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第1章:オワリノハジマリ — チュートリアル開始
第14話「午後の一斉探索と微かな希望」
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3日目の昼過ぎ。俺たちは手分けして行動することになった。主目的は2階フロアの最終チェックと、ビル周辺(地上1階出口付近)の警戒だ。
メンバーを分割し、一方は“ビル内探索チーム”、他方は“地上警戒チーム”と呼ぶことにした。昨夜のように犬型やゴブリンが集団で押し寄せたら困るので、地上側にも多少の戦力を配置する。
俺はビル内探索チームを担当する。ヒロキは回復士として同行、さらに柿沼・リナ・新入りの北村も加わった。
リナはまだ戦闘に大きく貢献できるわけではないが、最初の頃よりはレベル2になり、支援士スキルを取得しているらしい。ヒーラーとは違うが、味方のステータスを微増させる“士気鼓舞”のような能力を得ているとか。
「俺は盗賊ジョブで、そこそこ動けるようになってきた。よろしくな」
北村が挨拶がてらパイプを掲げる。顔はやつれているが、意外と機敏そうだ。彼が加わるなら、探索チームの総数は5名。これなら万が一4匹くらいの犬型モンスターに遭遇しても対処できそうだ。
「じゃあ行こうか。夕方までには終わらせたい」
俺たちは2階への階段を上がり、午前中に手を出せなかった奥の方をチェックする。午前中に見つけた穴や壊れた廊下は、ほぼ場所を覚えているので、迂回ルートで進めば比較的安全なはず。
「……もっとも、新しいモンスターが涌いてる可能性はあるよな」
ヒロキが苦い顔で言う。まったく、その可能性はあるから油断ならない。
最初に向かったのは社員休憩室のような場所だ。ドアが半開きになっており、明らかに人の気配は感じない。慎重に覗くと、空っぽの椅子やテーブル、食器類が乱雑に積まれているだけ。モンスターの痕跡はなく、血痕も見えない。
「よかった、ここは無事そうだ。休憩室として再利用できるかもな」
実際、テーブルや椅子があれば、地下で地べたに座るよりはずっと快適だ。ただし、この部屋に物理的な鍵や防壁はないので、夜間にここで寝泊まりするのは早計だろう。
「でも昼間に何人か上がってきて、簡易的に使うのはアリだね。光を確保できれば……」
リナが小声で頷く。彼女はこうした居住空間の管理を手伝いたいと言っており、いずれ“支援士”のスキルを活かせる場面もあるかもしれない。
一方、隣の部屋は印刷所の跡か何かで、大型プリンターやコピー機が無造作に置かれていた。紙やインクは散乱しており、燃えかすが床に残っている。誰かが火を使ったのか、あるいはショートしたのか。
「こんな機械、電気が通ってれば使えるのかね……まあ、今の状況じゃ意味ないか」
ヒロキが苦笑いする。さすがにプリンターが動いても印刷するものがないし、電源も死んでいる。
その奥にある物置部屋をチェックしていると、ふと北村が「ねえ、これ……」と声を上げた。見ると、棚の裏に誰かのスマホが落ちている。しかも画面にひび割れはあるが、電源ボタンを押すと微弱に光る。
「バッテリー残ってるのか? 奇跡だな」
「……でも、圏外って表示だね。使えないか」
リナが残念そうに言うが、念のためカメラやメモ帳機能だけでも使えるかもしれない。外部通信は期待できないが、拠点内部の記録用にはなるかも。
「それにしても、持ち主はどうなったんだろう……」
自然と重い空気が漂う。きっとここでモンスターに襲われ、逃げる最中にスマホを落としたのかもしれない。誰もが無事を祈りたくなるが、現実は厳しい。
探索を続けていると、奥の小部屋に閉ざされたドアがある。ドアノブには頑丈な鎖が巻かれ、簡単には開けられそうにない。まるで内側から鍵をかけたような状態だ。
「嫌な感じがするな……もしかして、中にモンスターが閉じ込められてるとか?」
ヒロキが警戒する。俺も同意だ。下手に破壊して開けたら危険物が飛び出すかもしれない。
「どうする? 放置して先に進む?」
北村が尋ねる。確かに危険を冒す必要があるか悩む。
ただ、一通りフロアを安全化すると決めた以上、この部屋を無視して後から不意打ちされるのは最悪だ。中が安全かどうかを確認しておきたい。
「ちょっと叩いてみる……」
俺はドアを軽くノックし、「もし生存者がいるなら返事をしてくれ」と小声で呼びかける。しかし何の応答もない。
念のため何度か試すが変化はない。もしかしたら既に死体と化した人が中にいるか、あるいは本当にモンスターが封じられているのか。
「チェーンを外すには工具が要るな……持ってきてない」
ヒロキが肩をすくめる。小野田が工場勤務だったから、彼なら何とかしてくれるかもしれないが、いま彼は“地上警戒チーム”に回っている。
「じゃあ一旦保留でいいか。ここを開けるのは後回しにしよう。もし中にモンスターがいるなら、こっちが休憩室に使い始めたときに邪魔されるかもしれないけど……無理して今破壊して、怪我人が出るのはリスク高い」
リナや北村もうなずく。結局、ここは封印状態で放置することにした。明日以降、工具や人数を揃えて安全にチェックするしかない。
こうして、2階奥の部屋はほぼ回り終えた。甲殻ワームや犬型の追加出現はなく、やや拍子抜けするほど静かだったのが逆に不気味だ。既に午前中に俺たちが排除して回ったからかもしれないが、モンスターは意外と再出現が少ないのか? それとも今日たまたま運が良いだけか。
「一通り制圧できた、かな。まだ鎖ドアは残ってるが、当面は放置で大丈夫だろう」
ヒロキが一息つく。探索時間は1時間ほど。周囲が暗くなり始めるのは夕方5時か6時くらいからだから、まだ多少余裕はある。
「もう少しだけ見回ったら、地下に戻ろうか……。今日はこれ以上の大きな進展は期待できないし、夜に無理するよりはマシだよ」
リナがそう提案し、みんな同意する。確かに無理に3階まで上がって次々に戦闘が起きたら消耗が激しい。ここで撤退するのが安全策だ。
「了解。じゃあ周囲を最終確認したら、地下へ。明日また3階や4階に挑戦だな」
俺がそうまとめると、北村が少し残念そうな顔をする。「せっかく盗賊ジョブを取ったから、もうちょっと狩りをして経験値稼ぎたいけど……安全第一か」
実際、この数日でゲームシステムに慣れつつある俺たちにとって、モンスター狩りは“成長の手段”という意味合いも大きくなってきた。でも、欲をかくと痛い目を見るのがこの世界だ。
薄暗い廊下を振り返る。何だかんだ言って、2階はそこそこ広い。店やオフィス跡が多いから、物資がまだ眠っているかもしれないが、大きな収穫はないだろう。十分な武器や食料が欲しいなら、もっと上層階や他のビル、あるいはコンビニやスーパーを回らねばならない。ただ、そのぶんリスクが跳ね上がる。
「じゃ、切り上げよう。みんな、お疲れ」
俺たちは警戒しつつ地下へ戻るルートをたどる。階段を降りる途中、外の様子を窓から見ると、街が相変わらず閑散としていた。モンスターの影は少なく感じるが、それが逆に不安だ。
幸いにして、帰還中に大きなトラブルは起きない。少なくともビル内ではもう戦闘に遭わずに済んだ。
地下へ着く頃には、3日目の午後3時過ぎ。これで今日の探索は終わり、早めに夕食を済ませ、夜に備えて体を休める計画だ。神はまだ何も言ってこないが、いつどんな形で“お楽しみのイベント”を仕掛けてくるか分からない。2日目の夜に大雨や落雷があったように、予期せぬ災難が起こるかもしれない。
「もう3日も経ったのに、まるで落ち着く気配がないな……」
ヒロキが重々しく呟く。俺もまったく同感だ。生き延びる術を探りながら、ただただ時間を浪費しているようで焦燥感が募る。しかし中ボスに立ち向かうには、まだ俺たちは弱すぎる。数人がかりで犬型や甲殻ワームを倒せる程度なのだから。
「4日目・5日目・6日目……そして7日目がチュートリアルの最終日。あと4日でどこまで強くなれるか、どこまで拠点を整えられるか……勝負だな」
そう自分に言い聞かせ、俺はシステム画面で自分のレベルやスキルを確認する。レベル4、戦士スキルは“斬撃”を強化中。スキルポイントがもう少し溜まれば、上位の“連撃”を習得できるらしい。
孤独感と不安を拭いきれないまま、俺たちはビル地下へ帰還する。新入りの北村や小野田、それに仲間全員と協力して、どうにか今日の成果を共有し合う。そして“明日こそ3階・4階を制圧しよう”という意志を再確認し、3日目の夕方を迎えるのだった。
メンバーを分割し、一方は“ビル内探索チーム”、他方は“地上警戒チーム”と呼ぶことにした。昨夜のように犬型やゴブリンが集団で押し寄せたら困るので、地上側にも多少の戦力を配置する。
俺はビル内探索チームを担当する。ヒロキは回復士として同行、さらに柿沼・リナ・新入りの北村も加わった。
リナはまだ戦闘に大きく貢献できるわけではないが、最初の頃よりはレベル2になり、支援士スキルを取得しているらしい。ヒーラーとは違うが、味方のステータスを微増させる“士気鼓舞”のような能力を得ているとか。
「俺は盗賊ジョブで、そこそこ動けるようになってきた。よろしくな」
北村が挨拶がてらパイプを掲げる。顔はやつれているが、意外と機敏そうだ。彼が加わるなら、探索チームの総数は5名。これなら万が一4匹くらいの犬型モンスターに遭遇しても対処できそうだ。
「じゃあ行こうか。夕方までには終わらせたい」
俺たちは2階への階段を上がり、午前中に手を出せなかった奥の方をチェックする。午前中に見つけた穴や壊れた廊下は、ほぼ場所を覚えているので、迂回ルートで進めば比較的安全なはず。
「……もっとも、新しいモンスターが涌いてる可能性はあるよな」
ヒロキが苦い顔で言う。まったく、その可能性はあるから油断ならない。
最初に向かったのは社員休憩室のような場所だ。ドアが半開きになっており、明らかに人の気配は感じない。慎重に覗くと、空っぽの椅子やテーブル、食器類が乱雑に積まれているだけ。モンスターの痕跡はなく、血痕も見えない。
「よかった、ここは無事そうだ。休憩室として再利用できるかもな」
実際、テーブルや椅子があれば、地下で地べたに座るよりはずっと快適だ。ただし、この部屋に物理的な鍵や防壁はないので、夜間にここで寝泊まりするのは早計だろう。
「でも昼間に何人か上がってきて、簡易的に使うのはアリだね。光を確保できれば……」
リナが小声で頷く。彼女はこうした居住空間の管理を手伝いたいと言っており、いずれ“支援士”のスキルを活かせる場面もあるかもしれない。
一方、隣の部屋は印刷所の跡か何かで、大型プリンターやコピー機が無造作に置かれていた。紙やインクは散乱しており、燃えかすが床に残っている。誰かが火を使ったのか、あるいはショートしたのか。
「こんな機械、電気が通ってれば使えるのかね……まあ、今の状況じゃ意味ないか」
ヒロキが苦笑いする。さすがにプリンターが動いても印刷するものがないし、電源も死んでいる。
その奥にある物置部屋をチェックしていると、ふと北村が「ねえ、これ……」と声を上げた。見ると、棚の裏に誰かのスマホが落ちている。しかも画面にひび割れはあるが、電源ボタンを押すと微弱に光る。
「バッテリー残ってるのか? 奇跡だな」
「……でも、圏外って表示だね。使えないか」
リナが残念そうに言うが、念のためカメラやメモ帳機能だけでも使えるかもしれない。外部通信は期待できないが、拠点内部の記録用にはなるかも。
「それにしても、持ち主はどうなったんだろう……」
自然と重い空気が漂う。きっとここでモンスターに襲われ、逃げる最中にスマホを落としたのかもしれない。誰もが無事を祈りたくなるが、現実は厳しい。
探索を続けていると、奥の小部屋に閉ざされたドアがある。ドアノブには頑丈な鎖が巻かれ、簡単には開けられそうにない。まるで内側から鍵をかけたような状態だ。
「嫌な感じがするな……もしかして、中にモンスターが閉じ込められてるとか?」
ヒロキが警戒する。俺も同意だ。下手に破壊して開けたら危険物が飛び出すかもしれない。
「どうする? 放置して先に進む?」
北村が尋ねる。確かに危険を冒す必要があるか悩む。
ただ、一通りフロアを安全化すると決めた以上、この部屋を無視して後から不意打ちされるのは最悪だ。中が安全かどうかを確認しておきたい。
「ちょっと叩いてみる……」
俺はドアを軽くノックし、「もし生存者がいるなら返事をしてくれ」と小声で呼びかける。しかし何の応答もない。
念のため何度か試すが変化はない。もしかしたら既に死体と化した人が中にいるか、あるいは本当にモンスターが封じられているのか。
「チェーンを外すには工具が要るな……持ってきてない」
ヒロキが肩をすくめる。小野田が工場勤務だったから、彼なら何とかしてくれるかもしれないが、いま彼は“地上警戒チーム”に回っている。
「じゃあ一旦保留でいいか。ここを開けるのは後回しにしよう。もし中にモンスターがいるなら、こっちが休憩室に使い始めたときに邪魔されるかもしれないけど……無理して今破壊して、怪我人が出るのはリスク高い」
リナや北村もうなずく。結局、ここは封印状態で放置することにした。明日以降、工具や人数を揃えて安全にチェックするしかない。
こうして、2階奥の部屋はほぼ回り終えた。甲殻ワームや犬型の追加出現はなく、やや拍子抜けするほど静かだったのが逆に不気味だ。既に午前中に俺たちが排除して回ったからかもしれないが、モンスターは意外と再出現が少ないのか? それとも今日たまたま運が良いだけか。
「一通り制圧できた、かな。まだ鎖ドアは残ってるが、当面は放置で大丈夫だろう」
ヒロキが一息つく。探索時間は1時間ほど。周囲が暗くなり始めるのは夕方5時か6時くらいからだから、まだ多少余裕はある。
「もう少しだけ見回ったら、地下に戻ろうか……。今日はこれ以上の大きな進展は期待できないし、夜に無理するよりはマシだよ」
リナがそう提案し、みんな同意する。確かに無理に3階まで上がって次々に戦闘が起きたら消耗が激しい。ここで撤退するのが安全策だ。
「了解。じゃあ周囲を最終確認したら、地下へ。明日また3階や4階に挑戦だな」
俺がそうまとめると、北村が少し残念そうな顔をする。「せっかく盗賊ジョブを取ったから、もうちょっと狩りをして経験値稼ぎたいけど……安全第一か」
実際、この数日でゲームシステムに慣れつつある俺たちにとって、モンスター狩りは“成長の手段”という意味合いも大きくなってきた。でも、欲をかくと痛い目を見るのがこの世界だ。
薄暗い廊下を振り返る。何だかんだ言って、2階はそこそこ広い。店やオフィス跡が多いから、物資がまだ眠っているかもしれないが、大きな収穫はないだろう。十分な武器や食料が欲しいなら、もっと上層階や他のビル、あるいはコンビニやスーパーを回らねばならない。ただ、そのぶんリスクが跳ね上がる。
「じゃ、切り上げよう。みんな、お疲れ」
俺たちは警戒しつつ地下へ戻るルートをたどる。階段を降りる途中、外の様子を窓から見ると、街が相変わらず閑散としていた。モンスターの影は少なく感じるが、それが逆に不安だ。
幸いにして、帰還中に大きなトラブルは起きない。少なくともビル内ではもう戦闘に遭わずに済んだ。
地下へ着く頃には、3日目の午後3時過ぎ。これで今日の探索は終わり、早めに夕食を済ませ、夜に備えて体を休める計画だ。神はまだ何も言ってこないが、いつどんな形で“お楽しみのイベント”を仕掛けてくるか分からない。2日目の夜に大雨や落雷があったように、予期せぬ災難が起こるかもしれない。
「もう3日も経ったのに、まるで落ち着く気配がないな……」
ヒロキが重々しく呟く。俺もまったく同感だ。生き延びる術を探りながら、ただただ時間を浪費しているようで焦燥感が募る。しかし中ボスに立ち向かうには、まだ俺たちは弱すぎる。数人がかりで犬型や甲殻ワームを倒せる程度なのだから。
「4日目・5日目・6日目……そして7日目がチュートリアルの最終日。あと4日でどこまで強くなれるか、どこまで拠点を整えられるか……勝負だな」
そう自分に言い聞かせ、俺はシステム画面で自分のレベルやスキルを確認する。レベル4、戦士スキルは“斬撃”を強化中。スキルポイントがもう少し溜まれば、上位の“連撃”を習得できるらしい。
孤独感と不安を拭いきれないまま、俺たちはビル地下へ帰還する。新入りの北村や小野田、それに仲間全員と協力して、どうにか今日の成果を共有し合う。そして“明日こそ3階・4階を制圧しよう”という意志を再確認し、3日目の夕方を迎えるのだった。
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