86 / 146
秘密と買い物
しおりを挟む
『ヒヒッ、取り敢えず座りな』
「ん? ......わかった」
座るのを促されたので地べたに座ろうとすると、悪魔さんがいつの間にか尻の着地点に座布団を置いていた。相変わらず行動が不思議だ。
「どうも」
『いえ』
悪魔さんも流暢な喋りになっていた。ここまでの間にババアと悪魔さんに何があったんだろうか。
『ヒッヒッヒ......さて、先ずは謝罪しようか。妾が忘れていた木っ端の如き存在が坊主に迷惑を掛けてしまった事をの』
......あー、なるほど。
「いいよそんなの、どっちみち俺は死んでないし。それよりも何時になるかわからないけど......俺はアイツをぶち殺すから、そん時は見逃してほしい」
『ふふっ......』
『ヒヒッ、構わないよ。あんなのが生きようが死のうが、こっちは知った事ではないわ』
悪魔さんは堪えきれず控えめに笑い出し、ババアは心底どうでも良さげに吐き捨てる。なんで笑われたんだろ?
「助かる。アイツは絶対に殺したいからね......あ、それと何個か聞きたいんだけどいい? もし面倒でもこれだけは答えてくれたら嬉しい。アイツの様な存在って結構居たりする?」
無事に許可が貰えたので一安心。ババアの中であのクソ鎧がどんな立ち位置か知れてよかった。もしダメって言われてしまったら......まぁそれでもババアと敵対する事になろうがどっちみち挑んでいたと思う。
あと、とりあえずあのクソ鎧のようなババアの庇護下にある存在について聞きたかった。今回のように訳もわからず殺されかけるとか無しにしたいし、友好が結べるのなら友好的にしたい。自分的にここまで生きてきてこんなの風に思うのは絶対に無かったから驚きの心情なんだけど......まぁ自分も成長してきているんだろう。
『ヒヒッ、この中にはアレ以外居らんよ。もし坊主が望むなら連れてきて面通しでもやってやるが......どうじゃ?』
「今それはやらなくていいよ。......あっ、どうも」
遭遇しようがないヒトたちを連れてこられても仕方ないから遠慮した。その丁度話が途切れたタイミングで悪魔さんから湯呑みを渡される。中身はどう見ても緑茶で驚く。
『坊主、お主はニホンジンじゃろ? ならコレが良いと思ったが......紅茶の方がよかったか?』
「いや、緑茶の方が馴染みあるんで有難いです」
ダンジョンに堕ちてから経過した時間はもうわからないが、緑茶の香りが久しく忘れていた人間的な部分を揺り起こしてくれた。
鎧の時に紅茶は飲んだけど、元々紅茶なんて有名な午後のアレくらいしか飲んでないからこんな気持ちにはならなかった。久しぶりに真面なご飯食べたくなってきたけどダンジョンでは無理か。
っと、それよりも――
「それにしても日本人を知っていたり、日本の文化とかも知ってたり......外出てたりするの?」
新しい疑問が湧き出たので聞いてみる。明らかに現代人では無いババアが日本人とか緑茶とか言うのおかしい。もし外に自由に出られるのならカップラーメンとか買ってきて店に並べて欲しい。
『ヒッヒ、外には自由に出られるが坊主の居た世界には出られないよ。妾の居た世界に、坊主と同じニホンからやって来た者が居て広まって行ったから知っていたのさ』
「......なるほど」
異世界転生、異世界転移と云ったモノが実際にあったという訳か。不運にも日本からババアの居た世界に行ってしまった人は随分逞しく生きていたらしい。
『ヒヒッ、じゃあこちらからも聞くが、坊主はその、ニホンから直接此処にやって来たのかい?』
「そう、色々あって......うん、そうだね。全てに嫌気が差していた時、怒りに任せて殴った場所に穴が開いてこのダンジョンに堕ちて今に至る」
ババアにダンジョンに堕ちた経緯をざっくりと説明する。本当に何で穴が開いたのか今でもわからない。
考えていたらドツボに嵌ったらしく一人でうんうん唸っていると不意に柔らかい感触が襲う。どうやら自分は悪魔さんに抱きしめられたようだ。
『よしよし、これまで頑張ってきたんだね......』
何故、自分は今抱きしめられているのだろうか......訳もわからず混乱してしまう。
だが、でもいつぶりなのかわからない他人の感触に悪い気はしなかった。悪魔さんはひんやりしていたが、とても暖かく感じた。
『ヒヒヒッ、此奴も坊主の事を気に入ってるのさ。暫くは此奴に抱かれておきな』
ババアが何やら生暖かい目でこちらを見ている。ちょっと恥ずかしいから見るのを止めてほしい。
『このダンジョンへ入る資格を得るのは、本気で常世に絶望するか、嫌悪を抱いているか、居場所が無い者や世捨て人だけなのさ。だから此奴は坊主のこれまでを思ってそうなっておる。ヒヒヒッ、此奴をこうまで堕とすとは坊主も罪なヤツよ......』
どんな感情でこうなったか知らないけど、悪魔さんがヤバい。ちょっと母性とか保護欲みたいのが暴走しているっぽい。
お願い、ちょっとだけでいいから力緩めてほしい。ミシミシいってるの。血が減るからぁ......
『ヒッヒッヒ、その辺にしておけ』
ババアが何か察したらしく自分から悪魔さんが引き離されたと思ったら何故か正座させられていた。何が起きたのか理解出来ないけどやっぱりこの人たちは格が違うらしい。......悔しいなァ。
『......申し訳ありません』
『ヒッヒッヒ、お前はちとそのまま反省しておれ。話したい事はまだあるが、この馬鹿の所為で気が削がれたの。坊主が買い物でもしてからまた話そうかね』
正座している悪魔さんの周辺が何やらビキビキいっている。多分重力とかで何かしているのかな? うん、ババアだけは絶対に怒らせてはいけない。
少しヒきながらだが買い物ターンになったので、先にババアに売れそうだと思って持ってきたモノを売却していく。クソワームの皮は量があったのもあるが案外高く売れてBPが潤沢になった。酸を作っている部位があればのぉ......と小言を言われたけどそんな余裕は無かったんだよ。ごめん。
残高は39000BP程。
そして増えたBPで品揃えがかなり増えたババアショップで買い物をする。このBPで先ずは寝具......というか、壊れてしまった枕と毛布を買った。
〈癒光の毛布〉と〈堕羊の枕〉の二つ。
毛布はストレス軽減と体力回復、枕は囲まれると無気力になり衰弱死するという物騒な羊の毛で作った枕。どちらも手触りが気持ち良かったので即決した。併せて4000BP程。
衣類もグレードアップした。計5000BP程を使って斬撃耐性と打撃耐性のあるシャツ、魔法に多少耐性のあるズボンを数着購入。再生するブーツみたいな衣服は無かった......残念。パンツも数着とバッグも購入した。
後は魔法袋のお陰で壊れる心配が減ったのでポーション類を何個か10000BP分購入。
〈造血ポーション〉と〈リペアポーション〉と〈魔力回復ポーション〉と〈石化解除ポーション〉と〈凍結解除ポーション〉の五種類を二本ずつ。
造血は見た瞬間購入を決めてリペアも同様。造血は思う通りのモノならば自分には必須、リペアは服とかに使えたらと思うと共に溶けたり火傷したり皮膚に効くかなぁと。他は考え得る限りのヤバいシチュエーションに備えて。どれも一本1000BPでこれは良い買い物だったと思う。
最後に武器兼防具となる物を購入。
〈鋼鉄虫のグリーブ〉と〈貫突虫のガントレット〉の二つ。鋼鉄虫とはババアの世界のダンゴムシで魔鋼鉄とかに引けを取らない硬さだそうだ。貫突虫とは弾丸の様に飛ぶ変な大型の虫で普通に殴るだけでコークスクリューブローの様になる不思議なガントレット。
これら二つ併せて7000BPだった。どれもこれも高いのか安いのかわからないけど、初期に買わせて貰ったモノはかなり負けて貰ってたんだろうと思われる。本当に有難い。
ちなみに某狂戦士が持つ大剣のようなモノをババアに薦められたがそれは丁重にお断りした。あんなん使ったら戦闘中に何か不幸な事故で自死してしまう気がしたし扱えるとも思えなかった。
『ヒッヒッヒ......さて、じゃあ本題と行こうじゃないかえ』
自分は買った物を装備したり詰め込んだりし終えゆっくりしていたらババアがそう切り出す。商品を片付けると若干ボロボロになった悪魔さんを連れてやってきた。
ボロボロな悪魔さんは己を治そうともせずテキパキ動き机や椅子を何処からか出しながら場を整えていった。
『また緑茶でいいですか?』
「アッハイ」
何も考えずにボーッと眺めていたら準備が終わっていたらしい。ババアは何を話そうとしているのだろうか......なんかちょっと怖いなぁ。
「ん? ......わかった」
座るのを促されたので地べたに座ろうとすると、悪魔さんがいつの間にか尻の着地点に座布団を置いていた。相変わらず行動が不思議だ。
「どうも」
『いえ』
悪魔さんも流暢な喋りになっていた。ここまでの間にババアと悪魔さんに何があったんだろうか。
『ヒッヒッヒ......さて、先ずは謝罪しようか。妾が忘れていた木っ端の如き存在が坊主に迷惑を掛けてしまった事をの』
......あー、なるほど。
「いいよそんなの、どっちみち俺は死んでないし。それよりも何時になるかわからないけど......俺はアイツをぶち殺すから、そん時は見逃してほしい」
『ふふっ......』
『ヒヒッ、構わないよ。あんなのが生きようが死のうが、こっちは知った事ではないわ』
悪魔さんは堪えきれず控えめに笑い出し、ババアは心底どうでも良さげに吐き捨てる。なんで笑われたんだろ?
「助かる。アイツは絶対に殺したいからね......あ、それと何個か聞きたいんだけどいい? もし面倒でもこれだけは答えてくれたら嬉しい。アイツの様な存在って結構居たりする?」
無事に許可が貰えたので一安心。ババアの中であのクソ鎧がどんな立ち位置か知れてよかった。もしダメって言われてしまったら......まぁそれでもババアと敵対する事になろうがどっちみち挑んでいたと思う。
あと、とりあえずあのクソ鎧のようなババアの庇護下にある存在について聞きたかった。今回のように訳もわからず殺されかけるとか無しにしたいし、友好が結べるのなら友好的にしたい。自分的にここまで生きてきてこんなの風に思うのは絶対に無かったから驚きの心情なんだけど......まぁ自分も成長してきているんだろう。
『ヒヒッ、この中にはアレ以外居らんよ。もし坊主が望むなら連れてきて面通しでもやってやるが......どうじゃ?』
「今それはやらなくていいよ。......あっ、どうも」
遭遇しようがないヒトたちを連れてこられても仕方ないから遠慮した。その丁度話が途切れたタイミングで悪魔さんから湯呑みを渡される。中身はどう見ても緑茶で驚く。
『坊主、お主はニホンジンじゃろ? ならコレが良いと思ったが......紅茶の方がよかったか?』
「いや、緑茶の方が馴染みあるんで有難いです」
ダンジョンに堕ちてから経過した時間はもうわからないが、緑茶の香りが久しく忘れていた人間的な部分を揺り起こしてくれた。
鎧の時に紅茶は飲んだけど、元々紅茶なんて有名な午後のアレくらいしか飲んでないからこんな気持ちにはならなかった。久しぶりに真面なご飯食べたくなってきたけどダンジョンでは無理か。
っと、それよりも――
「それにしても日本人を知っていたり、日本の文化とかも知ってたり......外出てたりするの?」
新しい疑問が湧き出たので聞いてみる。明らかに現代人では無いババアが日本人とか緑茶とか言うのおかしい。もし外に自由に出られるのならカップラーメンとか買ってきて店に並べて欲しい。
『ヒッヒ、外には自由に出られるが坊主の居た世界には出られないよ。妾の居た世界に、坊主と同じニホンからやって来た者が居て広まって行ったから知っていたのさ』
「......なるほど」
異世界転生、異世界転移と云ったモノが実際にあったという訳か。不運にも日本からババアの居た世界に行ってしまった人は随分逞しく生きていたらしい。
『ヒヒッ、じゃあこちらからも聞くが、坊主はその、ニホンから直接此処にやって来たのかい?』
「そう、色々あって......うん、そうだね。全てに嫌気が差していた時、怒りに任せて殴った場所に穴が開いてこのダンジョンに堕ちて今に至る」
ババアにダンジョンに堕ちた経緯をざっくりと説明する。本当に何で穴が開いたのか今でもわからない。
考えていたらドツボに嵌ったらしく一人でうんうん唸っていると不意に柔らかい感触が襲う。どうやら自分は悪魔さんに抱きしめられたようだ。
『よしよし、これまで頑張ってきたんだね......』
何故、自分は今抱きしめられているのだろうか......訳もわからず混乱してしまう。
だが、でもいつぶりなのかわからない他人の感触に悪い気はしなかった。悪魔さんはひんやりしていたが、とても暖かく感じた。
『ヒヒヒッ、此奴も坊主の事を気に入ってるのさ。暫くは此奴に抱かれておきな』
ババアが何やら生暖かい目でこちらを見ている。ちょっと恥ずかしいから見るのを止めてほしい。
『このダンジョンへ入る資格を得るのは、本気で常世に絶望するか、嫌悪を抱いているか、居場所が無い者や世捨て人だけなのさ。だから此奴は坊主のこれまでを思ってそうなっておる。ヒヒヒッ、此奴をこうまで堕とすとは坊主も罪なヤツよ......』
どんな感情でこうなったか知らないけど、悪魔さんがヤバい。ちょっと母性とか保護欲みたいのが暴走しているっぽい。
お願い、ちょっとだけでいいから力緩めてほしい。ミシミシいってるの。血が減るからぁ......
『ヒッヒッヒ、その辺にしておけ』
ババアが何か察したらしく自分から悪魔さんが引き離されたと思ったら何故か正座させられていた。何が起きたのか理解出来ないけどやっぱりこの人たちは格が違うらしい。......悔しいなァ。
『......申し訳ありません』
『ヒッヒッヒ、お前はちとそのまま反省しておれ。話したい事はまだあるが、この馬鹿の所為で気が削がれたの。坊主が買い物でもしてからまた話そうかね』
正座している悪魔さんの周辺が何やらビキビキいっている。多分重力とかで何かしているのかな? うん、ババアだけは絶対に怒らせてはいけない。
少しヒきながらだが買い物ターンになったので、先にババアに売れそうだと思って持ってきたモノを売却していく。クソワームの皮は量があったのもあるが案外高く売れてBPが潤沢になった。酸を作っている部位があればのぉ......と小言を言われたけどそんな余裕は無かったんだよ。ごめん。
残高は39000BP程。
そして増えたBPで品揃えがかなり増えたババアショップで買い物をする。このBPで先ずは寝具......というか、壊れてしまった枕と毛布を買った。
〈癒光の毛布〉と〈堕羊の枕〉の二つ。
毛布はストレス軽減と体力回復、枕は囲まれると無気力になり衰弱死するという物騒な羊の毛で作った枕。どちらも手触りが気持ち良かったので即決した。併せて4000BP程。
衣類もグレードアップした。計5000BP程を使って斬撃耐性と打撃耐性のあるシャツ、魔法に多少耐性のあるズボンを数着購入。再生するブーツみたいな衣服は無かった......残念。パンツも数着とバッグも購入した。
後は魔法袋のお陰で壊れる心配が減ったのでポーション類を何個か10000BP分購入。
〈造血ポーション〉と〈リペアポーション〉と〈魔力回復ポーション〉と〈石化解除ポーション〉と〈凍結解除ポーション〉の五種類を二本ずつ。
造血は見た瞬間購入を決めてリペアも同様。造血は思う通りのモノならば自分には必須、リペアは服とかに使えたらと思うと共に溶けたり火傷したり皮膚に効くかなぁと。他は考え得る限りのヤバいシチュエーションに備えて。どれも一本1000BPでこれは良い買い物だったと思う。
最後に武器兼防具となる物を購入。
〈鋼鉄虫のグリーブ〉と〈貫突虫のガントレット〉の二つ。鋼鉄虫とはババアの世界のダンゴムシで魔鋼鉄とかに引けを取らない硬さだそうだ。貫突虫とは弾丸の様に飛ぶ変な大型の虫で普通に殴るだけでコークスクリューブローの様になる不思議なガントレット。
これら二つ併せて7000BPだった。どれもこれも高いのか安いのかわからないけど、初期に買わせて貰ったモノはかなり負けて貰ってたんだろうと思われる。本当に有難い。
ちなみに某狂戦士が持つ大剣のようなモノをババアに薦められたがそれは丁重にお断りした。あんなん使ったら戦闘中に何か不幸な事故で自死してしまう気がしたし扱えるとも思えなかった。
『ヒッヒッヒ......さて、じゃあ本題と行こうじゃないかえ』
自分は買った物を装備したり詰め込んだりし終えゆっくりしていたらババアがそう切り出す。商品を片付けると若干ボロボロになった悪魔さんを連れてやってきた。
ボロボロな悪魔さんは己を治そうともせずテキパキ動き机や椅子を何処からか出しながら場を整えていった。
『また緑茶でいいですか?』
「アッハイ」
何も考えずにボーッと眺めていたら準備が終わっていたらしい。ババアは何を話そうとしているのだろうか......なんかちょっと怖いなぁ。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる