異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~

やとり

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第九章 ちの成果 暗幕あがる きっかけを

第154話 金ならある! らしい

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 それぞれが簡単な自己紹介を終え、人間界についてはモニカに、異世界については俺に取材をすることになった。

 一応ソフィアは、両方の知識があるっちゃあるんだが……、まあなんというか、ソフィアだしな。

 というわけでさっそく、モニカが取材を受けているのだが……

「……なあ、メイ。彼女の右手、すごい速さでメモを取ってる気がするんだけど……」

「……あれは、彼女が自分で開発した魔法。……彼女は、速記魔法、と読んでる。……メモを取ったり、執筆するのに、便利。……私も、頑張って、覚えた」

 あれは、彼女が独自て開発した魔法なのか。
 ……必要だからと、気軽に開発できるものでもないだろうし、すごいな。

 それにしても、あの魔法は使えるようになれば便利だし、後でやり方を教えてもらおうかな。
 ……いや、メイが頑張って覚えた、って言っているくらいだし、簡単には使えさそうか。

 っと、今はモニカの取材を聞かないとだな。
 内容としてはまず、人間界の常識的な話、普段の食事やどんな生活を送っているのか、という一般的な話から始まった。
 ……いや、途中で

「ふむふむ。では、そのぬいぐるみは、どういったことに使うのかね?」

「あ、えっと……。お部屋に飾ったり、ベッドで一緒に寝たり、といった感じです」

「つまり、抱き枕のようなもの、ということだね。なるほどなるほど」

「あ、いえ。どちらかというと、ペットに近い感じだと思います。寝る前に話しかけたりとか……」

 みたいに、ちょっとモニカの私生活が垣間見えそうな部分もあったけど。
 ……ぬいぐるみ、好きなんだな。
 プレゼントとかで送れそうだし、覚えておこう。

 他には、食事や娯楽関係の話もあったが、それには俺も加わった。
 娯楽関係はアキナやユズ、食事に関しては、色々な人に案内してもらったり、自分がふらっと立ち寄ったお店の話なんかをした。

 そして、

「……ふむふむ。では次は……、そうだね。君たち人間族が、魔族についてどう考えているか、という質問はどうだろうか? ああ、取材の最初にも言ったけれど、答えにくい質問であれば、遠慮なく言って欲しい。そもそも、そういった時の答えには、少々真実から離れた内容が混ざりうるし、それに何より、無理に聞き出したいわけじゃないからね」

 うん。
 やっぱり、その質問が出てきたか。

「はい、大丈夫です。……そうですね。まず、魔族の方については、人間界で見かける機会がほとんどなく……」

 と、モニカが昨日俺たちに話してくれた内容と同じように答えていった。

「なるほどなるほど。……ふーむ。人間族は、私たち魔族に興味がある人が少ない、ということかな? 少なくとも、モニカさんの周りでは」

「……そう、ですね。いえ、正確には興味が持てない、といった形でしょうか? ……あっ、ですが、読書家の間ではゴブリンの物語が面白い、と評判になっていますし、その本を通じて魔族に興味を持った方もいると思います」

「ああ、メイさんが執筆したあの本だね! ふむふむ、ということは……」

 モニカの話を聞くと、彼女は何か考え込んでしまった。

「……おっと。取材中に失礼したね。ああ、失礼ついでに、私が持つ野望についても話しておこうかね。私は、魔族が執筆した本の専門店を人間界に出店したい、と考えているのさ。この図書館のように、見渡す限り魔族が執筆した本がある、といった場所を人間界に作りたいんだ。そして、それと同時に、魔界にも人間族だけの本が並ぶ本屋、いや、ここのように図書館でもいい。そういった施設を作りたい、と考えているんだ」

 自分で本を執筆するだけでなく、色々な本を広めることをしたい、ってことか。
 ……それなら、

「それなら、俺も助けになりたいかな。……そうだな。俺が異世界から来た、っていうのはバレちゃったし、試練についても話しておこうかな。俺は……」

 と、俺の試練である、人間界と魔界が積極的に交流するための切っ掛けづくりについてと、今色々と考えていることを話した。

「その計画の中で、魔族が書いた本を出版するのはどうか、って案があるんだ。それと、メイから聞いているかもしれないけど、ゴブリンの物語についても、より読みやすいようにする、って計画も進められているよ」

 ……最近はあちこち旅行に行ってて、その辺りの確認がちょっと疎かになってる気がするけど。
 いや、旅行も必要なことなんだけどな。

「ほ、本当かい! ゴブリンの本に関しても聞いたことがなかったよ。……メイさん。その計画に関しての進捗を聞いてもいいかい?」

 話を振られたメイはこくり、と頷き、彼女に近づくと、こそこそと話だした。
 そして、

「……驚いてほしいから、ハクトには、まだ内緒」

 と、俺に内緒話の理由を話した。
 進捗は気になるけど、楽しみに待っているか。

「そういうことなら、私もこの場では話さないでおこうか。それと、出版の話だが、こちらも本当なのかい? 私としてはとても嬉しい話だが、きちんと商売にならないと結局は計画倒れ、ってことになるのではないかね? 先ほどの話を考えると、魔族に関心のある人間族は、そう多くは無いようだし」

「それなら、ゴブリンの物語を販売している今井商会で、出版とかを決められる立場の人と話が進んでいるよ。その人曰く、魔族の書いた本というはかなり珍しいから興味を引きやすい、って言っていたな」

「なんと、そこまで話が進んでいるのか! ……メイさん。一つ聞きたいんだが、その話、前から知っていたかね?」

「……もちろん。……けど、あなたに話すと、面倒なことになるから、後回しにしてた」

「……いやはや。反論できないのがつらいところだね」

「ま、まあともかく、結構前向きな方向で話が進んでるって感じだな。それにさっき話した通り、試練の話もあるから、資金提供も含めて色々と協力したいと考えているよ」

「ほうほう。だが、資金提供と言ったが、異世界から来た君に、そんなに余裕があるのかね?」

「あー。……えっと。異世界の知識で、その、色々とな。今は、リューナに管理をお願いしているから、具体的な数字はわからないんだけど……」

 そう言いつつ、リューナの方を見ると、

「出版の資金提供であれば、余裕ですね」

 と太鼓判を押してくれた。
 ……それにしても、俺の貯金はいくらあるのだろうか?
 いや、聞くのが怖いし、曖昧なままにしておこう、うん。

「なるほど。それに、魔皇や商会の偉い人など、君には豊富な人脈がありそうだね。……おっと、すまないモニカさん。取材の途中なのにそっちのけで話してしまったよ。失礼した」

「いえいえ。それに、こちらの図書館で魔族の方が執筆した本を読ませていただきましたが、とても面白かったです。ですので、魔族の方が書かれた本が出版されると、とても嬉しいです」

「そう言ってもらえると助かるね。……さて、取材に戻らせてもらおうか」

 ということで、取材が再開した。
 その後は、人間界の細かい話、さっき本の話題が出たからか、人間界で有名な書籍の話などを聞いていった。

 そして、

「モニカさん、君に聞きたいことは以上だね。とても参考になったよ。ご協力、感謝する」

「いえ、お役に立てたならよかったです」

 と、モニカへの取材が無事終わった。
 さて、次は俺の番だな、と考えていると

「……ふーむ。次はハクトさん、君に取材しようと考えていたが、異世界の話だけでなく、この世界に来てからの話も色々と聞いてみたくなったよ。それに、出版の話ももっとしたい。……どうだろう。君さえよければ、取材の方はまた後日、という形でもいいだろうか? もちろん、予定の方は調整させてもらうよ」

 と、彼女から提案された。
 確かに、出版の話は俺も進めたいな。

「ああ、それならもちろん。……できれば、コーヒーも一緒に用意しておいてほしいな」

「はははっ! 一番重要なことだからね。もちろん用意しておくよ」

 ということで、連絡用の魔道具リンフォンで連絡が取れるようにしておいた。
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