ナンテンの実が染まるまで

光猫

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4.12月23日

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太陽が転校してきて約2ヶ月が経とうとしていた。季節は冬になり、街はクリスマスムードになっていた。学校は今日行ったら冬休みに入る。
いつも通りの時間に登校した蒼は少し駆け足で教室へと向かった。教室に入るなり太陽が話しかけに来た。
「蒼おはよ」
「おはよう」
「今日寒くね?」
「それな寒すぎて急いで教室来たよ」
「今年は雪降りそうだな」
「嫌だよ、寒いし、寒いし…」
「蒼は寒いのが嫌なだけだろ」
「ばれた」
太陽がクスッと笑った。それにつられて蒼も笑った。
チャイムがなり担任の先生が教室へと入ってきた。
「今日は午後大雪になるそうだから午前中終業式をやって午後は帰宅だ。部活も今週はなしだからな。」
クラスのみんなは大いに喜んだ。ザワザワし始めた生徒たちを落ち着かせHRは終わった。
午前中の授業はあっという間にすぎ時計の針は12時を指していた。次々と教室から出ていく生徒を眺めながら蒼は太陽を待っていた。
「蒼、ごめん待たせた」
「大丈夫だよ、じゃあ帰ろうか」
蒼は立ち上がり太陽の隣を歩いて学校の門を出た。歩いてる途中太陽がなにかソワソワしているのに気が付いた。
「何ソワソワしてるんだよ」
「いや、蒼さ、25日って暇だったりする?」
「25日?」
「そう」
「まぁこれといった予定はないけれども」
「まじ?」
「どうしたどうした」
「もし蒼が大丈夫ならさ一緒にカラオケ行かない?クラスのみんなで」
「あぁ、まぁ、いいけど」
「じゃあ決まりな、13時に駅前に集合な」
「あぁわかったよ」
(なんだ、太陽と二人っきりじゃないのか…ん?なんでちょっとがっかりしてるんだ?)
「蒼、プレゼント必須だからな」
「え?まぁ…わかった」
「ちなみに蒼は何買うの?」
「ハンカチかな誰が貰っても困らないし」
「そっか」 
「太陽は?」
「んー秘密」
「なんだよそれ笑笑」
「じゃあな蒼、25日にまた会おう」
そう言って太陽は走ってバス停まで向かった。蒼も軽く手を振り家へと向かった。
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