傍観者を希望

静流

文字の大きさ
205 / 292

205

しおりを挟む
「はぁ。今度は何ですか?」

「全員契約した場合は、誰が仕切るのですか?」

「…変な事ばかり目がいくな。決まってはいないが、庭師かラン辺りだと思うが」

そう言いつつ、此方に目配せをしてくる。
管理する者を決めてなかったが、流石に庭師はないだろうと呆れて見返す。

「取り敢えず、庭師と姉さんは私が却下する。あの2人に任せる方が怖い」

あり得ないと断言すれば、何故だか目を丸くされる。

「そう言いますが、庭師が1番古株で能力も断トツです」

「管理を能力で選ぶ事もないだろう。それとも、そういう決まりでもあるのか?」

精霊の世界は、能力第一なのは知っているが、取り纏め役までその必要があるのかと訊けば、困った顔をされる。

「明文化はされてませんが、暗黙の了解的な事で序列を無視出来ません」
ライの言葉に此方の方が、困惑させられる。その辺は、本当に何も聞かされていないのだ。

「それを言うなら、私が任命すれば誰でも良いのではないのか?私が1番だ」

「…そこを突かれると、流石に何も反論出来ません。セイ様は別格ですから」

ライが、目を逸らして応じている事からすれば、あまり褒められない方法のようだ。
たとえ庭師がなっても、私自身はさして問題はないのだから、放任して決定事項を聞くのでも構わない。

「実際のところ、私は何方でも構わないが…ライ達や陛下は困らないのか?」

私が気を回すのは不要かと振れば、目を見開き驚いている。
失礼な反応だとギロっと睨んだ。

「あ、いえ。そこまで気遣われていたとは、考えてなかったのです。ご無礼をお許し下さい」

謝られるのも何か違う気がするのだが、かといって何も言われなければ、余計腹立たしくなるようにも思える。我ながら、面倒な性格だと嘆息した。

「もういいから。それで、私は傍観で構わないのか?それなら、波風立たないだろう」

「…多少の口出しはされても良いかと。そうしないと、本当に勝手に全て決まりますよ?」

「全てということは、他にも何かあるのか?」

「管理役が今後全て取り仕切るか、単に纏め役で意見は皆で出し合う方法を取るかという大きな違いがあります。後は、セイ様への報告する者を固定するかといった細かい決まり事も未定ですね」

どれもこれも初めて聞く事ばかりだが、よくそんな事まで決めるなという呆れもある。

精霊とは、もっと大雑把なものだと勘違いしていたが、序列や人間同様の縦社会も含まれているのは最初から知っていたのに、そこから先は目を瞑っていたようだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。

あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。 宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。 対極のような二人は姉妹。母親の違う。 お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。 そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。 天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。 生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。 両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。 だが……。運命とは残酷である。 ルビアの元に死神から知らせが届く。 十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。 美しい愛しているルビア。 失いたくない。殺されてなるものか。 それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。 生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。 これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛されない妻は死を望む

ルー
恋愛
タイトルの通りの内容です。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...