傍観者を希望

静流

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「ですが、激怒させる真似だけは回避してますよ?少なくとも、逆鱗に触れる行いはしませんから」

「…ライも割と明け透けだぞ。まあ、気を揉んでも仕方がないな。で、下は?」

「そちらは、早々に落ち着き解散してます。今は通常通りの勤務状態です。なお、セイ様の希望通り不問となりました。多少の不穏さはありますが、そのうち落ち着くでしょう」

「ランやサムへの風当たりは?」

「ランには、さほど影響ないですが…、サムは内部からもあり、辞職に追い込まれる可能性はありそうです」

「この状況では、ランに頼む訳にもいかないしな」

「そうですね…。いざとなったら、アルフレッドに仲裁を頼まれては?彼なら、どの隊も一目置いてますから角は立たないかと」

「…グレンではなくて、アルフなのか?」

「グレンも悪くはないですが…。この場合は、アルフレッド以外の適任者はいません」

剣の腕において断トツでも、発言力では騎士同士よりも、アルフレッドが上だとは思わなかった。彼等は、どちらかと言えば脳筋で、強者に従う習性がある。それだけに、意外な感じがした。

「アルフレッドの剣の腕は?」

「グレンやサムよりは上の筈です。昔から騎士達から一目も二目も置かれてますよ」

気になって問えば、余計に目が丸くなる回答だったが、得心はいく。やはり、習性に関しては間違いないようだ。良し悪しは別にして、微妙にスッキリした。

「騎士の価値観はブレないから凄いが、アルフは元諜報だから強いのか?」

「その前に、普通の騎士の時代もあったのが原因でしょうね。かなり異例な経歴の持ち主ですから、憧れの対象になっているのかと」

ライの言葉で、以前もれ聴いた経歴の一部を思い出し、首を捻りたくなる。
私なら、まず遠慮したい経緯で出世したのは極秘なのだろうか?と疑問になったのだ。

「騎士の中では、どういう経歴になっている?」

「一般兵が、剣の腕を見込まれ諜報になり、その後その機転を買われ王太子付きの侍従、で現在は宮司長に抜擢されているという流れです。話だけ聞けば夢が膨らむ内容ですよ」

「…要するに、それに色んな装飾がされ、実しやかに伝承している、という事か?」

愉しそうに告げるライに胡乱げな視線を向け、確認すればあっさり頷いた。

「面白いことに、いくつもの説話があるのですが、中には核心に近いモノもあるにはあるんですよ。ただ、逆に眉唾扱いされていますがね」

真相ほど、信じられていないと言うのは確かに皮肉だが、根強く残っている点んが逆に感心する。
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