片翼の騎士と魔法の工匠

まめきち

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第一話

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奴隷商は、私の住む街にはいない。
そのため、隣の大きな都市まで足を運ぶことにした。

私は、ありったけの財産を抱えて都市へ向かった。
初めて訪れる場所に緊張しながら奴隷商の店へ入ると、怪訝そうな顔をした商人が声をかけてきた。

「若いお嬢ちゃんとは珍しいな。綺麗な男娼をお探しかい?」

「いえ。戦闘奴隷が欲しいんです」

そう答えると、商人は驚いたように目を見開き、

「……それなら、こっちの部屋だな」

と奥へ案内した。

カーテンの先には鎖につながれた奴隷たちが並んでいた。
鼻を突く独特の匂いに、思わず顔をしかめる。

「おすすめはこいつだ。元傭兵で、腕は確かだぞ。
もしくは、金を抑えたいなら、こっちの年老いた元冒険者だな」

私は頷きながら、元冒険者の値段を尋ねた。

「まあ、十万ルトーってところだな」

あまりの金額に、思わず咳き込んでしまう。
十万ルトーといえば、父の三年分の稼ぎに相当する。
私には、とても払える額ではなかった。

「あの……他に、もっと安い方は……」

商人は難しい顔をしながら少し考え、

「いるにはいるが……とりあえず、見ていくか?」

「お願いします!」

案内された先は、じめじめとしたカビ臭い場所だった。
そこには、虚ろな目をした、傷だらけで片腕のない奴隷がひとり座っていた。

「元騎士だ。こいつなら三万ルトーでいい。ただし、片腕がないから戦闘向きじゃないが……どうする?」

私は、迷わず答えた。

「この人にします」

その後、いくつもの書類にサインをし、あっという間に手続きは終わった。
書類には、奴隷の名前として「レオン」と記されていた。

「胸元に魔法陣が刻まれてる。万が一、主人に歯向かえないようになってるからな」

そう説明を受け、私はレオンを連れて宿へ戻った。

「まずは綺麗にしないとね。レオンさん、でいいのかな?
お風呂はそこ。服も用意してあるから、それに着替えて」

そう言って、私は彼を浴室へと促した。

風呂から上がり、髭を剃えた彼は、先ほどとは見違えるほどの姿になっていた。
思わず、私はその顔から目を奪われてしまう。

「改めまして。私はリナ。よろしくね」

彼は一瞬こちらを見つめ、それから、こくりと小さく頷いた。
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