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プロローグ
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米原セイタ
彼は日々仕事に追われて、最近では自分の生きている理由イコール仕事みたいになってしまっているようだ。
趣味でやっていたオンラインゲームも、漫画もアニメも触る気力すら起きない、そんな仕事漬けの日々を過ごしている。
彼は疲れ切って地面を見て歩いている。
ふとコンクリートに雨粒が染み込んでいくのに気がつくと。彼は慌てて家を目指して走り出す。
そんな時、彼は目の端に素早く動く物を見つける。
どうやらそれは猫のようだ。
そのままその猫は車道に飛び出していってしまう。
雨に反射するヘッドライト。
仕事に、人生に疲れすぎている彼は自暴自棄になっていたのかもしれない。
猫を助けるために、彼は躊躇わず走り出す。
猫は車にびっくりして固まっているようだ。
時がゆっくり流れる、彼は両手で猫を掬い上げると植木の方に思い切り投げる。
真横に迫るトラック。
彼はきっと理解してしまっているだろう。
もう、間に合わないという事を。
彼は最後に植木へと吸い込めれていく猫を見ながらこう思った。
あぁ、生まれ変わったら俺も猫になりたいな。猫というか、猫耳の美少女とか────
セイタ、セイタよ……貴方は何を望むのです。
「……え?」
「あ、ようやく目覚めましたね、貴方が起きそうになる度、脳内に囁く私の身にもなりなさい」
「ここは?」
セイタ、貴方は次の人生、何を望みますか?
「え?えーっと普通に喋ってもらっていいですよ」
「……コホン、死ぬ直前の記録では猫耳がどうの、という報告が来てますが」
「あぁそうだ、猫耳の美少女にしてほしいとか思ったっけな」
「獣人ということですか?」
「うん?獣人でもなんでもいいよ、ついでにチート能力も欲しいな」
女神のようなその人物は彼に微笑むと、手を振りかざす。
すると雲が割れ、彼の身体が重力を得て下へと加速していく。
「え?ちょ……」
「ふふ、猫はどんな高さから落ちても平気なそうですよ~~!」
「うわあああああああああ!?!?!?」
「それでは2度目の人生、今度は長生き目指して頑張ってくださいね~~!」
「………あ、性別変えるの忘れてました」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「う……ん?」
「あ?起きた?獣人さん」
セイタが目覚めるとそこは見たこともない場所だった。
「やあやあ!これからよろしくね!」
セイタの目の前にはとても綺麗な顔立ちをしている金髪碧眼の青年が立っている。
そしてふとセイタは違和感を感じ首元を触ると、首輪のような物がついている事に気がつく。その首輪には小さな鈴がついているようだ。
それを不思議に思っていると、青年からとんでもない事を言われる。
「今日からキミはボクのペットになったんだよ」
青年はニコッと笑った。
セイタは何が何だかわからず混乱していた。
ここはどこなのか?なぜこんなところにいるのか?そもそもこの人は誰なのか?
セイタはペットという単語はスルーし、ひとまず当たり障りのない事を聞いていく。
彼がここの場所を尋ねると、どうもここは青年の家らしい。倒れていたセイタをテイムしてここまで運んだとの事だ。
セイタは頭の上に、はてなマークを浮かべているような顔をしていると、青年は自己紹介を始める。
青年の名はハロラート。
職業はテイマー。
見た目は顔がかなり童顔であるが背は高く独特な雰囲気があり年齢は不詳だ。
彼の中で一際特徴的なのはその耳だ。
まるでゲームやアニメに出てくるエルフのような形をしている。
ハロラートは手持ち無沙汰なのか、おもむろに呪文を唱え、自分の手の上に真っ白な生き物を出し始めた。
「うおぉっ!?すごい!」
「おやその反応、テイマーを見たのは初めてかい?」
ハロラートはその不思議な生き物をセイタに紹介する。
「これはね、ミルクスライムといって、ほぼノーリスクで出せるんだ~」
セイタはそれを物珍しそうに見て、彼を褒める。
ハロラートはスライムを手で弄りつつテイマーとしてはまだまだ未熟な身である事を嘆く。
セイタは目の前の不思議な現象と生き物に興味をそそられているようだったが、ぐっと我慢して自分の発見時の状況を詳しくハロラートに聞き出す。
セイタはハロラートの家の近くで倒れており、通りがかった彼は獣人が珍しいために、ついついセイタをテイムしてしまったという事を笑顔で話す。
「ところでさ、キミの名前はなんていうの?」
「ナマエ……?オレはセイタ……」
「セータ?それが君の名前かい?」
セイタは考える。
先ほどから会話に違和感しかないからだ。
ハロラートの言っている獣人やペットという単語について思い返す。
セイタは夢の中で出会った変な女神のような人物がそんな事を言っていたのを思い出し、そこである仮説に行き着く。
その仮説は影の形がおかしい点に気がつく事で確信へと変わっていく。
セイタは影のおかしな部位、すなわち頭を触るとそこには大きな三角の形をした柔らかい何かがあった。
感触としてはネコ科の動物のソレのようだった。
「え???俺の体……」
「どうしたんだい?セータ」
「ちょっと待ってくれ!鏡をくれ!!」
「はいどーぞ」
ハロラートは姿見の場所までセイタを案内する。
そこでセイタが目にするのは鏡に映っている猫耳に尻尾をつけた美少女の姿だった。
彼は慌てて胸と股間を触る。
胸は、ない
股間は、ある
どうやらセイタは美少女ではなく、美青年の方だったようだ。
「な、なんだこれは!?」
「何を驚いているんだい?」
彼が驚くのは当たり前である。
鏡の中の美青年はセイタと全く同じ動きをする。つまりこれが今の彼の姿というわけだ。
彼は異世界への転生について考えざるを得なくなった。
「あ、あのさハロラート。ここってどういう世界?」
「あはは、おかしな事を聞くね、それにボクの事はハロでいいよ、もしくはご主人様」
「は、ハロ……」
「うんうん♪これからよろしくね、ボクだけの可愛いセータちゃん♡」
セイタはハロに頭を撫でられる。
こうしてセイタは猫耳人間として異世界で生きていく事になったのだ。
………少し変わった飼い主付きで。
彼は日々仕事に追われて、最近では自分の生きている理由イコール仕事みたいになってしまっているようだ。
趣味でやっていたオンラインゲームも、漫画もアニメも触る気力すら起きない、そんな仕事漬けの日々を過ごしている。
彼は疲れ切って地面を見て歩いている。
ふとコンクリートに雨粒が染み込んでいくのに気がつくと。彼は慌てて家を目指して走り出す。
そんな時、彼は目の端に素早く動く物を見つける。
どうやらそれは猫のようだ。
そのままその猫は車道に飛び出していってしまう。
雨に反射するヘッドライト。
仕事に、人生に疲れすぎている彼は自暴自棄になっていたのかもしれない。
猫を助けるために、彼は躊躇わず走り出す。
猫は車にびっくりして固まっているようだ。
時がゆっくり流れる、彼は両手で猫を掬い上げると植木の方に思い切り投げる。
真横に迫るトラック。
彼はきっと理解してしまっているだろう。
もう、間に合わないという事を。
彼は最後に植木へと吸い込めれていく猫を見ながらこう思った。
あぁ、生まれ変わったら俺も猫になりたいな。猫というか、猫耳の美少女とか────
セイタ、セイタよ……貴方は何を望むのです。
「……え?」
「あ、ようやく目覚めましたね、貴方が起きそうになる度、脳内に囁く私の身にもなりなさい」
「ここは?」
セイタ、貴方は次の人生、何を望みますか?
「え?えーっと普通に喋ってもらっていいですよ」
「……コホン、死ぬ直前の記録では猫耳がどうの、という報告が来てますが」
「あぁそうだ、猫耳の美少女にしてほしいとか思ったっけな」
「獣人ということですか?」
「うん?獣人でもなんでもいいよ、ついでにチート能力も欲しいな」
女神のようなその人物は彼に微笑むと、手を振りかざす。
すると雲が割れ、彼の身体が重力を得て下へと加速していく。
「え?ちょ……」
「ふふ、猫はどんな高さから落ちても平気なそうですよ~~!」
「うわあああああああああ!?!?!?」
「それでは2度目の人生、今度は長生き目指して頑張ってくださいね~~!」
「………あ、性別変えるの忘れてました」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「う……ん?」
「あ?起きた?獣人さん」
セイタが目覚めるとそこは見たこともない場所だった。
「やあやあ!これからよろしくね!」
セイタの目の前にはとても綺麗な顔立ちをしている金髪碧眼の青年が立っている。
そしてふとセイタは違和感を感じ首元を触ると、首輪のような物がついている事に気がつく。その首輪には小さな鈴がついているようだ。
それを不思議に思っていると、青年からとんでもない事を言われる。
「今日からキミはボクのペットになったんだよ」
青年はニコッと笑った。
セイタは何が何だかわからず混乱していた。
ここはどこなのか?なぜこんなところにいるのか?そもそもこの人は誰なのか?
セイタはペットという単語はスルーし、ひとまず当たり障りのない事を聞いていく。
彼がここの場所を尋ねると、どうもここは青年の家らしい。倒れていたセイタをテイムしてここまで運んだとの事だ。
セイタは頭の上に、はてなマークを浮かべているような顔をしていると、青年は自己紹介を始める。
青年の名はハロラート。
職業はテイマー。
見た目は顔がかなり童顔であるが背は高く独特な雰囲気があり年齢は不詳だ。
彼の中で一際特徴的なのはその耳だ。
まるでゲームやアニメに出てくるエルフのような形をしている。
ハロラートは手持ち無沙汰なのか、おもむろに呪文を唱え、自分の手の上に真っ白な生き物を出し始めた。
「うおぉっ!?すごい!」
「おやその反応、テイマーを見たのは初めてかい?」
ハロラートはその不思議な生き物をセイタに紹介する。
「これはね、ミルクスライムといって、ほぼノーリスクで出せるんだ~」
セイタはそれを物珍しそうに見て、彼を褒める。
ハロラートはスライムを手で弄りつつテイマーとしてはまだまだ未熟な身である事を嘆く。
セイタは目の前の不思議な現象と生き物に興味をそそられているようだったが、ぐっと我慢して自分の発見時の状況を詳しくハロラートに聞き出す。
セイタはハロラートの家の近くで倒れており、通りがかった彼は獣人が珍しいために、ついついセイタをテイムしてしまったという事を笑顔で話す。
「ところでさ、キミの名前はなんていうの?」
「ナマエ……?オレはセイタ……」
「セータ?それが君の名前かい?」
セイタは考える。
先ほどから会話に違和感しかないからだ。
ハロラートの言っている獣人やペットという単語について思い返す。
セイタは夢の中で出会った変な女神のような人物がそんな事を言っていたのを思い出し、そこである仮説に行き着く。
その仮説は影の形がおかしい点に気がつく事で確信へと変わっていく。
セイタは影のおかしな部位、すなわち頭を触るとそこには大きな三角の形をした柔らかい何かがあった。
感触としてはネコ科の動物のソレのようだった。
「え???俺の体……」
「どうしたんだい?セータ」
「ちょっと待ってくれ!鏡をくれ!!」
「はいどーぞ」
ハロラートは姿見の場所までセイタを案内する。
そこでセイタが目にするのは鏡に映っている猫耳に尻尾をつけた美少女の姿だった。
彼は慌てて胸と股間を触る。
胸は、ない
股間は、ある
どうやらセイタは美少女ではなく、美青年の方だったようだ。
「な、なんだこれは!?」
「何を驚いているんだい?」
彼が驚くのは当たり前である。
鏡の中の美青年はセイタと全く同じ動きをする。つまりこれが今の彼の姿というわけだ。
彼は異世界への転生について考えざるを得なくなった。
「あ、あのさハロラート。ここってどういう世界?」
「あはは、おかしな事を聞くね、それにボクの事はハロでいいよ、もしくはご主人様」
「は、ハロ……」
「うんうん♪これからよろしくね、ボクだけの可愛いセータちゃん♡」
セイタはハロに頭を撫でられる。
こうしてセイタは猫耳人間として異世界で生きていく事になったのだ。
………少し変わった飼い主付きで。
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