傍観者を希望

静流

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呆れた視線を向けつつ、背後に控えていたアルフレッドに声を掛ける。

「アルフ。悪いが、サムの家に一報を入れて、安心させて置いてくれないか?」

「承知致しました。何か序でに添えて置きましょうか?」

「そうだな、女性が好みそうなものを頼むよ」

「では、そのように手配して置きましょう。朝食は何方でとられますか?」

「東屋で頂くが、少し散歩してくる」

起き抜けからの騒動で、食欲も失せていたから、この際ゆっくり散歩する事にした。
アルフレッドは、一礼して下がりグレンが静かに付いてくる。

居るのかすら、疑問に思えるくらい気配を消している所為か、1人で気ままな散歩をしている気分を味わえる。

視界に入らないギリギリの立ち位置で、警護してくれる気遣いに気付き、内心苦笑していた。

それほど疲れて観えたのだろうか、という意味での自嘲だったが、朝から一気に気分が塞いでしまったのは確かだ。

察しが良い側仕えだと感心する反面、勘が良過ぎて気詰まりでもある。ちょっとした気分の変化まで把握されては、肩が凝ってしまうのだ。

「グレン。サムに制裁を加えようとする者が、いないか注意して置いてくれるか?」

「はい。極秘裡に警護を付けますか?」

「その方が安心だが…気付かないか?」

「可能性はありますが、アレは勘がいいので騒ぐ真似はしません」

此方の意図を察し、黙していると言われれば、あり得そうだと頷いた。

「なら、その様に頼む」

「御意」

スッと頭を下げて応じられたが、流石に即座に下がる事もしない。
出来れば1人で散歩したいが、無理そうな感じだ。

「グレン。別に付いてなくても問題ないから、手配に行って構わないのだが…」

「それは申し訳ありませんが、出来かねます。せめてアルフが側に付いてから、向かわせて頂きます」

淡々と詫びの言葉を添えてくるが、目は微妙に咎める色合いを含んでいた。

「この宮内は安全なのだが…。グレンは心配性だな」

「そういう問題ではありません。セイ様、護衛が控える状況は慣れませんか?」

「いや、そういう訳ではないのだが…。偶に、1人になりたい気分になるだけだ」

「気配を消していても、気になりましたか…」

困ったように零され、やっぱり気を遣わせていたのかと嘆息した。
挙句、何か思案している雰囲気までしていて、更に気を配られるのは、流石に申し訳なさ過ぎる。

「グレン。深く考えなくて良いから、充分配慮して貰っている」

「しかし…気に障るような警護をする訳にはいきません」

グレンは、騎士道精神の賜物のような事を述べるが、これ以上努力しようがない域に達している。

「気持ちは有り難いが、今の状態で充分満足しているから、これ以上は考慮しなくていい、いいな?」

「セイ様のご意向に従います。ただ、到らぬ点は直すべきかと存じますが?」

グレンは口では了承したが、納得は出来ないようで、改善を望む声を上げる。
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