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アキとハル
こども
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ベランダに出て星空を見上げる。
何も羽織らずに出てきたので体の芯からしんしんと冷えてきたが、もう少し黒いキャンバスに散りばめられた宝石を見ていたかったので、掌をこすり合わせて寒さを誤魔化してみる。
眼下に広がる街並みは正月の余韻を残しつつ、いつもの時間に戻り始めている。
そろそろ時間かな?
部屋に戻ると後十分というところだったので、コーヒーで体を暖めながらテレビをつける。
「くそー、緊張する」
夕方、生放送のスポーツ番組に出演する為にテレビ局に向かうハルが、玄関先で不安そうに俺を見上げた。
失敗しないおまじない、と額にチュッとキスをして抱きしめてやる。
子供騙しなおまじないだな、と文句を言いつつも笑うその顔は、いつものハルの顔に戻っていた。
ハルが出て行って、ひとりぼっちになった部屋。
何もする事がなくて部屋中をうろうろ歩き回って、何か遊ぶものないかなって探したけど、散らかしたら帰ってきたハルに怒られるし、面白そうなもんも見つからなかったので、ソファーにのべーと寝転がる。
二人で暮らし始めて、どれくらい経ったんだろう?
このテーブルの上にはハルの手料理が並んで、飯を頬張る俺をハルは嬉しそうに見てたっけ。
このソファーでは、くだらない話をしてよく笑い合った。時には、ここで体を繋げた事もあった。
ハルはあの窓の外の風景を、ぼーっと眺めるの好きだったな。
部屋にあるものひとつひとつに、ハルと俺の思い出が詰まっている。
ハルの好きな風景が見たくて起き上がる。
ハルがいつもしているようにぼーっと眺めていると、ハルが冬のなんとかっていう星座が綺麗だって言ってたの思い出し、ベランダに出て星空を見上げた。
「ハル、頑張れ」
テレビ画面に映るハルに届くはずのない声援を送り、ぎゅっと掌を握って見守る。
体中に力が入り、鼓動が早くなる。
何で俺が緊張してるんだよって、ちょっと吹き出してしまった。
ハルはひとつずつ言葉を選び、丁寧に受け答えしている。
ハルの耳に、キラキラと光るピアス。
俺がクリスマスにプレゼントしたものだ。
さっきの星空を思い出す。
あれを選んで良かったな。とてもハルに似合ってる。
小さな包み受け取ったハルは本当に嬉しそうな顔をして、小さなプレゼントを取り出すとすぐに耳に付けたっけ。
そうだ、あの鏡を見ながら付けたんだ。
鏡越しに見るハルの顔は凄く幸せそうで、俺も幸せになった。
ハルが戻ってくるまで、また思い出旅行をした。
「あー、緊張した」
生放送を終えたハルが帰ってきた。
「お疲れ様。堂々と喋れてたじゃん」
くしゃ、と少し冷たくなっている髪に触る。
「小学生レベルだけどな」
照れ臭そうに呟き、俺を見上げるハル。
「でもさー、ハルが女になりたいなんて知らなかったな。初耳ー」
番組内で、生まれ変わるなら男と女どっちがいいかと問われ、少し考えてから「女性ですかね……」と答えたハル。
俺を見上げていた顔が、赤く染まっていく。それは、寒さ故ではない事は明白。
「だって……女だったら……その……子供……産める……だろ?」
耳まで赤く染まったハルが足元に視線を落とし、ぽつりぽつりと呟く。
「なぁ、もしかしたらハルにも子供が出来るかもしれないから試してみようよ」
愛しいその体をぎゅっと抱きしめる。
「なに言ってんだ。出来る訳ないだろ」
俺の胸に顔を埋めたハルが苦しそうに呟く。
「奇跡が起こるかもしれないからさ」
ハルの顔を上に向けて唇を深く重ねる。
形で見える子供は出来ないだろう。
だけど、思い出という二人の愛しい子供はたくさん出来るから。
今度は二人で、思い出旅行をしよう。
何も羽織らずに出てきたので体の芯からしんしんと冷えてきたが、もう少し黒いキャンバスに散りばめられた宝石を見ていたかったので、掌をこすり合わせて寒さを誤魔化してみる。
眼下に広がる街並みは正月の余韻を残しつつ、いつもの時間に戻り始めている。
そろそろ時間かな?
部屋に戻ると後十分というところだったので、コーヒーで体を暖めながらテレビをつける。
「くそー、緊張する」
夕方、生放送のスポーツ番組に出演する為にテレビ局に向かうハルが、玄関先で不安そうに俺を見上げた。
失敗しないおまじない、と額にチュッとキスをして抱きしめてやる。
子供騙しなおまじないだな、と文句を言いつつも笑うその顔は、いつものハルの顔に戻っていた。
ハルが出て行って、ひとりぼっちになった部屋。
何もする事がなくて部屋中をうろうろ歩き回って、何か遊ぶものないかなって探したけど、散らかしたら帰ってきたハルに怒られるし、面白そうなもんも見つからなかったので、ソファーにのべーと寝転がる。
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このソファーでは、くだらない話をしてよく笑い合った。時には、ここで体を繋げた事もあった。
ハルはあの窓の外の風景を、ぼーっと眺めるの好きだったな。
部屋にあるものひとつひとつに、ハルと俺の思い出が詰まっている。
ハルの好きな風景が見たくて起き上がる。
ハルがいつもしているようにぼーっと眺めていると、ハルが冬のなんとかっていう星座が綺麗だって言ってたの思い出し、ベランダに出て星空を見上げた。
「ハル、頑張れ」
テレビ画面に映るハルに届くはずのない声援を送り、ぎゅっと掌を握って見守る。
体中に力が入り、鼓動が早くなる。
何で俺が緊張してるんだよって、ちょっと吹き出してしまった。
ハルはひとつずつ言葉を選び、丁寧に受け答えしている。
ハルの耳に、キラキラと光るピアス。
俺がクリスマスにプレゼントしたものだ。
さっきの星空を思い出す。
あれを選んで良かったな。とてもハルに似合ってる。
小さな包み受け取ったハルは本当に嬉しそうな顔をして、小さなプレゼントを取り出すとすぐに耳に付けたっけ。
そうだ、あの鏡を見ながら付けたんだ。
鏡越しに見るハルの顔は凄く幸せそうで、俺も幸せになった。
ハルが戻ってくるまで、また思い出旅行をした。
「あー、緊張した」
生放送を終えたハルが帰ってきた。
「お疲れ様。堂々と喋れてたじゃん」
くしゃ、と少し冷たくなっている髪に触る。
「小学生レベルだけどな」
照れ臭そうに呟き、俺を見上げるハル。
「でもさー、ハルが女になりたいなんて知らなかったな。初耳ー」
番組内で、生まれ変わるなら男と女どっちがいいかと問われ、少し考えてから「女性ですかね……」と答えたハル。
俺を見上げていた顔が、赤く染まっていく。それは、寒さ故ではない事は明白。
「だって……女だったら……その……子供……産める……だろ?」
耳まで赤く染まったハルが足元に視線を落とし、ぽつりぽつりと呟く。
「なぁ、もしかしたらハルにも子供が出来るかもしれないから試してみようよ」
愛しいその体をぎゅっと抱きしめる。
「なに言ってんだ。出来る訳ないだろ」
俺の胸に顔を埋めたハルが苦しそうに呟く。
「奇跡が起こるかもしれないからさ」
ハルの顔を上に向けて唇を深く重ねる。
形で見える子供は出来ないだろう。
だけど、思い出という二人の愛しい子供はたくさん出来るから。
今度は二人で、思い出旅行をしよう。
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