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おうと

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王都アラテスマまではどうやら馬で向かうらしい。

(そうか、この世界には飛行機も車もないんだよね・・・)



「さぁ、どうぞ」

なんと!ディーンとハルスが馬の側でひざまづいているではないか!

(胸熱!!!萌え死ぬ!!)
(モノホンの王子様!!)


2人とも萌えが止まらない。



「あっ、あの!」
ノーカが手を挙げる。

「なんだ?」

「私たち、馬に乗ったことないんですけど・・・」


「「はっ!?」」
「ではどうやって移動するのだ!?」


当然こうなるわけである。


「あ、えっと、乗り物が・・・あ、いやぁ・・・」
(待って、どこまで話す?)

ノーカが迷っていると、アーティが


「私たちは閉鎖的な村で過ごしました。村の中では徒歩ですべてが済むので・・・」


すると

「「はっはっはっ!!!無理をしなくても良い!」」

何故か王子様2人が大爆笑。

「え、えっとぉ・・・」
「どうしたんですか・・・?」


「君たちはこことは違う世界から来たケルディオンの申し子だろう?ならば移動手段も違うわけだ。」
とハルスが言う。


「あの!ケルディオンの申し子って一体なんなんですか?」

(異世界人ってバレても平気なの?)
(てかバレてた・・・?)



ディーンが答える。
「ケルディオンの申し子はな、アラテスマの神が生みたもうた特別な存在だ。世界に数人しかおらず、無知で純朴な若者がこの世界で学び、ケルディオンの申し子として様々に活躍するのだ。」

ハルスが続ける。
「多くは君たちのように異世界人でね、突然この大陸ケルディオンに舞い落ちるんだ。戦神や癒し手、魔術師など様々いるらしく、君たちには共通点も多い。ただ・・・」


「ただ?」


「2人同時に、という例は聞いたことがない。」


「「えっ・・・」」


「つまり、ケルディオンの申し子かどうかはまだ分からないんだ。」


「そんな・・・」

(私たちは一体なにに巻き込まれているの・・?
というか、帰りたいんだけど・・・)



「ともかく王都を目指そう。」

「「はい。」」



不安でいっぱいの中、ノーカはディーンの馬へ、アーティはハルスの馬へ乗せてもらい、王都アラテスマへ向かった。


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