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皆で守り合うのですよ2

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  稜弥side

「自分なりに調べていく内に、誰も彼もが被害者であり関わっていないという事が分かったのです。まず桜家の方々。楓禾姫様と、湖紗若様は、関係ない所か、反対にお命を狙われているお立場。楓菜の方は亡くなられ。心労から殿様は倒れられた。政岡家……鈴様もちろん関係ありません。凛実の方様も指示など出しておらず、持女だった詠史殿の、お姉上様のこずえ様の死によって、いの一番に疑われる立場です。今でも噂され、お苦しい思いをされている」

「凛実の方様の叔父が……噂を流しているのですね」

「そういう事です。稜弥様。思う事が全く無いとは言い切れませんが……思う事の方向が凛実の方様の叔父の、外喜(とき)殿にのみ、向かっている……という感じなんです。ですから楓禾姫は嘆く必要などないのですよ」

「桜家が無事なのは。お父上様、私、湖紗若様を守りつつ、表で腹心の者達と共に、外喜殿と一部の家臣の暴走を食い止めて下さっている、稜弥様のお父上様のおかげです。ありがとう」

「 楓禾姫様……」

「 稜弥様は、表でなされている仕事に重点を置いてお働きになったら、出世だって……幼き時より私を守って下さる稜弥様。桜家に関わったばかりに……詠史殿はお姉上様を亡くされたのに…… それなのに私を守って下さる詠史殿。湖紗若様も。鈴兄上も。 もう二度と、誰からも傷つけられないように。私が守りたいのです」



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