優しさ・気遣いポイントを使った男の異世界ゆっくり生活

閑話 シャニの幸せな日々

わたしは、いつも不幸だった。

獣人だった、わたしはよく人に嫌われていた。

髪も白くて目も赤く、よく死神とも言われた。

だがある時、奴隷商人はこんな話をしていた。

兎人族であるわたしは、そんなに数がいないらしくて人気らしい。

それにわたしは、いつかけられたか分からない呪いのせいで力がなく抵抗する力もなかったので諦めていた。

そんなわたしは、馬車に乗せられた、どうやら他に乗る人もいたようだ。双子の小さい子供たちも馬車に乗せられた。
双子はとても震えていた、それを見てわたしはそっと2人を抱きしめた。そうすると2人はわたしに少しなついてくれた。
わたしは、せめてこの子達だけでも逃げられるようにしてあげたいと思った。

だが、そんな時だった、この馬車が襲われているらしい。この子達だけでも助けなくてはとわたしは思った。

また、1人誰か来たようだ、その人は、襲っていたものを倒し馬車の中を確認するために入ってきた。
その人は、私を見るなり嫌な顔をせずこう言った。

「あの、大丈夫ですか？」

初めて言われた言葉だったが、まだこの人がいい人かは分からなかった。
だが、その人はすぐに名前を名乗った。
ショウというらしい。
そのショウという男の人は、わたしの奴隷印と呪いを消すと言ってきたが、私は信じられずいたが本当に消してくれた。
そうして、力を失ったのか疲れて寝てしまった。
 
そうして、ショウさんが起きた時にこの髪や目の瞳を褒められた。
名前がないと不便だからと名前を貰ったそれがシャニという名前だ。双子の子もカイルとイルナと名付けられた。

わたしは、初めて嬉しくて泣いてしまった。

この国の人は、わたしを差別しない人達だった。本当に良かった。

夜には、わたしが不安だと言ったら、4人全員で寝ることにした。
恥ずかしかったが、本当の家族みたいに思えて安心して眠ることが出来た。

そうして、少し慣れた頃にわたし達は依頼を受けて帰る途中だった。大きな鳥にわたし達は襲われそうになったが、わたしは氷魔法を使って足止めをしようしたが呪いがなくなったおかげかすごい威力の魔法を唱えられた。

ショウさんは、凄いと言ってくれた。そして、頭を撫でてもらった。
凄く照れてしまったが撫でられることが嬉しいということを知った。

だけど、冒険者ギルドへ出ようしとした時に男の人に言われてしまった。

「おい、獣人もいるのかよ。どうなってたんだよ、このギルドは。」

わたしは、忘れていた、獣人を嫌いな人もまだいるということを。

だけど、カイルとイルナが私のために怒ってくれたのだ。
相手を蹴り転ばせたことにより相手の男はかなり怒り双子に手を出そうとした時だった。

ショウさんが怒り拘束魔法で、男を止めたのだった。

わたしは、わたしのために怒ってくれたショウさんやカイルとイルナに嬉しかったがそれと同時に悲しくなった。

それでも、ショウさんやカイルとイルナは、わたしと一緒にいたいと言ってくれた。

そうして、わたしは、カイルとイルナの頭を撫でショウさんの頭も撫でた。ショウさんは、恥ずかしそうに照れていたが、いつものお返しということで撫で続けた。

昨日のことを気にしていると思ってくれたのか気分転換といって街を探索することになった。
そこでわたしは、初めてクリームパンというものを食べた。こんなにも柔らかくて美味しいパンがあるのは知らなかった。
奴隷のころは、硬いパンを食べさせられていたので衝撃的だった。

街中で困っている少女がいたその子にショウさんは、手を差し伸べて救ってあげた。
話を聞くとシスターが病にかかっているらしく、困っていたようだ。
ショウさんは、それすらも治そうとしたのだが魔力が足りず魔法を発動できないようだ。

わたしは、役に立ちたいと思い聞いたら魔力を渡すスキルがあるらしくわたしでも役に立つことが出来たので本当に良かった。

だが、まだ事件は終わらずにいた。なんと貴族がこの孤児院のシスターを狙っている事だった。

今度こそ無理と思われたのだが、ショウさんは、解決しようと頑張っていたのだが、それの途中でカイルとイルナが半栗鼠人族というこどが分かった。人族と獣人の両方の血を持っていたのでこの子達も凄く苦労していることが分かった。

あの時怖がっていた理由もうなずける。
こうして、わたしとショウさんだけはこの子達のそばにいてあげようと約束した。

そうして、孤児院の件について解決したのだが。

諦めていた自分が情けないと外で風にあたっていたら、ショウさんが声をかけてくれた。
風邪をひくかもしれないからと羽織っている服をわたしに渡して話を聞いてくれた。
わたしは、自分のことしか考えてないと言ったのだがショウさんは、誰だってそうだと言い自分もそうだと言ったのだ。

そうして、ショウさんはわたしの手を握り皆の元へ戻ろうといって戻った。

カイルとイルナに言われ手を握っていたことを思い出し恥ずかしくなってしまった。ショウさんもかなり顔を赤くしていた。

お互い照れていることに安心した。

そうして、宿で寝る前に獣人について言われたのだが、わたしはもう気にしない皆といられるだけで幸せだから。

こんなわたしを大切にしてくれて本当に、ありがとうございますショウさん。