84 / 88
第三章 大蛇は静寂を求める
第三章 第五話 隠し部屋
しおりを挟む
レベッカの謁見後、俺たちは無言のまま中央階段を降りていた。
気まずい時間が流れる。
誰か話してくれないか?
そう思っていると真吾が「ねぇ、カルロスさん」と先頭で歩いている彼を呼んだ。
カルロスは少し苛立ちながら「何ですか?」と聞く。
「エルファバさんはどこにいるんだい?」
「地下の研究所でございます」
それを聞いて俺は思わず「研究所!?」と声を出してしまった。
「俺たちが探した時、地下に行く階段ってあったっけ?」
俺がそう言うと亮夜は「いや、なかった」と答える。
「大神様、物事目に見えるものがすべてではないのですよ」
カルロスがそう言った時には俺たちは中央階段を降りていた。
「こちらでございます」
そう言い彼は階段の隣を指す。
そこは壁だった。
「壁じゃない」
「壁だな」
「壁だね」
「壁だ」
カルロスが「フフフ」と笑い出す。
「何がおもしれぇんだ?」
「いや、まだまだ若いなと思ってな」
そう言うとカルロスは壁に手を当てた。
壁はみるみる扉に変わっていく。
「隠し扉?」
神代がそう言うと「左様でございます」とカルロスが答え、扉を開くとそこには下に降りる階段があった。
俺はみんなを見る。
全員の視線が合う。
俺は頷き、全員が頷いた。
「では行きましょうか」
そう言いカルロスは先頭で階段を降り始まる。
俺たちも追うように降り始めたのだ。
階段を降り切るとそこには金属のような扉があった。
コンコンコン
カルロスが扉にノックすると、扉は横にスライドし開く。
「そこは開けないんだ」
「急に近未来っぽくなったよね」
「だな」
「あなたたち早く入るわよ」
俺たちは神代に言われ、部屋に入る。
部屋に入ると巨大な本棚とビーカーなどの実験用具が置いてある棚などがあった。
ガッチャ
ん? 何か踏んだか?
地面を見ると歯車みたいなものがあった。
「歯車?」
「こちらでございます」
カルロスはそう言い奥に進んで行く。
俺たちも奥へ進んで行くと広い空間が見えてくる。
広い空間には机に腰かけ、ティーカップと皿を持ち、壊れたノコを見るエルファバとなにかの機械に吊るされた上半身しかないノコがいた。
「エルファバ様、お客様でございます」
エルファバが振り向く。
「あぁ、アナタたちね」
ティーカップを机に置き、腕を組みながらこっちに向かってくる。
「いらっしゃい、なんで来たの?」
腕を組んでいるためか黒装束の胸が強調される。
「僕が行きたいって言ったんだよ」
真吾は手を挙げながら歩いていく。
「あぁ、アナタが……ノコなら起きてるから挨拶したら?」
「そのつもりだよ」
そう言い彼はノコの方へ向かう。
エルファバが真吾を見送った後、俺たちを見る。
「で、アナタは何が聞きたいの?」
彼女の視線を追うと、神代がエルファバを見返していた。
「何? わかってたの?」
「わかるわよ。この世界——夢の世界に関係することかしら?」
神代は「そうよ」と返し、質問し始めた。
気まずい時間が流れる。
誰か話してくれないか?
そう思っていると真吾が「ねぇ、カルロスさん」と先頭で歩いている彼を呼んだ。
カルロスは少し苛立ちながら「何ですか?」と聞く。
「エルファバさんはどこにいるんだい?」
「地下の研究所でございます」
それを聞いて俺は思わず「研究所!?」と声を出してしまった。
「俺たちが探した時、地下に行く階段ってあったっけ?」
俺がそう言うと亮夜は「いや、なかった」と答える。
「大神様、物事目に見えるものがすべてではないのですよ」
カルロスがそう言った時には俺たちは中央階段を降りていた。
「こちらでございます」
そう言い彼は階段の隣を指す。
そこは壁だった。
「壁じゃない」
「壁だな」
「壁だね」
「壁だ」
カルロスが「フフフ」と笑い出す。
「何がおもしれぇんだ?」
「いや、まだまだ若いなと思ってな」
そう言うとカルロスは壁に手を当てた。
壁はみるみる扉に変わっていく。
「隠し扉?」
神代がそう言うと「左様でございます」とカルロスが答え、扉を開くとそこには下に降りる階段があった。
俺はみんなを見る。
全員の視線が合う。
俺は頷き、全員が頷いた。
「では行きましょうか」
そう言いカルロスは先頭で階段を降り始まる。
俺たちも追うように降り始めたのだ。
階段を降り切るとそこには金属のような扉があった。
コンコンコン
カルロスが扉にノックすると、扉は横にスライドし開く。
「そこは開けないんだ」
「急に近未来っぽくなったよね」
「だな」
「あなたたち早く入るわよ」
俺たちは神代に言われ、部屋に入る。
部屋に入ると巨大な本棚とビーカーなどの実験用具が置いてある棚などがあった。
ガッチャ
ん? 何か踏んだか?
地面を見ると歯車みたいなものがあった。
「歯車?」
「こちらでございます」
カルロスはそう言い奥に進んで行く。
俺たちも奥へ進んで行くと広い空間が見えてくる。
広い空間には机に腰かけ、ティーカップと皿を持ち、壊れたノコを見るエルファバとなにかの機械に吊るされた上半身しかないノコがいた。
「エルファバ様、お客様でございます」
エルファバが振り向く。
「あぁ、アナタたちね」
ティーカップを机に置き、腕を組みながらこっちに向かってくる。
「いらっしゃい、なんで来たの?」
腕を組んでいるためか黒装束の胸が強調される。
「僕が行きたいって言ったんだよ」
真吾は手を挙げながら歩いていく。
「あぁ、アナタが……ノコなら起きてるから挨拶したら?」
「そのつもりだよ」
そう言い彼はノコの方へ向かう。
エルファバが真吾を見送った後、俺たちを見る。
「で、アナタは何が聞きたいの?」
彼女の視線を追うと、神代がエルファバを見返していた。
「何? わかってたの?」
「わかるわよ。この世界——夢の世界に関係することかしら?」
神代は「そうよ」と返し、質問し始めた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる