傍観者を希望

静流

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ぼんやりと夢の残滓の中に漂っていたら、突然ライが現れた。

「いつまで、お休みになるおつもりで?」

「どうかしたのか?機嫌が悪いな」

起き抜けどころか、未だに夢の狭間に飛び込んできた相手が、こうも不機嫌では何事だと問いたくもなる。

「セイ様には、言われたくないですね。3日も眠るほど、いったい何をしたのですか?」

「疲労が溜まっただけで、取り立て何もないが。それよりも、今日で3日目なのか?」

心配症の精霊に、無難な逃げ口上を伝え確認をとる。
グレンに3日間と告げた以上は、起きない訳にもいかないが、身体はまだ休みたがっているのも事実だ。

「はい、結界が張られて丁度3日目ですよ。単なる疲労にしては、全快にほど遠いようですがね」

「まだ寝てたいのは確かだが、そうもいかないしな」

夢だけに気分に合わせて机が出て、そこにぐたーと上半身を伸ばす。
隣に座っていたライが、呆れ顔で頭を撫でてきた。

「無理に起きても2、3日後に倒れますよ。はっきり言って、半快にも到ってません」

「言われずとも解ってはいる。だが、騒動が起きるのも確かだ」

5日とでも、言っておけば良かったかと思いもするが、その場合は寝込んだ時点で面倒な事態になった筈だ。結局は、3日が妥当な許容値であるのに変わりがない。

「誤魔化さずに、理由を言ったらどうですか?セイ様が、無理をする義理や借りもない筈です」

やはり全て把握していたようで、悪態をついてくる。

「火に油を注げというのか?私にそんな趣味はない。だいたい、周りが迷惑だろう」

ただでさえ、弟一家に良い感情を抱いてないのに、次から次に処罰要素が出たら、碌なことにならない。

「言わずとも、陛下ならきっと把握していますよ。それに、あの家なら余罪が幾らでも出てきそうですしね」

「ないとは言わないが、私怨だと疑惑を抱かれる程度では、無意味だと泳がされていた感じだ。そこまでの悪巧みはしなかったのか、尻尾を掴ませなかったのかは不明だがな」

「不仲な割には、甘いというか、片手落ちな対応ですね。本当は大事な弟ですかね」

「2人っきりの実の兄弟だから、愛憎半ばが正しいかもね。まあ、肉親だけに複雑で、傍目には計り知れないものがあるのだろうさ」

嫌悪してると思って、陛下の前で王弟を貶せば、恐らく機嫌を損ね怒りを買うだけだ。
しかも、忘れた頃に他の形で処罰されるのがオチだ。

「セイ様には、そういう感情は見受けられませんね。どこまでも他人事で、感情の揺れさえない」

「実際、他人でしかない。父親と言っても、領民より縁がない遠い存在だ。会ったのも2度、しかも数分だけでは、どんな感情も抱けない」

顔見知り以下の相手にまで、感情移入は無理だと肩を竦め、相手の杞憂を不要だと切り捨てた。

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