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「そりゃ好きになるわ」
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「おかえりっ」
玄関のドアを開けると、そこに慶が立ってて……俺が中にドアを閉めて靴を脱ぐのを待ち構えて飛び付いて来た。
俺はその体を受け止める。
念願の……慶だ。
朝から、会いたかったんだ、俺は。
「何してたの、今日」
抱きしめたままで聞く。
「求人誌取りに行った」
「知ってるよ、それは」
あはは、と緩い笑い声が肩口で聞こえる。
「帰って来てからは………ずっと緊張してる」
「ははっ」
慶らしい。
どうせ、第一声何を言うかとか考えてたんだろうな…。
練習とかしてみたかも知れねぇな…。
お互い、ゆっくり体を離す。
「そんなに緊張すんなって」
離した慶の体を壁に軽く押し付けた。
「…だって、急だし…」
壁に凭れてるその細い腰に腕を回す。
「巴流と大和が会いたいんだって、慶に」
慶が何か言おうとしたけど、その前に唇を塞いだ。
すぐに、慶もそれに応えようと、俺の背中に回した手で自分の方へ俺を引き寄せる。
しばし、キスに集中。
もうここで……襲ってしまおうか……とか、マジで考えたけど、さすがに慶に蹴られるな…。
「…侑利くん、大好き」
キスが終わると、慶がそう言った。
「多分……俺の方が好きだと思うわ」
俺、重症だからさ。
「え~、そんな事ないよぉ~」
「思ってねぇだろ」
「え~~思ってるよぉ~~」
「言い方っ」
リビングへ向かう俺に、あはは、と笑いながら慶が付いて来る。
全く俺は、この慶に、既に体の全部を支配されてんだ。
完全に、どハマりだ。
リビングに入ると、ソファの上に開いた状態で求人誌が置かれてた。
「良い求人あった?」
上着を脱いで、ソファの背凭れに引っ掛ける。
「う~ん…まだ全部見てないけど……」
冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターを取り出しグラスに注ぐ。
「俺も、夜働こうかな」
持ってたグラスを落としそうになる。
夜のお仕事、って意味なら却下だぞ。
お前なんかそんなとこで働かせたら一発で色んな奴らが寄って来て、直ぐにマンションとかプレゼントされて、手籠めにされるのが目に見えてるわ…。
「夜って例えば?」
一応、どういう候補があるかを聞いてみた。
「やっぱりそこそこ時給も欲しいから………工場の作業とかっ」
自分がバーで働いてるからか、夜に働くって聞くと何となくアルコール出します系かなって思ってしまうけど、慶の中にその発想は無いようで何となく安心した。
「ティッシュ配りよりは断然時給良いんだよ。残業とかなくて時間できっちり上がれるとこが多いし」
工場の特集ページを見ながら言う。
「昼間のバイトにしたら……侑利くんとすれ違っちゃうからヤダし…」
ボソッと呟いた。
あぁ、くそ~……可愛いじゃねぇか。
俺と、生活サイクルを合わせる為に夜働くって言ってんのか…。
「何時まで働くの?」
「うーん…10時くらいかなぁ」
俺としてはそんな時間に慶に外をウロウロさせたくないけど、まぁ、それは仕方ないか…。
夕方ぐらいから仕事に入れば、だいたい終わりはそれぐらいになるだろう。
「侑利くんは何時まで?」
「平日は12時に閉まって、閉店作業してたら店出るのは1時くらいかな…土日は2時までやってるから終わんの3時ぐらいになる」
「そんな遅いの?」
ちょっと文句言われるかと思ったら…
「帰りの車で寝たらダメだよ」
と、心配されて、また襲いたくなる。
その生活スタイルでずっと来てるから、特に眠くも無いんだけどな…。
昼頃まで寝てるしさ…。
土日は多分……夕方までしか起きてる間は会えねぇな。
夜は、慶が寝てるとこに俺が帰宅するような感じになるだろう。
「週末……嫌いになるかも」
業とらしくちょっと拗ねた口調。
ソファに座ってる慶の隣に腰を下ろす。
「週末は全員出勤が基本なんだけど、平日はさぁ、交代で2日休みになんの。希望言えば大丈夫だからさ、慶のバイト決まったら休み合わせれば良いじゃん」
あからさまにめっちゃ嬉しそうな表情を向けて来る。
「分かりやすっ」
慶の額をコツッと小突いた。
「分かり難いより良いでしょっ」
指先で小突いたところを摩りながら言う。
まぁ、そりゃそうだな…。
vvv…
ポケットの中で携帯が震えた。
大和から、飲み会の店と時間の連絡だ。
大和はほんとに、こういうのを企画するのが好きだ。
俺は基本的に受け身だから、誘いがあれば出向くってパターン。
俺から企画するような事は先ず無い。
まぁ、多分、俺にそんな企画は出来ないって思われてるから、誰も俺に任せて来ない。
俺と天馬がお互いを親友だと思ってるように、巴流と大和も多分それぞれにそう思ってる。
2人は、BIRTHの面接日が一緒だったみたいで、初対面だけど話が合ったから面接の後行き成り飲みに行ったとかで、最初からきっと馬が合うんだろう。
スタッフが決まって初めての顔合わせの時、2人は元々友達なんだろうって思うくらい打ち解けてたし…。
看板の4人の中では、天馬が長男で俺が末っ子みたいな感じの立ち位置。
巴流と大和は間で双子、みたいなイメージかな…。
まぁ……巴流はバカだし、大和はクール。
でも、巴流も大和も天馬も、それぞれタイプは違うけど、正直「イケメン」だ。
だからこそ、看板やれてんだけど…。
でも、顔だけじゃなくて、ほんとに皆良い奴だ。
仕事柄、それも同い年だしもっとライバル心剥き出しでも良さそうだけど、俺らに留まらずBIRTH全体に言えるのは、そういう面が全員ギスギスしてなくて、何て言うか……すごく働きやすい。
だからこそ、慶を紹介しても……きっと、受け入れてくれるだろうって思うんだ。
慶は……不安で一杯なんだろうけど…。
~~~~~~~~
「……大丈夫かな…」
小さな、ため息とも深呼吸とも取れる息を吐いてタクシーを降りた慶が呟く。
「大丈夫だよ、そんなに緊張すんなって」
店が近付くにつれて、慶は全く喋らなくなった。
もう、ロボット化してんのか?
大和が予約してた店の近くでタクシーを降りて、店の方へ歩く。
気のせいか…それとも、俺の欲目か分かんねぇけど、すれ違う人が慶を見てるような気がしてならない。
男も女も。
やっぱり、慶は目立つ。
本人は全くそんな自覚無いけど……
「……何か……」
慶が困ったような顔をして口を開いた。
「皆、侑利くんの事見てる気がする…」
……………バカップルか。
お互いそう見えてんの?
……ヤバいだろ、俺ら…。
お互い重症だよ。
「あ、」
店の前に、巴流と大和が居た。
慶の緊張が一気にMAXになったのが分かる。
「おー」
近付いて、天馬にしたように2人の前に慶を押し出した。
慶が硬直してるけど、そこは強引に。
「は、羽柴慶ですっ、初めましてっ、宜しくお願いしますっ」
出た、いつもの硬い挨拶だよ……
ちょっと笑いそうになる。
目の前の2人の顔を見ると………ポカーン…って擬音がピッタリだな、って顔してる。
慶は固まってるし……
何だよ、この空間は…。
「ま……マジで超絶美人じゃんっ」
「スタイル良すぎっ、足長すぎっ」
どうだ。
参ったか。
慶は、何も言えず困ってる。
「極度の緊張しぃだから」
すかさずフォローを入れる。
「そうなの?緊張なんかしなくて良いのに。あ、俺、上杉大和。侑利と同い年だよ」
「俺は、宮永巴流。俺も同い年。……ってか、美人すぎてビビる」
「お、お願いしますっ」
慶が深々と頭を下げると、つられて2人もお辞儀する。
……面白ぇ。
「俺らがね、会わせてって言ったの。急に無理言ってごめんね」
大和は割とスマートな応対をするから、クールな人が好きな女子には絶大な人気。
本人もそれを武器にしてる。
「い、いえ、全然…大丈夫です」
慶が頑張ってる。
「聞きたい事がマジで山ほどあるわぁ~」
巴流の言葉に慶が身構える。
ほどほどにしてやってくれねぇと、完全硬直してしまう…。
「とりあえず、入ろっか。天馬と奏太はもう来てるみたいだし」
大和がそう言って、先に店に入って行く。
緊張で手が少し震えてる慶の頭をグシャッと撫でた。
「大丈夫か?」
無言で頷く。
相当緊張してるみたいだけどさ…。
「あっ、慶ちゃんっ」
俺らを見付けた奏太が立ちあがって手を振ってる。
慶は、奏太を見付けて少し安心したような顔で小さく手を振り返す。
広いテーブル席。
通路とはブラインドで仕切れる感じで、半個室みたいな感じ。
テーブルは長方形じゃなく正方形で、1辺が通路側のコの字に座るタイプだから、ちょうど2人ずつ座れた。
巴流と大和に向かい合うような形で俺と慶。
コの字の縦線部分には天馬と奏太が座ったけど、緊張しぃの慶の為に奏太が慶側へ座ってくれた。
とりあえず、何が飲み物頼もうって事で全員でメニューを見る。
「慶は酒は止めとく?」
「あ、飲めない?」
大和が聞いて来た。
「飲めないって程飲んだ事ねぇんだ、ハタチだから」
俺がそう言うと、大和と巴流がまたポカーンとしてる。
「侑利っ!!」
「何だよっ」
「お前っ!!ハタチの子に手ぇ出しやがってっ」
「いやいや、人聞き悪いわ」
行き成り巴流に責められる。
手ぇ出した訳じゃねぇよ。
「大人っぽいね、ハタチには見えなかった。あっ、老けてるとか言ってんじゃないよ?キレイだからかなぁ」
おいおい大和、モテる感じ出してんじゃねぇよ。
「ノンアルあんぞ、これにする?」
「ノンアル…?」
…知らねぇんだな、その反応は。
困ってるもんな、顔。
「ジュースだ、ジュース」
簡単に教えてやった。
「うん、それでいい」
よく分かってねぇだろ、って突っ込みたくなったけど、そこはそっとしといてやった。
とりあえず、慶には飲みやすいシャーリーテンプルを注文し、他はビールで落ち着いた。
それから、食べ物を適当に。
「いやー、しかし、マジで男にしとくの勿体無いくらい美人だわ」
巴流がマジマジと慶を見てる。
慶は……どうしていいか分からず俯き加減。
「とにかく慶ちゃんは人一倍緊張すんだから、あんまりジロジロ見んなよ、巴流」
天馬が隣から言う。
「いやいや、見るでしょ、こんだけキレイだったら」
「確かにっ、気になって見ちゃうよ」
巴流と大和がノリノリだ。
「どこで出会ったの?店には来た事ないよね?」
おっと……来たか…。
慣れ初め…。
「あー…家の近くのコインランドリー」
「「えっ」」
巴流と大和が同じ反応…。
「侑利、ナンパしたのか」
「してねぇし」
まぁ、でも……最終的には連れて帰ったんだから、大きく分けたらナンパになんのか、コレ。
「コインランドリーで、機械の下に小銭落として困っててさ、だから俺が100円貸したの。そしたら、次に会った時に返してくれてさ、それで話すようになって」
ざっくりだけど、本当の事だ。
「「…で?」」
揃ってんぞ。
「…ヤな事あって落ち込んでてさ、話聞いてたらそんな感じになって」
ざっくりすぎるけど、本当の事だ。
「そんな感じって?」
「どんな感じ?」
聞くよね…。
「連れて帰りたい感じ」
「「ナンパじゃねぇかっ」」
同時に突っ込まれた。
「ナンパじゃねぇしっ」
「お持ち帰りしたんだろーっ」
「合意の上だ」
「正当化すんなっ」
めっちゃ絡まれてるよ、俺…。
「あの、」
慶が突然、口を開いた。
俺に、突っ込んでた2人もピタリと止まって慶に注目する。
「あの…………かっこ悪いんですけど………お…俺………家賃払えなくて……住んでたアパート追い出されちゃって………………家もお金も無くて……………………色んな……ヤな事が………沢山重なって…………それで…ほんとはもう……………死のうって思ってたんです……」
…言わなくて良いんだぞ、そんな事。
隠してたって良いんだ。
俺が連れて帰った事には変わりねぇんだから。
「……だけど侑利くんは…………そんな俺の事を……救ってくれました」
途中で飲み物が運ばれて来たけど、全員、真剣に慶の話を聞いてた。
「あの日、侑利くんと会ってなかったら……俺は、きっともう死んでて……ここで……皆さんと会う事も無かったと思います…」
「慶ちゃん…」
奏太が泣きそうな顔してる。
まさか、こんな話を慶がするとは思って無かったんだろう…。
「……親にも好きになって貰えなくて……俺には生きる意味がないってずっと……言われて来たから………嫌な事が重なって……やっぱり…生きる価値が無いんだって……もう…死んだ方が楽かも、って……そう思ってたんです……」
足の上に置かれた慶の手が、震えてるのが俺からは見える。
「でも、侑利くんが………俺を好きだって言ってくれました………だから……俺には生きる意味があって……価値がある、って…………」
改めて言われると恥ずかしくなって、俺も少し俯いた。
「……俺………そんな事言われた事無くて…………この先も……誰かに必要とされる事なんて無いって思ってたし……………親にも好きになって貰えなかったのに……誰かに愛されるなんて絶対無いって…………そんな事………望んじゃいけないって………思ってました……」
このタイミングで、料理が次々運ばれて来た。
慶の話が一旦止まる。
全員、聞き入ってたから……店員の声に、注文してた事を思い出したぐらいだ。
店員が去り、慶が続きをどうしようか迷ってるのが分かった。
俯いて、困ってる。
「良いよ、言いたい事話せよ」
慶を覗き込んで言ってやる。
きっと、料理が冷めて申し訳ないとか…そんな事、考えてるんだろうから。
慶は、自分を落ち着かせるように小さく息を吐いて、もう一度喋り始めた。
「…俺は………家族も……家も、お金も……何も無くて………すごくダメな奴です…………高校も行ってなくて……バカだし……何も知らないし……バイトもクビになっちゃうし……男のクセに泣いてばっかだし……………だけど……侑利くんが……俺を認めてくれたから………前に向けました…………………………俺を嫌い続けた母さんは、俺の前で自殺しました」
「え……」
突然、慶の口から出た重い一言に、巴流と大和が絶句してる。
奏太の、大きな目にはさっきから涙が一杯溜まってる。
「俺には兄さんが居て、親は兄さんだけを愛してました……でも、その兄さんが事故で死んで……一緒に事故に遭ったのにかすり傷だけで生き残った俺が、許せなかったんだと思います」
「そんな……」
大和が呟く。
「だけど……母さんが死んで、父さんも死んで………………俺が死んでたら、3人も死ななくて済んだのに………俺が生き残ったらダメだったんだって………あの事故で……死ななきゃいけなかったのは、俺だったのに…………生きる事を選んでしまって…………間違ってたのかも知れないって思って生きて来ました………だから………侑利くんと出会った時は……色んな事がすごく辛くて……やっと………死ぬ時が来たんだって思ってた時で……」
「慶ちゃん……」
奏太はもう泣いてる。
ヘビーだよな…やっぱ…。
「死ぬ」なんて事……考えてる奴に見えない分余計に…。
「だけど………侑利くんに出会って……まだ…少ししか経ってないけど……でも、すごく生活が変わって………俺なんかの事、ちゃんと考えてくれて……こんな風に…自分の友達に紹介してくれたり………………俺は……こんなんだし……侑利くんには不釣り合いかも知れません………でも……もう…すごく好きになっちゃって……図々しいですけど……ずっと……傍で居られたらな、って思ってます……」
静まり返った。
俺らも、慶も。
沈黙に困り果てた表情で俯く慶が、堪らなく健気でどこまでも愛おしくて……太腿の上でずっと震えてるその手を、テーブルの下でそっと握ってやった。
驚いたように小さく跳ねた手が、直ぐに俺の手を握り返して来る。
「そりゃ好きになるわ」
沈黙を破ったのは巴流。
こういうシーンを盛り上げるのが巴流の性格だ。
俺は、その性格がけっこう好きだ。
意外と「人想い」なんだ、コイツは。
その声に、全員巴流を見る。
「俺だって出会ってたら、好きになるわ」
「どした、巴流」
はは、と笑って天馬が突っ込んだ。
「いや…………めっちゃ可愛いじゃん」
巴流がしみじみ言ってる。
まぁ、確かに可愛いよ。
「ほんと、逆に侑利が不釣り合いじゃないかってぐらい良い子」
クールに大和が言ったけど……
「ちょっと、大和、俺にすげぇ失礼じゃん」
場が和む。
奏太も、おしぼりでめっちゃ目を拭いてるけど、もう涙は止まったみたいだし。
「せっかく生きて来て、こうやって出会ったんだから……図々しくて良いんだよ?慶ちゃんの人生なんだから、慶ちゃんが主役で良いんだからね」
大和は時々ドラマのようなセリフを言う。
聞いてるこっちが恥ずかしいわ…。
すんなり、慶ちゃん、って呼んでるし。
「そうだよ。そんで侑利が嫌になったら俺のとこ来ても良いよ?」
巴流がシレッと言う。
「予約すんな」
冷静に突っ込んでやった。
自分が喋った後の沈黙に押し潰されそうになってたんだろう。
慶は、一気にボロボロ涙を零して泣いた。
それを見て、また奏太の泣きスイッチが入って…………おしぼりを追加で貰う事になった。
「じゃあ、そろそろ乾杯すっか?」
ドリンクはずっと前から来てるし、料理は少し冷めただろう。
でも、ここに居る奴らはそんな事に文句を言うような奴では無くて……
「じゃあ…慶ちゃんに、」
大和が代表でそう言った後、全員が掛け声と共に慶のグラスに乾杯をしたら……慶はまた泣いた。
慶……
お前は誰にでも、認められんだよ。
生きる意味と価値が……どんどん大きくなってんぞ。
もう、死ぬなんて、言ってる場合じゃねぇからな。
玄関のドアを開けると、そこに慶が立ってて……俺が中にドアを閉めて靴を脱ぐのを待ち構えて飛び付いて来た。
俺はその体を受け止める。
念願の……慶だ。
朝から、会いたかったんだ、俺は。
「何してたの、今日」
抱きしめたままで聞く。
「求人誌取りに行った」
「知ってるよ、それは」
あはは、と緩い笑い声が肩口で聞こえる。
「帰って来てからは………ずっと緊張してる」
「ははっ」
慶らしい。
どうせ、第一声何を言うかとか考えてたんだろうな…。
練習とかしてみたかも知れねぇな…。
お互い、ゆっくり体を離す。
「そんなに緊張すんなって」
離した慶の体を壁に軽く押し付けた。
「…だって、急だし…」
壁に凭れてるその細い腰に腕を回す。
「巴流と大和が会いたいんだって、慶に」
慶が何か言おうとしたけど、その前に唇を塞いだ。
すぐに、慶もそれに応えようと、俺の背中に回した手で自分の方へ俺を引き寄せる。
しばし、キスに集中。
もうここで……襲ってしまおうか……とか、マジで考えたけど、さすがに慶に蹴られるな…。
「…侑利くん、大好き」
キスが終わると、慶がそう言った。
「多分……俺の方が好きだと思うわ」
俺、重症だからさ。
「え~、そんな事ないよぉ~」
「思ってねぇだろ」
「え~~思ってるよぉ~~」
「言い方っ」
リビングへ向かう俺に、あはは、と笑いながら慶が付いて来る。
全く俺は、この慶に、既に体の全部を支配されてんだ。
完全に、どハマりだ。
リビングに入ると、ソファの上に開いた状態で求人誌が置かれてた。
「良い求人あった?」
上着を脱いで、ソファの背凭れに引っ掛ける。
「う~ん…まだ全部見てないけど……」
冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターを取り出しグラスに注ぐ。
「俺も、夜働こうかな」
持ってたグラスを落としそうになる。
夜のお仕事、って意味なら却下だぞ。
お前なんかそんなとこで働かせたら一発で色んな奴らが寄って来て、直ぐにマンションとかプレゼントされて、手籠めにされるのが目に見えてるわ…。
「夜って例えば?」
一応、どういう候補があるかを聞いてみた。
「やっぱりそこそこ時給も欲しいから………工場の作業とかっ」
自分がバーで働いてるからか、夜に働くって聞くと何となくアルコール出します系かなって思ってしまうけど、慶の中にその発想は無いようで何となく安心した。
「ティッシュ配りよりは断然時給良いんだよ。残業とかなくて時間できっちり上がれるとこが多いし」
工場の特集ページを見ながら言う。
「昼間のバイトにしたら……侑利くんとすれ違っちゃうからヤダし…」
ボソッと呟いた。
あぁ、くそ~……可愛いじゃねぇか。
俺と、生活サイクルを合わせる為に夜働くって言ってんのか…。
「何時まで働くの?」
「うーん…10時くらいかなぁ」
俺としてはそんな時間に慶に外をウロウロさせたくないけど、まぁ、それは仕方ないか…。
夕方ぐらいから仕事に入れば、だいたい終わりはそれぐらいになるだろう。
「侑利くんは何時まで?」
「平日は12時に閉まって、閉店作業してたら店出るのは1時くらいかな…土日は2時までやってるから終わんの3時ぐらいになる」
「そんな遅いの?」
ちょっと文句言われるかと思ったら…
「帰りの車で寝たらダメだよ」
と、心配されて、また襲いたくなる。
その生活スタイルでずっと来てるから、特に眠くも無いんだけどな…。
昼頃まで寝てるしさ…。
土日は多分……夕方までしか起きてる間は会えねぇな。
夜は、慶が寝てるとこに俺が帰宅するような感じになるだろう。
「週末……嫌いになるかも」
業とらしくちょっと拗ねた口調。
ソファに座ってる慶の隣に腰を下ろす。
「週末は全員出勤が基本なんだけど、平日はさぁ、交代で2日休みになんの。希望言えば大丈夫だからさ、慶のバイト決まったら休み合わせれば良いじゃん」
あからさまにめっちゃ嬉しそうな表情を向けて来る。
「分かりやすっ」
慶の額をコツッと小突いた。
「分かり難いより良いでしょっ」
指先で小突いたところを摩りながら言う。
まぁ、そりゃそうだな…。
vvv…
ポケットの中で携帯が震えた。
大和から、飲み会の店と時間の連絡だ。
大和はほんとに、こういうのを企画するのが好きだ。
俺は基本的に受け身だから、誘いがあれば出向くってパターン。
俺から企画するような事は先ず無い。
まぁ、多分、俺にそんな企画は出来ないって思われてるから、誰も俺に任せて来ない。
俺と天馬がお互いを親友だと思ってるように、巴流と大和も多分それぞれにそう思ってる。
2人は、BIRTHの面接日が一緒だったみたいで、初対面だけど話が合ったから面接の後行き成り飲みに行ったとかで、最初からきっと馬が合うんだろう。
スタッフが決まって初めての顔合わせの時、2人は元々友達なんだろうって思うくらい打ち解けてたし…。
看板の4人の中では、天馬が長男で俺が末っ子みたいな感じの立ち位置。
巴流と大和は間で双子、みたいなイメージかな…。
まぁ……巴流はバカだし、大和はクール。
でも、巴流も大和も天馬も、それぞれタイプは違うけど、正直「イケメン」だ。
だからこそ、看板やれてんだけど…。
でも、顔だけじゃなくて、ほんとに皆良い奴だ。
仕事柄、それも同い年だしもっとライバル心剥き出しでも良さそうだけど、俺らに留まらずBIRTH全体に言えるのは、そういう面が全員ギスギスしてなくて、何て言うか……すごく働きやすい。
だからこそ、慶を紹介しても……きっと、受け入れてくれるだろうって思うんだ。
慶は……不安で一杯なんだろうけど…。
~~~~~~~~
「……大丈夫かな…」
小さな、ため息とも深呼吸とも取れる息を吐いてタクシーを降りた慶が呟く。
「大丈夫だよ、そんなに緊張すんなって」
店が近付くにつれて、慶は全く喋らなくなった。
もう、ロボット化してんのか?
大和が予約してた店の近くでタクシーを降りて、店の方へ歩く。
気のせいか…それとも、俺の欲目か分かんねぇけど、すれ違う人が慶を見てるような気がしてならない。
男も女も。
やっぱり、慶は目立つ。
本人は全くそんな自覚無いけど……
「……何か……」
慶が困ったような顔をして口を開いた。
「皆、侑利くんの事見てる気がする…」
……………バカップルか。
お互いそう見えてんの?
……ヤバいだろ、俺ら…。
お互い重症だよ。
「あ、」
店の前に、巴流と大和が居た。
慶の緊張が一気にMAXになったのが分かる。
「おー」
近付いて、天馬にしたように2人の前に慶を押し出した。
慶が硬直してるけど、そこは強引に。
「は、羽柴慶ですっ、初めましてっ、宜しくお願いしますっ」
出た、いつもの硬い挨拶だよ……
ちょっと笑いそうになる。
目の前の2人の顔を見ると………ポカーン…って擬音がピッタリだな、って顔してる。
慶は固まってるし……
何だよ、この空間は…。
「ま……マジで超絶美人じゃんっ」
「スタイル良すぎっ、足長すぎっ」
どうだ。
参ったか。
慶は、何も言えず困ってる。
「極度の緊張しぃだから」
すかさずフォローを入れる。
「そうなの?緊張なんかしなくて良いのに。あ、俺、上杉大和。侑利と同い年だよ」
「俺は、宮永巴流。俺も同い年。……ってか、美人すぎてビビる」
「お、お願いしますっ」
慶が深々と頭を下げると、つられて2人もお辞儀する。
……面白ぇ。
「俺らがね、会わせてって言ったの。急に無理言ってごめんね」
大和は割とスマートな応対をするから、クールな人が好きな女子には絶大な人気。
本人もそれを武器にしてる。
「い、いえ、全然…大丈夫です」
慶が頑張ってる。
「聞きたい事がマジで山ほどあるわぁ~」
巴流の言葉に慶が身構える。
ほどほどにしてやってくれねぇと、完全硬直してしまう…。
「とりあえず、入ろっか。天馬と奏太はもう来てるみたいだし」
大和がそう言って、先に店に入って行く。
緊張で手が少し震えてる慶の頭をグシャッと撫でた。
「大丈夫か?」
無言で頷く。
相当緊張してるみたいだけどさ…。
「あっ、慶ちゃんっ」
俺らを見付けた奏太が立ちあがって手を振ってる。
慶は、奏太を見付けて少し安心したような顔で小さく手を振り返す。
広いテーブル席。
通路とはブラインドで仕切れる感じで、半個室みたいな感じ。
テーブルは長方形じゃなく正方形で、1辺が通路側のコの字に座るタイプだから、ちょうど2人ずつ座れた。
巴流と大和に向かい合うような形で俺と慶。
コの字の縦線部分には天馬と奏太が座ったけど、緊張しぃの慶の為に奏太が慶側へ座ってくれた。
とりあえず、何が飲み物頼もうって事で全員でメニューを見る。
「慶は酒は止めとく?」
「あ、飲めない?」
大和が聞いて来た。
「飲めないって程飲んだ事ねぇんだ、ハタチだから」
俺がそう言うと、大和と巴流がまたポカーンとしてる。
「侑利っ!!」
「何だよっ」
「お前っ!!ハタチの子に手ぇ出しやがってっ」
「いやいや、人聞き悪いわ」
行き成り巴流に責められる。
手ぇ出した訳じゃねぇよ。
「大人っぽいね、ハタチには見えなかった。あっ、老けてるとか言ってんじゃないよ?キレイだからかなぁ」
おいおい大和、モテる感じ出してんじゃねぇよ。
「ノンアルあんぞ、これにする?」
「ノンアル…?」
…知らねぇんだな、その反応は。
困ってるもんな、顔。
「ジュースだ、ジュース」
簡単に教えてやった。
「うん、それでいい」
よく分かってねぇだろ、って突っ込みたくなったけど、そこはそっとしといてやった。
とりあえず、慶には飲みやすいシャーリーテンプルを注文し、他はビールで落ち着いた。
それから、食べ物を適当に。
「いやー、しかし、マジで男にしとくの勿体無いくらい美人だわ」
巴流がマジマジと慶を見てる。
慶は……どうしていいか分からず俯き加減。
「とにかく慶ちゃんは人一倍緊張すんだから、あんまりジロジロ見んなよ、巴流」
天馬が隣から言う。
「いやいや、見るでしょ、こんだけキレイだったら」
「確かにっ、気になって見ちゃうよ」
巴流と大和がノリノリだ。
「どこで出会ったの?店には来た事ないよね?」
おっと……来たか…。
慣れ初め…。
「あー…家の近くのコインランドリー」
「「えっ」」
巴流と大和が同じ反応…。
「侑利、ナンパしたのか」
「してねぇし」
まぁ、でも……最終的には連れて帰ったんだから、大きく分けたらナンパになんのか、コレ。
「コインランドリーで、機械の下に小銭落として困っててさ、だから俺が100円貸したの。そしたら、次に会った時に返してくれてさ、それで話すようになって」
ざっくりだけど、本当の事だ。
「「…で?」」
揃ってんぞ。
「…ヤな事あって落ち込んでてさ、話聞いてたらそんな感じになって」
ざっくりすぎるけど、本当の事だ。
「そんな感じって?」
「どんな感じ?」
聞くよね…。
「連れて帰りたい感じ」
「「ナンパじゃねぇかっ」」
同時に突っ込まれた。
「ナンパじゃねぇしっ」
「お持ち帰りしたんだろーっ」
「合意の上だ」
「正当化すんなっ」
めっちゃ絡まれてるよ、俺…。
「あの、」
慶が突然、口を開いた。
俺に、突っ込んでた2人もピタリと止まって慶に注目する。
「あの…………かっこ悪いんですけど………お…俺………家賃払えなくて……住んでたアパート追い出されちゃって………………家もお金も無くて……………………色んな……ヤな事が………沢山重なって…………それで…ほんとはもう……………死のうって思ってたんです……」
…言わなくて良いんだぞ、そんな事。
隠してたって良いんだ。
俺が連れて帰った事には変わりねぇんだから。
「……だけど侑利くんは…………そんな俺の事を……救ってくれました」
途中で飲み物が運ばれて来たけど、全員、真剣に慶の話を聞いてた。
「あの日、侑利くんと会ってなかったら……俺は、きっともう死んでて……ここで……皆さんと会う事も無かったと思います…」
「慶ちゃん…」
奏太が泣きそうな顔してる。
まさか、こんな話を慶がするとは思って無かったんだろう…。
「……親にも好きになって貰えなくて……俺には生きる意味がないってずっと……言われて来たから………嫌な事が重なって……やっぱり…生きる価値が無いんだって……もう…死んだ方が楽かも、って……そう思ってたんです……」
足の上に置かれた慶の手が、震えてるのが俺からは見える。
「でも、侑利くんが………俺を好きだって言ってくれました………だから……俺には生きる意味があって……価値がある、って…………」
改めて言われると恥ずかしくなって、俺も少し俯いた。
「……俺………そんな事言われた事無くて…………この先も……誰かに必要とされる事なんて無いって思ってたし……………親にも好きになって貰えなかったのに……誰かに愛されるなんて絶対無いって…………そんな事………望んじゃいけないって………思ってました……」
このタイミングで、料理が次々運ばれて来た。
慶の話が一旦止まる。
全員、聞き入ってたから……店員の声に、注文してた事を思い出したぐらいだ。
店員が去り、慶が続きをどうしようか迷ってるのが分かった。
俯いて、困ってる。
「良いよ、言いたい事話せよ」
慶を覗き込んで言ってやる。
きっと、料理が冷めて申し訳ないとか…そんな事、考えてるんだろうから。
慶は、自分を落ち着かせるように小さく息を吐いて、もう一度喋り始めた。
「…俺は………家族も……家も、お金も……何も無くて………すごくダメな奴です…………高校も行ってなくて……バカだし……何も知らないし……バイトもクビになっちゃうし……男のクセに泣いてばっかだし……………だけど……侑利くんが……俺を認めてくれたから………前に向けました…………………………俺を嫌い続けた母さんは、俺の前で自殺しました」
「え……」
突然、慶の口から出た重い一言に、巴流と大和が絶句してる。
奏太の、大きな目にはさっきから涙が一杯溜まってる。
「俺には兄さんが居て、親は兄さんだけを愛してました……でも、その兄さんが事故で死んで……一緒に事故に遭ったのにかすり傷だけで生き残った俺が、許せなかったんだと思います」
「そんな……」
大和が呟く。
「だけど……母さんが死んで、父さんも死んで………………俺が死んでたら、3人も死ななくて済んだのに………俺が生き残ったらダメだったんだって………あの事故で……死ななきゃいけなかったのは、俺だったのに…………生きる事を選んでしまって…………間違ってたのかも知れないって思って生きて来ました………だから………侑利くんと出会った時は……色んな事がすごく辛くて……やっと………死ぬ時が来たんだって思ってた時で……」
「慶ちゃん……」
奏太はもう泣いてる。
ヘビーだよな…やっぱ…。
「死ぬ」なんて事……考えてる奴に見えない分余計に…。
「だけど………侑利くんに出会って……まだ…少ししか経ってないけど……でも、すごく生活が変わって………俺なんかの事、ちゃんと考えてくれて……こんな風に…自分の友達に紹介してくれたり………………俺は……こんなんだし……侑利くんには不釣り合いかも知れません………でも……もう…すごく好きになっちゃって……図々しいですけど……ずっと……傍で居られたらな、って思ってます……」
静まり返った。
俺らも、慶も。
沈黙に困り果てた表情で俯く慶が、堪らなく健気でどこまでも愛おしくて……太腿の上でずっと震えてるその手を、テーブルの下でそっと握ってやった。
驚いたように小さく跳ねた手が、直ぐに俺の手を握り返して来る。
「そりゃ好きになるわ」
沈黙を破ったのは巴流。
こういうシーンを盛り上げるのが巴流の性格だ。
俺は、その性格がけっこう好きだ。
意外と「人想い」なんだ、コイツは。
その声に、全員巴流を見る。
「俺だって出会ってたら、好きになるわ」
「どした、巴流」
はは、と笑って天馬が突っ込んだ。
「いや…………めっちゃ可愛いじゃん」
巴流がしみじみ言ってる。
まぁ、確かに可愛いよ。
「ほんと、逆に侑利が不釣り合いじゃないかってぐらい良い子」
クールに大和が言ったけど……
「ちょっと、大和、俺にすげぇ失礼じゃん」
場が和む。
奏太も、おしぼりでめっちゃ目を拭いてるけど、もう涙は止まったみたいだし。
「せっかく生きて来て、こうやって出会ったんだから……図々しくて良いんだよ?慶ちゃんの人生なんだから、慶ちゃんが主役で良いんだからね」
大和は時々ドラマのようなセリフを言う。
聞いてるこっちが恥ずかしいわ…。
すんなり、慶ちゃん、って呼んでるし。
「そうだよ。そんで侑利が嫌になったら俺のとこ来ても良いよ?」
巴流がシレッと言う。
「予約すんな」
冷静に突っ込んでやった。
自分が喋った後の沈黙に押し潰されそうになってたんだろう。
慶は、一気にボロボロ涙を零して泣いた。
それを見て、また奏太の泣きスイッチが入って…………おしぼりを追加で貰う事になった。
「じゃあ、そろそろ乾杯すっか?」
ドリンクはずっと前から来てるし、料理は少し冷めただろう。
でも、ここに居る奴らはそんな事に文句を言うような奴では無くて……
「じゃあ…慶ちゃんに、」
大和が代表でそう言った後、全員が掛け声と共に慶のグラスに乾杯をしたら……慶はまた泣いた。
慶……
お前は誰にでも、認められんだよ。
生きる意味と価値が……どんどん大きくなってんぞ。
もう、死ぬなんて、言ってる場合じゃねぇからな。
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