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戴冠式②
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想像したよりも乗り心地のいい馬車の窓から、外を覗く。近くから見ても、バルコニーで見た景色と変わらず、美しい街並みだ。
だが、ドラゴーナの街を堪能する暇もなく、すぐに馬車は止まった。目的地の祈り場は、城からすぐの地区にあったらしい。
外から開けられた扉の外には、軍人がずらっと二列に並んで、入口までの道を作っていた。
「王、お降りください」
先に降りたルーンに言われて、馬車を降りる。俺の後を諒が、最後にアロイスが降りると、先頭のルーンが入口を目指して歩き出した。
祈り場は、教会のような見た目だ。足を踏み入れた室内も、祈る対象が祀られていない教会といった様相だ。
「王と婿殿は、あちらへ」
俺と諒だけ、正面の大きなステンドグラスの下にある、床より一段高くなっているステージの脇の扉の先へ通される。
こぢんまりとした質素な部屋には、老人が待っていた。神官服のようなものを着ているので、この人が大祭司なのだろう。
「おぉ、あなた様がレオ様のお子なのですね」
駆け寄ってきた大祭司だと思われる老人が、皺々の手で俺の手を包んできた。
レオ様とは、前王の名なのだろうか? 名前を知り、より母の存在が現実味を帯びてきた。
「わたしは、あなた様の祝福をしたのです」
「俺の?」
「はい。あなた様にお会いするのは、二度目でございます」
大祭司が前王には会ったことがあるとは聞いていたが、赤ん坊の俺にまで会っていただなんて……。
「その……前王はどんな人だったんですか?」
「レオ様は一輪の花のように美しい方でした。そして、そのお姿同様、とても慈愛に満ちたお優しい方でした。こちらに、レオ様の肖像画がございます」
ルーンに聞いた人柄と変わらぬ答えに、がっかりした胸が躍りだす。前王の、母の姿が見られるだなんて……。
部屋の奥の扉に向かう大祭司の後を、逸る気持ちを抑えながら追う。
扉の先には、廊下のような細長い空間が広がっていた。壁には、歴代の王を描いたと思われる肖像画が飾ってある。
柔らかな明かりに照らされているそれらを眺めながら歩を進め、最後の一枚の前で足を止めた大祭司の横に立つ。そこには、優しげな微笑みを浮かべた、中性的な容姿の王が描かれていた。俺と同じ、漆黒の髪と瞳が、凛とした美しさと気高さを強調している。
「これが母さん……」
正直、俺とは似ていないのに、なんとなく共通点を感じてしまう。
「朔夜さんに、よく似ていますね」
「そうか?」
「えぇ、外見から感じ取れる、内面の強さや美しさがそっくりです」
絵を眺めながら感心したように言う諒を見て、この人が俺の実母に間違いないのだと確信する。
食い入るように母の肖像画を見つめていると、大祭司がはっとしたように息を呑んだ。
「貴殿は、イヴァン様にそっくりでらっしゃる」
大祭司が感嘆しながら見つめているのは、諒だ。
「イヴァン様?」
「はい。イヴァン様は、レオ様の婿殿です」
突然、大祭司の目が自分に向いて困惑気味の諒が訊ねると、興奮した様子で大祭司が教えてくれた。
前王の婿殿ということは、俺の父だということだ。母のことで頭がいっぱいで考える余裕がなかったが、血の繋がった父もいたのだと分かり、鼓動が早くなる。
「イヴァンというのは、どんな人だったんですか?」
父のことも知っていそうな大祭司に訊ねる。
「イヴァン様は、若くして騎士団長になられたお方でした。確かな剣の腕と誠実さで、騎士団員はもちろん、全ての民から慕われていた方でした。戦争が始まってからは、軍を率いて決死盛んに戦われました」
過去形と、大祭司の沈んだ表情から、父も亡くなったのだと分かる。
「わたしは、お二人の冥福も祈りました」
「えっ……」
「お二人は御一緒に、仲睦まじく天に召されたのです」
それは、母と一緒に父も殺されたということだ。
騎士団長だった父は、戦争を止められずに殺され、母以上に悔しい思いをしたことだろう。せめてもの救いは、ふたりが共に旅立てたことだ。
「朔夜さん……」
俺が考えていることが分かったのか、諒が背中を擦ってくれる。マント越しでも、掌の温かさがちゃんと伝わってくる。
気持ちが落ち着くまで、母と父に思いを馳せて、母の肖像画を眺め続けた。雰囲気を察してか、大祭司も静かに見守ってくれていた。
「戴冠式の準備は大丈夫なんですか?」
「はい。そろそろ参りましょう」
落ち着いた俺の顔を見て、ほっと息をついた大祭司のあとにつき、最初の部屋に戻った。そして、ステージへと足を進めた。
いつの間にか、広い祈り場内は人で溢れていた。ステージに立ち、昨日、城の広間で顔合わせをした人々を見渡す。
最前列には、アロイスとルーンの姿がある。アロイスは相変わらず、不貞腐れた表情だ。実質的な王のアロイスだから、いろいろ思うこともあるのだろう。
手伝いにきているのだろう祭司が、大祭司にクッションにのった王冠を差し出した。色とりどりの宝石が嵌められた、豪華な王冠だ。
先程見た、歴代の王の肖像画の頭には、みんなこれと同じ王冠が描かれていた。代々受け継がれてきた王冠を俺も被るのか。
母である前王だけではなく、歴代の王はみな、俺と血の繋がりがある。そのことに気づき、胸が熱くなってきた。
「失念しておりました。あなた様のお名前は?」
王冠を手に取った大祭司でが、しまったというような顔をして聞いてきた。
「朔夜です」
「サクヤ様ですね」
にこやかに微笑んだ大祭司が、王冠を高らかに掲げる。
「王の角を有する、このサクヤ様が、戴冠の儀を以てドラゴーナの王になられたことを、我はここに宣言する」
そう厳粛に告げた大祭司に、王冠を被せられた。
王冠はとても重くて、ずしりとくる。いろんなものが詰まっているからか、実際の重量よりも重く感じるのだろう。
「次いで、王と婿殿が、正式な伴侶になったことを、ここに宣言する」
大祭司が高らかにした宣言に、唖然としてしまう。諒も同じようで、困惑した顔で俺を見てきた。
そんなふたりには気付いていないのか、集まった人々が盛大に拍手をはじめた。こんな話は聞いていなかったので、本当なのかと確認するためにルーンを見ると、にこやかな笑みを浮かべて拍手をしていた。その横では、アロイスもたらたらと手を鳴らしている。
対の世界で、戸籍上は女だった俺は、諒と結婚した。そして、このドラゴーナでも、諒と正式に夫婦になれたのだ。
実感した途端、目頭が熱くなってきた。そんな俺の掌を、絶対に離さないといわんばかりの強い力で包んできた諒。
「サクヤ様、婿殿、あちらへ」
大祭司に促され、手を繋いだまま入口に向かう。
外に出ると、ドラゴーナの民が大挙として押し寄せていた。
たくさんの祝福の声が飛ぶ中を、馬車に向かって歩いていく。なんだか、結婚式が終わってバージンロードを歩いているみたいだ。
対の世界での結婚式はふたりきりで行ったが、こちらでは全ての民に祝われる盛大なものになったな、なんて考えて笑ってしまう。
馬車に乗り込むと、ふたりだけを乗せて走りだした。
だが、ドラゴーナの街を堪能する暇もなく、すぐに馬車は止まった。目的地の祈り場は、城からすぐの地区にあったらしい。
外から開けられた扉の外には、軍人がずらっと二列に並んで、入口までの道を作っていた。
「王、お降りください」
先に降りたルーンに言われて、馬車を降りる。俺の後を諒が、最後にアロイスが降りると、先頭のルーンが入口を目指して歩き出した。
祈り場は、教会のような見た目だ。足を踏み入れた室内も、祈る対象が祀られていない教会といった様相だ。
「王と婿殿は、あちらへ」
俺と諒だけ、正面の大きなステンドグラスの下にある、床より一段高くなっているステージの脇の扉の先へ通される。
こぢんまりとした質素な部屋には、老人が待っていた。神官服のようなものを着ているので、この人が大祭司なのだろう。
「おぉ、あなた様がレオ様のお子なのですね」
駆け寄ってきた大祭司だと思われる老人が、皺々の手で俺の手を包んできた。
レオ様とは、前王の名なのだろうか? 名前を知り、より母の存在が現実味を帯びてきた。
「わたしは、あなた様の祝福をしたのです」
「俺の?」
「はい。あなた様にお会いするのは、二度目でございます」
大祭司が前王には会ったことがあるとは聞いていたが、赤ん坊の俺にまで会っていただなんて……。
「その……前王はどんな人だったんですか?」
「レオ様は一輪の花のように美しい方でした。そして、そのお姿同様、とても慈愛に満ちたお優しい方でした。こちらに、レオ様の肖像画がございます」
ルーンに聞いた人柄と変わらぬ答えに、がっかりした胸が躍りだす。前王の、母の姿が見られるだなんて……。
部屋の奥の扉に向かう大祭司の後を、逸る気持ちを抑えながら追う。
扉の先には、廊下のような細長い空間が広がっていた。壁には、歴代の王を描いたと思われる肖像画が飾ってある。
柔らかな明かりに照らされているそれらを眺めながら歩を進め、最後の一枚の前で足を止めた大祭司の横に立つ。そこには、優しげな微笑みを浮かべた、中性的な容姿の王が描かれていた。俺と同じ、漆黒の髪と瞳が、凛とした美しさと気高さを強調している。
「これが母さん……」
正直、俺とは似ていないのに、なんとなく共通点を感じてしまう。
「朔夜さんに、よく似ていますね」
「そうか?」
「えぇ、外見から感じ取れる、内面の強さや美しさがそっくりです」
絵を眺めながら感心したように言う諒を見て、この人が俺の実母に間違いないのだと確信する。
食い入るように母の肖像画を見つめていると、大祭司がはっとしたように息を呑んだ。
「貴殿は、イヴァン様にそっくりでらっしゃる」
大祭司が感嘆しながら見つめているのは、諒だ。
「イヴァン様?」
「はい。イヴァン様は、レオ様の婿殿です」
突然、大祭司の目が自分に向いて困惑気味の諒が訊ねると、興奮した様子で大祭司が教えてくれた。
前王の婿殿ということは、俺の父だということだ。母のことで頭がいっぱいで考える余裕がなかったが、血の繋がった父もいたのだと分かり、鼓動が早くなる。
「イヴァンというのは、どんな人だったんですか?」
父のことも知っていそうな大祭司に訊ねる。
「イヴァン様は、若くして騎士団長になられたお方でした。確かな剣の腕と誠実さで、騎士団員はもちろん、全ての民から慕われていた方でした。戦争が始まってからは、軍を率いて決死盛んに戦われました」
過去形と、大祭司の沈んだ表情から、父も亡くなったのだと分かる。
「わたしは、お二人の冥福も祈りました」
「えっ……」
「お二人は御一緒に、仲睦まじく天に召されたのです」
それは、母と一緒に父も殺されたということだ。
騎士団長だった父は、戦争を止められずに殺され、母以上に悔しい思いをしたことだろう。せめてもの救いは、ふたりが共に旅立てたことだ。
「朔夜さん……」
俺が考えていることが分かったのか、諒が背中を擦ってくれる。マント越しでも、掌の温かさがちゃんと伝わってくる。
気持ちが落ち着くまで、母と父に思いを馳せて、母の肖像画を眺め続けた。雰囲気を察してか、大祭司も静かに見守ってくれていた。
「戴冠式の準備は大丈夫なんですか?」
「はい。そろそろ参りましょう」
落ち着いた俺の顔を見て、ほっと息をついた大祭司のあとにつき、最初の部屋に戻った。そして、ステージへと足を進めた。
いつの間にか、広い祈り場内は人で溢れていた。ステージに立ち、昨日、城の広間で顔合わせをした人々を見渡す。
最前列には、アロイスとルーンの姿がある。アロイスは相変わらず、不貞腐れた表情だ。実質的な王のアロイスだから、いろいろ思うこともあるのだろう。
手伝いにきているのだろう祭司が、大祭司にクッションにのった王冠を差し出した。色とりどりの宝石が嵌められた、豪華な王冠だ。
先程見た、歴代の王の肖像画の頭には、みんなこれと同じ王冠が描かれていた。代々受け継がれてきた王冠を俺も被るのか。
母である前王だけではなく、歴代の王はみな、俺と血の繋がりがある。そのことに気づき、胸が熱くなってきた。
「失念しておりました。あなた様のお名前は?」
王冠を手に取った大祭司でが、しまったというような顔をして聞いてきた。
「朔夜です」
「サクヤ様ですね」
にこやかに微笑んだ大祭司が、王冠を高らかに掲げる。
「王の角を有する、このサクヤ様が、戴冠の儀を以てドラゴーナの王になられたことを、我はここに宣言する」
そう厳粛に告げた大祭司に、王冠を被せられた。
王冠はとても重くて、ずしりとくる。いろんなものが詰まっているからか、実際の重量よりも重く感じるのだろう。
「次いで、王と婿殿が、正式な伴侶になったことを、ここに宣言する」
大祭司が高らかにした宣言に、唖然としてしまう。諒も同じようで、困惑した顔で俺を見てきた。
そんなふたりには気付いていないのか、集まった人々が盛大に拍手をはじめた。こんな話は聞いていなかったので、本当なのかと確認するためにルーンを見ると、にこやかな笑みを浮かべて拍手をしていた。その横では、アロイスもたらたらと手を鳴らしている。
対の世界で、戸籍上は女だった俺は、諒と結婚した。そして、このドラゴーナでも、諒と正式に夫婦になれたのだ。
実感した途端、目頭が熱くなってきた。そんな俺の掌を、絶対に離さないといわんばかりの強い力で包んできた諒。
「サクヤ様、婿殿、あちらへ」
大祭司に促され、手を繋いだまま入口に向かう。
外に出ると、ドラゴーナの民が大挙として押し寄せていた。
たくさんの祝福の声が飛ぶ中を、馬車に向かって歩いていく。なんだか、結婚式が終わってバージンロードを歩いているみたいだ。
対の世界での結婚式はふたりきりで行ったが、こちらでは全ての民に祝われる盛大なものになったな、なんて考えて笑ってしまう。
馬車に乗り込むと、ふたりだけを乗せて走りだした。
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