16 / 27
16話 この孤児院が狙われた理由
しおりを挟む
「お昼も食べ終わったことですし、さっきの話の続きをしてもらってもいいですか?」
そう、お昼を食べる前に話してもらおうとした時の話の続きだ。
リーナさんとラーファさんは、2人とも頷き話を始めた。
「はい、分かりました。ここまでしてもらって話さないのは悪いのでお話します。」
「お願いします。」
「ここの孤児院は、最初にあった時も言いましたが見ての通りボロボロで経営も厳しいことは言いましたよね。」
「はい、それは聞きました。」
それは、ここの孤児院に入った時から何となく分かっていた。
「それでは、本当に本題をお話しますね。」
そうして、リーナさんが代表して話をしてくれた。
その内容は、こういうものだった。
たまたま、フォーリナスの街に来ていた貴族の人が、リーナさんの事を見て一目惚れをしたのが発端だった。
そうして、その貴族の使いがこの孤児院に来て、「妻になれば、この厳しい生活はなくなって楽になるぞ」と言われたらしい。
だが、リーナさんは、それを断ったそうだ。
そうすると、貴族の使いは権力を使い無理やり連れていこうとしたところを見ていた人が憲兵を呼びそれで終わったのだが。
だけど、次に来た時は本人が来たらしく、「はやくこい。」と言ってきたそうだがリーナさんは、それも断った。
リーナさん曰く、孤児院の子供達は元々身寄りがなく子供達を見捨てられなかったらしい。
そうしたら、次の日から徐々に寄付金が減っていたようだ、多分その貴族が圧力をかけて寄付金を減らしたのだろう。
「ひ、ひどい。」
「うん、これは本当にひどいね。」
シャニはそう言った、それに僕も頷いた。
僕は、リーナさん達を少ししか見てないがこれだけは分かる。リーナさんは自分の事より孤児院の子供達を大切に思っているのだろう。
リーナさんは、寄付してもらおうとあちこち行ったのだが、誰も相手にはしてくれなかったようだ。
それで、疲れで体調もだんだん悪くなり今の状況になったらしい。
そして、1回だけ寄付金が来たのだがそれは、その貴族のお金と知らず使ったのだがその貴族は、盗まれたと騒ぎ出した。
それで、お金を返せないなら嫁に来いと言ってきた。それで許してやると言ったらしい。
本当にずるい、ずるすきる!
「それで、お金をどのくらい返せと言ってきたのですか?」
「あの、使ったのは金貨1枚にも満たなかったのですが、お前らは盗んできたのだから少なくとも金貨100枚分は返せと言ってきたのです。」
「100枚ですか、それは確かに返せないですね。それで、期限はいつまでなんですか?」
「それが、あと3日後なのです。」
あと3日後か期限が短いな。
貴族たちもここの孤児院が金貨100枚を返せないのが分かって言ってるのだろう。
僕の手持ちは金貨30枚はあるけど100枚なんて持っていなかった。
どうしようかと僕が考えていると、シャニは言ってきた。
「ショウさん、わたしの力なら助けられませんか?」
「助けるって貴族相手に実力行使するつもり?」
そんな事をしたら僕達は、全員捕まるだろう。いや、シャニが考えもなしにそんな真似をするはずがないということは、別のことで助けるつもりだろう。
なるほど、そういうことか。
「なるほど、ランクの高い魔物を狩ってその素材を売りお金を稼ぐということか。」
「はい、わたしなら多少の魔物ならば難なく倒せると思います。」
確かに、シャニの力があれば多少強い魔物でも楽に倒せるだろう。そして、その素材を売れば金貨を100枚集めることも容易いだろう。
だけど、それだけで大丈夫なのだろうか。
今回は多分なんとかなるだろうが。
それだけ、執拗にリーナさんの事を狙っているということは、また何か必ず後でちょっかいを出してくるだろう。
あ、いいこと思いついた。
だが、あえてここてば言わないでおこう。
「うん、それじゃあシャニ、僕も頑張るけど基本的にお願いね。」
「はい、わたしに任せてください。」
僕とシャニの発言に、リーナさんやラーファさんは、かなり驚いているどころじゃないほど、ビックリしていた。
「いや、これは私達の問題ですよ。」
「そうです。元はと言えば私がその貴族様を断ってしまったせいでこうなってしまったのですよ。だから、今から私がその話をお受けになればこの孤児院は助かります。だから·····」
「それだけは、ダメよリーナ。」
リーナさんやラーファさんは、自分達の問題だからと断り、そしてリーナさんは、その貴族の話を受けると言ってきたがラーファさんが止めた。
僕としても、それだけは絶対に避けたい。
「ここまで話をしてもらって今更見て見ぬふりを出来ませんよ。」
「はい、ショウさんの言う通りです。」
「ですが、私のせいでこうなったのですよ。」
あくまでリーナさんは、自分のせいだと言ったので、それは違うと思う。これは、確実に貴族の言い掛かりによって出来た出来事なのだ。
「それは、違いますよ。リーナさん。」
シャニがそう言った。どうやら、シャニも僕と同じ考えのようだ。
「シャニの言う通りです。悪いのは確実に貴族です。だからこの件は僕達に任せてください。」
「たびたび、本当にありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
リーナさんとラーファさんは、感謝をしてもしきれないって言う感じで、感謝をしていた。
そして、僕はカイルとイルナの方をみたがカイルとイルナは、何が何だか分からない様子でポカーンとしていたので簡単に説明をしたら「「助けたい。」」と2人とも言ったのでどうやら、僕とシャニ と同じ気持ちみたいだ。
「うん、それじゃあ行こうか。」
「はい、ショウさん。」
「「うん」」
そうして、僕達は孤児院の外に出た。
リーナさんは最後に、僕達のことを祈ってくれた。
「皆様に神のご加護があらんことを。」
そう、お昼を食べる前に話してもらおうとした時の話の続きだ。
リーナさんとラーファさんは、2人とも頷き話を始めた。
「はい、分かりました。ここまでしてもらって話さないのは悪いのでお話します。」
「お願いします。」
「ここの孤児院は、最初にあった時も言いましたが見ての通りボロボロで経営も厳しいことは言いましたよね。」
「はい、それは聞きました。」
それは、ここの孤児院に入った時から何となく分かっていた。
「それでは、本当に本題をお話しますね。」
そうして、リーナさんが代表して話をしてくれた。
その内容は、こういうものだった。
たまたま、フォーリナスの街に来ていた貴族の人が、リーナさんの事を見て一目惚れをしたのが発端だった。
そうして、その貴族の使いがこの孤児院に来て、「妻になれば、この厳しい生活はなくなって楽になるぞ」と言われたらしい。
だが、リーナさんは、それを断ったそうだ。
そうすると、貴族の使いは権力を使い無理やり連れていこうとしたところを見ていた人が憲兵を呼びそれで終わったのだが。
だけど、次に来た時は本人が来たらしく、「はやくこい。」と言ってきたそうだがリーナさんは、それも断った。
リーナさん曰く、孤児院の子供達は元々身寄りがなく子供達を見捨てられなかったらしい。
そうしたら、次の日から徐々に寄付金が減っていたようだ、多分その貴族が圧力をかけて寄付金を減らしたのだろう。
「ひ、ひどい。」
「うん、これは本当にひどいね。」
シャニはそう言った、それに僕も頷いた。
僕は、リーナさん達を少ししか見てないがこれだけは分かる。リーナさんは自分の事より孤児院の子供達を大切に思っているのだろう。
リーナさんは、寄付してもらおうとあちこち行ったのだが、誰も相手にはしてくれなかったようだ。
それで、疲れで体調もだんだん悪くなり今の状況になったらしい。
そして、1回だけ寄付金が来たのだがそれは、その貴族のお金と知らず使ったのだがその貴族は、盗まれたと騒ぎ出した。
それで、お金を返せないなら嫁に来いと言ってきた。それで許してやると言ったらしい。
本当にずるい、ずるすきる!
「それで、お金をどのくらい返せと言ってきたのですか?」
「あの、使ったのは金貨1枚にも満たなかったのですが、お前らは盗んできたのだから少なくとも金貨100枚分は返せと言ってきたのです。」
「100枚ですか、それは確かに返せないですね。それで、期限はいつまでなんですか?」
「それが、あと3日後なのです。」
あと3日後か期限が短いな。
貴族たちもここの孤児院が金貨100枚を返せないのが分かって言ってるのだろう。
僕の手持ちは金貨30枚はあるけど100枚なんて持っていなかった。
どうしようかと僕が考えていると、シャニは言ってきた。
「ショウさん、わたしの力なら助けられませんか?」
「助けるって貴族相手に実力行使するつもり?」
そんな事をしたら僕達は、全員捕まるだろう。いや、シャニが考えもなしにそんな真似をするはずがないということは、別のことで助けるつもりだろう。
なるほど、そういうことか。
「なるほど、ランクの高い魔物を狩ってその素材を売りお金を稼ぐということか。」
「はい、わたしなら多少の魔物ならば難なく倒せると思います。」
確かに、シャニの力があれば多少強い魔物でも楽に倒せるだろう。そして、その素材を売れば金貨を100枚集めることも容易いだろう。
だけど、それだけで大丈夫なのだろうか。
今回は多分なんとかなるだろうが。
それだけ、執拗にリーナさんの事を狙っているということは、また何か必ず後でちょっかいを出してくるだろう。
あ、いいこと思いついた。
だが、あえてここてば言わないでおこう。
「うん、それじゃあシャニ、僕も頑張るけど基本的にお願いね。」
「はい、わたしに任せてください。」
僕とシャニの発言に、リーナさんやラーファさんは、かなり驚いているどころじゃないほど、ビックリしていた。
「いや、これは私達の問題ですよ。」
「そうです。元はと言えば私がその貴族様を断ってしまったせいでこうなってしまったのですよ。だから、今から私がその話をお受けになればこの孤児院は助かります。だから·····」
「それだけは、ダメよリーナ。」
リーナさんやラーファさんは、自分達の問題だからと断り、そしてリーナさんは、その貴族の話を受けると言ってきたがラーファさんが止めた。
僕としても、それだけは絶対に避けたい。
「ここまで話をしてもらって今更見て見ぬふりを出来ませんよ。」
「はい、ショウさんの言う通りです。」
「ですが、私のせいでこうなったのですよ。」
あくまでリーナさんは、自分のせいだと言ったので、それは違うと思う。これは、確実に貴族の言い掛かりによって出来た出来事なのだ。
「それは、違いますよ。リーナさん。」
シャニがそう言った。どうやら、シャニも僕と同じ考えのようだ。
「シャニの言う通りです。悪いのは確実に貴族です。だからこの件は僕達に任せてください。」
「たびたび、本当にありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
リーナさんとラーファさんは、感謝をしてもしきれないって言う感じで、感謝をしていた。
そして、僕はカイルとイルナの方をみたがカイルとイルナは、何が何だか分からない様子でポカーンとしていたので簡単に説明をしたら「「助けたい。」」と2人とも言ったのでどうやら、僕とシャニ と同じ気持ちみたいだ。
「うん、それじゃあ行こうか。」
「はい、ショウさん。」
「「うん」」
そうして、僕達は孤児院の外に出た。
リーナさんは最後に、僕達のことを祈ってくれた。
「皆様に神のご加護があらんことを。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる