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俺はその後すぐに兄貴と家に帰り、自分の部屋に籠もって頭を抱えていた。
“あの動画を流出されたくなければ、今日中に全裸オナニーの自撮りを撮影してここにUPしろ”
届いたメッセージだ。
自ら犯人に弱みとなる動画を提供する事になる。
祐輔の部屋でメッセージを見たとき、その場で相談するか迷った。
しかし相談しても選択は3つだ。
1、指示通りオナニー動画をUPする。
2、無視して恥ずかしい動画を流出される。
3、警察に被害届を出し動画を流出される。
結局、1以外は流出される。
警察に届けを出したところで、“男のオナニー動画脅迫”など、まともに取り合ってくれるか疑問だ。
逆にその動画を警察で確認されたりすれば、それでまた恥ずかしい。
俺は着てる服を全部脱いだ。
自撮りを準備しようとスマホを見るとメッセージが届いている。犯人からだ。
“この動画が見本だ。これと同じように撮れ”
その動画は陰部に薄くモザイクがかかっているのでゲイのエロサイトから拾ったのだろう。
動画の中でオナっているのは、30歳位の中年男性だ。
(む、無理だ。出来ないっ)
そいつの卑猥な姿を見て俺はその場で泣き崩れた。
嗚咽しながらひとしきり泣いたが、時間もあまりなかった。
(やるしかないんだ)
踏ん切りをつけて、もう一度その動画を見直した。
「兄貴、俺脅されてる」
兄貴の部屋のドアを開けて開口一番、打ち明けた。
兄貴はキョトンとして
「何のことだ?」
と聞き返した。
動画を見直して気づいたのが、この動画は2人で撮られている。カメラマンがいるのだ。全体を撮ったりアップで撮ったり。
1人ではこの撮影は無理だ。
兄貴に相談するしかなかった。
昼間この動画問題で兄貴を祐輔の家に連れて行った時は少しウンザリしている態度だったが、俺が脅されている内容を説明すると、さすがに深刻な表情になり、
「それでお前は動画をUPするので良いんだな?またそれで脅されるかもしれないぞ」
と、聞いてきた。
そんなことは何百回も考えた。
今まで堪えていた涙がボロボロと流れ出した。
「良いも悪いも、それしかないじゃないか。元はと言えば兄貴が俺のオナニーを撮影したのが悪いんだ」
と、食ってかかった。
兄貴は一言「ゴメン」と、初めて俺に謝った。
“あの動画を流出されたくなければ、今日中に全裸オナニーの自撮りを撮影してここにUPしろ”
届いたメッセージだ。
自ら犯人に弱みとなる動画を提供する事になる。
祐輔の部屋でメッセージを見たとき、その場で相談するか迷った。
しかし相談しても選択は3つだ。
1、指示通りオナニー動画をUPする。
2、無視して恥ずかしい動画を流出される。
3、警察に被害届を出し動画を流出される。
結局、1以外は流出される。
警察に届けを出したところで、“男のオナニー動画脅迫”など、まともに取り合ってくれるか疑問だ。
逆にその動画を警察で確認されたりすれば、それでまた恥ずかしい。
俺は着てる服を全部脱いだ。
自撮りを準備しようとスマホを見るとメッセージが届いている。犯人からだ。
“この動画が見本だ。これと同じように撮れ”
その動画は陰部に薄くモザイクがかかっているのでゲイのエロサイトから拾ったのだろう。
動画の中でオナっているのは、30歳位の中年男性だ。
(む、無理だ。出来ないっ)
そいつの卑猥な姿を見て俺はその場で泣き崩れた。
嗚咽しながらひとしきり泣いたが、時間もあまりなかった。
(やるしかないんだ)
踏ん切りをつけて、もう一度その動画を見直した。
「兄貴、俺脅されてる」
兄貴の部屋のドアを開けて開口一番、打ち明けた。
兄貴はキョトンとして
「何のことだ?」
と聞き返した。
動画を見直して気づいたのが、この動画は2人で撮られている。カメラマンがいるのだ。全体を撮ったりアップで撮ったり。
1人ではこの撮影は無理だ。
兄貴に相談するしかなかった。
昼間この動画問題で兄貴を祐輔の家に連れて行った時は少しウンザリしている態度だったが、俺が脅されている内容を説明すると、さすがに深刻な表情になり、
「それでお前は動画をUPするので良いんだな?またそれで脅されるかもしれないぞ」
と、聞いてきた。
そんなことは何百回も考えた。
今まで堪えていた涙がボロボロと流れ出した。
「良いも悪いも、それしかないじゃないか。元はと言えば兄貴が俺のオナニーを撮影したのが悪いんだ」
と、食ってかかった。
兄貴は一言「ゴメン」と、初めて俺に謝った。
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