 しかし、何故か彼女は作っていないんだよな?

 っと、この感じだとこいつじゃない。

 じゃ、一体誰がこんなテロを?

「笑いごとじゃねーだろ⁈ これ、絶対俺に対する宣戦布告だぜ?」

 蛇野は俺の言葉に目をまん丸くして驚く。

「ロウお前、今日が何の日か知ってる?」

 俺は少し考え、真顔で答える。

の今日は、お前達とFPSランクマの約束してた日だろ? 違うか?」

「……うわあ、まじか。うん、間違いではないけどな?」

 そう言うと、蛇野はニヤリと笑い、悪い顔をする。
 
「そうだな、ロウ。俺とお前は親友だ。折角のおもし……んんっ、俺も解決の手伝いをするよ?」

 蛇野の顔は真剣だが、口元が気になる。そう、口元が若干緩んでいるのだ……。
 あ、怪しい……。
 
「スネーク、悪いな。もしかして何か思い当たるフシがあるのか?」 
「勿論あるよー。ありありだー。こいつは『チョコレートウォー』だな」
「何だそれ?」

 蛇野はクックックと笑いながら俺に答える。

「こいつはなー、気になる相手に送る宣戦布告なんだよ!」
「むーそうだったのか……」

 正直俺は、カレンダーの『今日は何の日』にはうとく、どうでも良かった。
 
「まー俺に任せとけ、悪いようにしないからさ。じゃ、今日は帰るぞ。また明日学校でなー」

 そう言うと、蛇野は俺の肩をポンと叩き、帰って行った。

 ……それはそうとして、この『チョコレート異物』どうしてくれよう?
 
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