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ローゼ編
二人だけの待合室
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ーーこの話は、エースやジェニファーら生徒全員が学園につく二時間前の二人きりの待合室でセスルとローゼが話し合った内容を描いたものである。ーー
ーーーー
ーー多目的室前の廊下ーー
ファリオ
「ローゼさん、一番奥のテーブルに座って待っててください。」
ローゼ「はい、分かりました。」
ーーーー
ーー多目的室ーー
扉を開けると、そこには二つ縛りの茶髪の女子が廊下側の十四人座れるテーブル、つまり、ローゼから一番近い椅子に座って待機していた。
ローゼ「......ぁ。」
セスル「...?.....。」
ふと目が合い、一旦扉に振り返りそれを閉めると、セスルの方に再び向き直り、話し掛けた。
ローゼ「あなたも新入生?これからよろしくね。」
セスル
「ええ、私はセスル・アイニス。ここの学園長の孫なの。ようこそ、クリスティア学園へ。」
ローゼ
「ええ、ありがとう。私はローゼ・セシルライム、エクロリア共和国の王族の人間よ。でも、ごめんなさい、正直、心の底から喜べない。」
セスル
「...そうね。無理もないわよ。」
と言って立ち上がり、テーブルの角を越えて直進方向にある窓まで移動しながら言葉を紡ぐ。
セスル
「この学園はほとんどの行事で必ず戦いの場に駆り出される、入学をした私達はそんな運命。ここへ入学したのにも相当な覚悟が必要だったはずだし...。」
と言うと、両手で 握っていた窓のノブを下に回して、ゆっくり押し込むようにこじ開けた。
当然風も少し入ってきて、髪の毛までもがその風に少しだけ流される。
ローゼ
「ええ。...本当の事を言うとね、私は、いとこの姉である女王陛下・エレノアの言いつけでこの学園に来ることになったの。やむ無く...。」
セスル「...。」
ローゼ「...戦争はいつ終わるのかしら...。」
そういってセスルの所まで歩みより、彼女の2歩後ろの所で足を止める。
ローゼ「私、気が気でならないの。なぜこうも人は武力行使に持ち込もうとするのか、なぜ...話合いもせずに勝手に何かを奪おうとするのか。」
セスル「.....。」
ローゼ「私、いとことして従姉が心配なの、いつかダーキル帝国を滅ぼすことに執着して、従姉の心が狂ってしまったらって...。貴女もそう思ったことは?」
セスル
「...考えたこと、なかったわね。けど、そんな事は絶対にならないわ。私も、お祖父様も...。」
ローゼ
「...ふふっ、貴女はすごく前向きね。私も見習わないと...。」
セスル
「大丈夫、エレノア女王陛下も、その程度で参ってしまうタマではないでしょ?」
ローゼの方を振り向いてからそう言うと、セスルは突然と彼女の右手を掴み、両手でぎゅっと握る。
セスル
「それに、私も、お祖父様も、女王陛下も、皆国のため、自分のため、大切な人、譲れないもののために覚悟を決めて戦ってる。だから、貴女もお姉さんのことが心配なら、その人のために貴女も覚悟を決めて守ってあげて。...その為には、この学園で色々な事を学んで、その成長した力でダーキル帝国を叩き潰しましょう。」
ローゼ
「ええ。わかったわ。」
少し優しそうに微笑むと左手でセスルの両手を握りかえし、
ローゼ
「従姉さんの力になるかはわからないけど、私は従姉のために頑張ってみる。」
二人はしばらくじっと見つめあう。すると、ローゼの後ろの廊下側の扉が開く音が聞こえた。
二人はそこに目を向ける。
ユキムラ「失礼するよ?」
その扉の裏の正体を確認するとローゼはセスルの両手をすっと離し、その男の方へと体ごと向ける。
ローゼ
「お久しぶりです、教官。執務試験以来ですね。」
セスル
「ユキムラ教官...、一応今ここは教官達の立ち入りは禁止の筈ですが?」
ユキムラ
「いやぁ♪まあね。こっから美しいお嬢ちゃん達の話し声が聞こえたから、これも蜜につられて...かな?」
セスル「へ、へぇ....(汗)」
ユキムラ
「...まぁ、その事は置いといて、セスル・アイニス君とローゼ・セシルライム君だね。君達に特別な話がある。これは君達が学園長の孫、そして、エクロリア共和国の王族だからこそ話せることだ。...聞いてくれるね?」
ローゼ「話?....は、はい。」
ユキムラからそう問われると、二人は互いを見てから彼の方に視線を戻し、すんと頷いて、その極秘な話に耳を傾けるのである。ーー
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ーー多目的室前の廊下ーー
ファリオ
「ローゼさん、一番奥のテーブルに座って待っててください。」
ローゼ「はい、分かりました。」
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ーー多目的室ーー
扉を開けると、そこには二つ縛りの茶髪の女子が廊下側の十四人座れるテーブル、つまり、ローゼから一番近い椅子に座って待機していた。
ローゼ「......ぁ。」
セスル「...?.....。」
ふと目が合い、一旦扉に振り返りそれを閉めると、セスルの方に再び向き直り、話し掛けた。
ローゼ「あなたも新入生?これからよろしくね。」
セスル
「ええ、私はセスル・アイニス。ここの学園長の孫なの。ようこそ、クリスティア学園へ。」
ローゼ
「ええ、ありがとう。私はローゼ・セシルライム、エクロリア共和国の王族の人間よ。でも、ごめんなさい、正直、心の底から喜べない。」
セスル
「...そうね。無理もないわよ。」
と言って立ち上がり、テーブルの角を越えて直進方向にある窓まで移動しながら言葉を紡ぐ。
セスル
「この学園はほとんどの行事で必ず戦いの場に駆り出される、入学をした私達はそんな運命。ここへ入学したのにも相当な覚悟が必要だったはずだし...。」
と言うと、両手で 握っていた窓のノブを下に回して、ゆっくり押し込むようにこじ開けた。
当然風も少し入ってきて、髪の毛までもがその風に少しだけ流される。
ローゼ
「ええ。...本当の事を言うとね、私は、いとこの姉である女王陛下・エレノアの言いつけでこの学園に来ることになったの。やむ無く...。」
セスル「...。」
ローゼ「...戦争はいつ終わるのかしら...。」
そういってセスルの所まで歩みより、彼女の2歩後ろの所で足を止める。
ローゼ「私、気が気でならないの。なぜこうも人は武力行使に持ち込もうとするのか、なぜ...話合いもせずに勝手に何かを奪おうとするのか。」
セスル「.....。」
ローゼ「私、いとことして従姉が心配なの、いつかダーキル帝国を滅ぼすことに執着して、従姉の心が狂ってしまったらって...。貴女もそう思ったことは?」
セスル
「...考えたこと、なかったわね。けど、そんな事は絶対にならないわ。私も、お祖父様も...。」
ローゼ
「...ふふっ、貴女はすごく前向きね。私も見習わないと...。」
セスル
「大丈夫、エレノア女王陛下も、その程度で参ってしまうタマではないでしょ?」
ローゼの方を振り向いてからそう言うと、セスルは突然と彼女の右手を掴み、両手でぎゅっと握る。
セスル
「それに、私も、お祖父様も、女王陛下も、皆国のため、自分のため、大切な人、譲れないもののために覚悟を決めて戦ってる。だから、貴女もお姉さんのことが心配なら、その人のために貴女も覚悟を決めて守ってあげて。...その為には、この学園で色々な事を学んで、その成長した力でダーキル帝国を叩き潰しましょう。」
ローゼ
「ええ。わかったわ。」
少し優しそうに微笑むと左手でセスルの両手を握りかえし、
ローゼ
「従姉さんの力になるかはわからないけど、私は従姉のために頑張ってみる。」
二人はしばらくじっと見つめあう。すると、ローゼの後ろの廊下側の扉が開く音が聞こえた。
二人はそこに目を向ける。
ユキムラ「失礼するよ?」
その扉の裏の正体を確認するとローゼはセスルの両手をすっと離し、その男の方へと体ごと向ける。
ローゼ
「お久しぶりです、教官。執務試験以来ですね。」
セスル
「ユキムラ教官...、一応今ここは教官達の立ち入りは禁止の筈ですが?」
ユキムラ
「いやぁ♪まあね。こっから美しいお嬢ちゃん達の話し声が聞こえたから、これも蜜につられて...かな?」
セスル「へ、へぇ....(汗)」
ユキムラ
「...まぁ、その事は置いといて、セスル・アイニス君とローゼ・セシルライム君だね。君達に特別な話がある。これは君達が学園長の孫、そして、エクロリア共和国の王族だからこそ話せることだ。...聞いてくれるね?」
ローゼ「話?....は、はい。」
ユキムラからそう問われると、二人は互いを見てから彼の方に視線を戻し、すんと頷いて、その極秘な話に耳を傾けるのである。ーー
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