Brothers

ザボン

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翌日は祝日だった。
俺は自分の部屋に閉じこもっていた。
昨日のUPは兄貴のほうがダメージでかいが、“実の兄を犯す弟”と言う俺にとっても恥ずかしい、というか、あってはならない行為の証拠を犯人に提供してしまった。
(俺たち兄弟、破滅かもしれない)
そんな思いがよぎっていた。

すると母さんが部屋のドアを開けて

「大ちゃん達が来たわよ」

と教えてくれた。
今は誰とも会いたくない。
(兄貴も部屋にいるのに)
とブツブツ言いながら玄関のドアを開けた。
そこには大ちゃんと、後ろに隠れるように祐輔が立っていた。

「何か用?」

ぶっきらぼうに聞くと、大ちゃんは「ちょっと来て」と俺の手を引いて、勝手にズカズカと家に上がり込み、兄貴の部屋のドアを開けた。
机に向かいボッとしていた兄貴が振り向き

「大輔、祐輔もどうした?」

と聞くと、大ちゃんは

「2人に話がある」

といった。

「今、ちょっとそんな気分じゃないんだ。またにしてくれないか?」

と、兄貴が言った。俺も同感だ。
そんな申し入れは無視して

「おい、祐輔」

と、大ちゃんは祐輔に何かを急かした。
祐輔は青い顔をして目が真っ赤だ。
そしてうつむき、オドオドしながら言った。

「裕太のオナニー動画で脅したのは僕です。悪かった、、です」

と言って、自分のスマホで俺と兄貴の雄同士の交尾動画を再生した。

「え、え、なんで祐輔がこの動画を、、、」

俺は祐輔と大ちゃんにまでこの動画を見られたということがショックで、祐輔の言っている意味がよくわからなかった。

「てめぇ祐輔、何やらせてんだ」

兄貴が祐輔の胸ぐらをつかんで殴りかかった。
大ちゃんが慌ててそれを止めていた。
その様子で
(もしかして犯人は祐輔ってことか?)
やっと理解が追いつくと、フツフツと怒りが込み上げてきた。俺も

「祐輔、お前が犯人か!」

と殴りかかっていた。
すると部屋のドアがバタンと開き

「喧嘩なら外でやりなさい」

と、母ちゃんが怒鳴った。
母ちゃんの登場で、俺も兄貴も少し冷静さを取り戻した。
祐輔は泣きながら

「裕太、お、お前だって、修学旅行で、俺を脱がせて画像拡散しただろっ」

と、言い訳をした。

「そんな昔のイタズラ、なんだって言うんだっ」

「祐輔はイタズラだと思ってなくて、修学旅行のあと少し学校へ行かれなかったんだ。理由は今回初めて知ったが」

と、大ちゃんが言った。
確かに祐輔は修学旅行のあと体調を壊して、しばらく休んでいた。

「修学旅行で食べ慣れないごちそう食ったから、腹壊したか?」

と皆で笑った記憶がある。

「裕太への恨みなら、なんで俺を巻き込んだ」

兄貴もまだ怒りが収まらず、怒鳴るように言った。

「それは、その、裕太のハズい姿を隠し撮りしたから、、、」

矛盾している。

「俺は裕太に、実の弟に種付けされたんだぞ」

兄貴は興奮が収まらず、涙を浮かべプルプルと腕を震わせまた殴りかかりそうだ。
大ちゃんが慌てて2人の間に入った。祐輔は、

「見本で送った動画は最初しか見てなかったんだ。兄弟ものでフェラくらいだと思ってた。UPされた動画を見て、僕、僕、とんでもない事をさせちゃったんじゃないかと思って」

そこまで言うと、祐輔はひれ伏せて

「ご、ごめんなさい」

と、泣きながら謝った。
自分が俺たちに“兄弟の生交尾”をさせたことが怖くなり、大ちゃんに打ち明けたようだ。
大ちゃんは

「弟がこんなことをして申し訳なかった。大学も裕太が第一志望に受かって自分が落ちたことで嫉妬もあったようだ」

俺は冷静さを取り戻していた。
犯人がわかり拡散される心配が無くなり、今の状況に少しホッとしていた。

(···ん? いや、まだわからない)

俺は泣いている祐輔の肩を掴み、揺すりながら

「おまえ、この動画誰にも送ってないよな」

と、聞いた。
祐輔は鼻水をすすりながら言った。

「修学旅行で俺と同じように脱がされて拡散された米村にURLとパスワード教えた」

俺は家を飛び出し米村の家へ向かった。
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