傍観者を希望

静流

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「グレン。言っておくが、専任を解除する気は最初からない」

「はい。専任を解除ですね。覚悟はできてます」

「いや、だから解除はしないと言っている」

「はい?解除では…ないのですか」

「同じことを何度言わせるつもりだ。

「!感謝します。無礼をお許しください」

拱手してくるのを、不要だと言ってもしっかり一礼する。

作法は近衛だけに流麗なものだ。

この辺は、一般騎士の武骨さとは無縁で、貴人相手の職だけはある。


「一つ言っておく。貴人達を上手く捌けるグレンは、私には必要不可欠な者だ」

大切だと強調したが、逆効果で余計に暗い表情になる。

何か間違ったかと内心オロオロする。

アルフレッドが嘆息して、本来それは執事の領分ですと指摘された。

だが、出かけた先でよくグレンが排除している。

警備の一環だが、それを挙げられるのも、素直に喜べないと嘆かれる。

私の方が溜息をつきたい。


「褒めても納得しないし、選り好みされてもセイ様が困るだけですよ」

呆れてライトが混ぜっ返す。

挙句に、リスティリアの方が良いのではと進言する始末。

漸く、疑心暗鬼の状態から引き上げたのに、奈落の底に落とす真似をされては、迷惑極まりない。

グレンは思案顔になったが、こんな時に浮かぶ内容はろくなものではない。


「ライ、自分の部下を野放しにし過ぎだ。グレン殿、貴族特有の作法に通じている近衛騎士は、それだけでも価値があるのをご存知ないのか」

ライトが申し訳なさそうにライに頭を下げるが、ライは気にするなと首を振って流してる。

ライも溜飲が下がっただけに、叱責しない。

多少漏れ出ていた殺気が霧散しているのは一緒なだけに、ランも怒る気はないが形だけは現しているのだ。


「もっと言えば、近衛騎士は伯爵家以上でなければ入れない。自ずと礼儀作法が身についた者だけで構成される。それに対して、一般騎士は平民からも試験で受かればなれる。結果、式典で恥をかかない程度の礼儀を学ぶが、張りぼて並でメッキが直ぐに剥がれるから、貴人の相手は難しい」

礼儀作法に関して熱心に説かれ、驚いてる。

グレンにすれば、できて当たり前なものと認識していたが、平民と言われれば出来なくて当然かと認識を改めた。

平民といっても、多くは農家出身者だと知識として知っていた。

長男以外は家を出されるが、学もない彼らは自警団に入るか、騎士団もしくはギルドで冒険者を目指すのが一般的だ。

どの職も、礼儀は最低限でこと足りる。

序でに柄の良くない者が多く、血の気も多い。

乱闘騒ぎの常習犯でもある。

そんな彼らに、貴族や王族並の礼儀作法を求める方がどうかしている。

だから、近衛騎士が必要だと言われれば納得するが、上手く丸め込まれたようで面白くない。

素直に喜べない微妙な表情になったが、顔色は戻っていた。



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