上 下
1 / 1

エロステータス操作アプリで、完璧超人な義妹の【感度】を上げて【発情状態】にしたら、えっちでダメダメになりました。

しおりを挟む
「ぁぁん。ひゃぁん。っん」

 どうしても我慢できずに声が漏れ出てしまう。
 我慢しなきゃいけないのはわかっていた。
 こんなことをしちゃいけないのはわかっている。
 三人掛けのソファの端と端とはいえ、体を冷やさないようにタオルケットにくるまっているとはいえ、すぐ隣に義兄が座っているのだ。

 体が熱くてたまらなくなっていた。
 寂しいとか痛いとかそんな感覚に近い、味わったことのない熱さだった。
 その熱を発散させるための方法は直感的に理解できた。
 この場でしてはいけないことだって理解していた。
 兄が隣にいる場でそんなことをするのが、どれだけはしたないことなのか、いけないことなのか、わかっている。
 わかっているのに、わたしは我慢ができない。
 自慰に耽っていた。溺れていた。

 タオルケットの中、右手で弄る乳首の先はすでに硬くなっている。
 そこを弄ると体中に電流が流れるように快感を感じる。
 頻度は高くないけれど自分でしたことがないわけじゃない。
 でもこんなに敏感だったことはない。
 こんなに気持ち良かったことはない。
 秘所に伸ばしている左の人差し指には愛液がたっぷりとまとわりついている。自らを気持ち良くするためにその愛液をかきまぜるように指を押し引きする。
 淫猥な水音が微かに響く。
 義兄に、昴兄さんに聞こえてしまうかもしれない。
 それでもわたしは快感を求めて指を出し入れする。

「ぅぁん。ぁぁん。っあん」

 漏れる声が大きくなってしまう。
 快感のせいで頭が半分、真っ白になっている。
 昴兄さんがわたしの方を心配そうに見ている。

 羞恥心で顔が真っ赤になる。
 義兄が見ているのに、タオルケットの中で動かす指は止まらない。
 こんなことしているの知られたら、人生が終わってしまう。
 それなのに、昴兄さんの視線が余計にわたしの劣情をかき立ててる。
 恥ずかしいのに。
 だめなのに。
 やめなくちゃいけないのに。
 この状況がさらにわたしを興奮させている。
 おかしいぐらいに気持ち良くて、苦しくなるほどに感じてしまう。

 いつの間にわたしはんなに淫らになってしまったのだろう?

 お腹の奥がきゅっと締まる。
 欲望があふれ出しそうになっていく。
 頭の中がふわふわになっていく。 
 まっしろになっていく。
 快感が高まっていく。
 それがもっと欲しくて指で弄る。
 漏れてしまう声も音も我慢できないぐらいに気持ち良くなっている。
 あと少しだ。
 あと少しで達しそうだ。
 昴兄さんはこっちを見ている。
 このまま兄に見られながら達するなんてだめだ。
 理性ではわかっている。
 感情だってそれに同意している。
 でも、わたしの欲望は限界だった。
 ここまで高まったら、もう抑えることなんてできない。
 わたしは快感の頂きに向けて自らの指を動かした。

 あと少しでそこに辿り着く。
 そう思った瞬間だった。
 覆っていたタオルケットがわたしの指の振動で剥がれ落ちた。

 ***

 一ヶ月前に義妹ができた。
 父親が再婚し、その再婚相手に娘がいた。
 一年前から結婚の話は出ていた。
 継母にあたる薫子さんとも義妹にあたる梓とも何度も顔は合わせていた。
 僕はもちろんその再婚を祝福した。
 長いこと父親一人で僕の面倒をみてくれた。
 授業参加や運動会に来なかったことはないし、病気になれば付きっきりで看病してくれた。どんなに夜遅くまで働いても、朝ご飯は一緒に食べた。
 できすぎた父親だ。
 そんな父親の再婚が嬉しくないわけがなかった。
 再婚相手の薫子さんもいい人だ。優しくて、気が利いて、魅力的な人だ。
 その再婚を僕は一〇〇パーセント祝福している。

 その再婚に一つだけ不安があるとしたら、再婚と同時に互いの家族が一緒に住むことになることだった。
 もちろんそれは自然なことで、否定するような部分は少しもなかったけれど、父親と二人きりで過ごした家から引っ越すのは寂しい気持ちもあった。
 それからもう一つ、こちらの方が大きいけれど、義妹になる女の子に対して僕が抱いている感情だった。

 薫子さんの娘、梓は僕と同じ学校に通っている。
 一つ下の学年で、学校でも知らない者はいない有名人だ。
 主席で入学し、定期テストで全国トップを誇り、全国模試でも一桁台の順位を取るほどの成績を収めていた。
 所属する水泳部では、全国大会に出場するほどの実力を見せていた。
 加えてその美貌だ。
 透明感のある美少女で、アニメのキャラクターが現実に出てきたようだった。
 幼さを感じさせる顔つきながら、出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいるという童顔巨乳と、スラッとした長い脚が対照的だ。春の日差しのように眩しい白肌に、セミロングの黒髪を飾りの付いたヘアバンドでとめていた。 水泳部では練習でさえ注目され、本番ともなると彼女の水着姿目当てに周囲の学校の男子さえかけつけた。
 学園の男子で秘密裏に行われているミスコンでは一位を獲得し、彼女を目当てに大手芸能事務所のスカウトが学校前で待ち伏せしたことさえあった。
 少しも気取ったところがないばかりか、周囲に優しく、もの静かな性格をしているというのも彼女の評判に拍車をかけた。
 本人の知らないところではパーフェクトお嬢様なんてあだ名がこっそりとつけられていた。
 僕なんかとはかけはなれた存在だ。
 人生を何回やり直したってたどり着けないようなスペックとステータス、その持ち主が義妹の梓だ。
 憧れという言葉では表しきれない、はるかかなたの天体のように遠い存在だ。

 そんな相手と同居することになったのだから困惑した。
 困惑と言うよりも緊張と言った方が良いかも知れない。
 あの藤宮梓と一緒に暮らしている。
 うちの学校の連中が知ったら、僕に対する風当たりはずいぶんと強くなるに違いない(僕と梓が義兄弟であることは周囲に明かしていない)。

 実際に一緒に暮らし始めてから最初の一週間はドギマギの連続だった。
 風呂上がりの薄着も、歯を磨く姿も、リビングで一緒にテレビを見るのも現実なのに、少しも現実味がなかった。
 意識しすぎるばかりで気まずさすらあった。

 一ヶ月経ったいまではだいぶマシになった。
 梓が家にいるのが日常になった。
 間に薫子さんがいるのも大きかった。
 僕も梓もあまり自分から喋るタイプじゃない。
 薫子さんはお喋りが好きで、三人で夕飯を食べていると僕と梓を気遣ってか、余計にお喋りで楽しい気持ちにさせてくれた。

 だから、父と薫子さんは小旅行に出かけた今日は少し緊張していた。
 梓が町内会のくじ引きで当てたのペア旅行券で、それを二人にプレゼントしたのだ。
 結果、家に梓と二人きりとなった。
 二人きりと言っても互いの部屋にいることも多いから、会う頻度が多いわけではない。
 特に僕は休日は、自分の部屋でゲームをして過ごすことが多い。
 ベッドにごろんとしながらアプリゲームをいくつか回す。
 それが僕にとっての休日だった。
 だから見知らぬアプリに気づいた時は驚いた。

 もちろん、僕は最初そのアプリのことを一〇〇パーセント信じていなかった。
 誰だってそうだろう、いつの間にかダウンロードされていたアプリで、アイコンは真っ黒。
 しかもアプリ名は【エロステータス操作】だ。
 そんな疑わしいアプリのことを信じるなんてどうかしている。
 それでも僕が、そのアプリを起動させたのは、健全な男子高校生としては当然だとも思う。

 アプリを立ち上げると、【サキュバス特製エロステータス操作アプリ】という文字がポップアップした。

 それからまもなく【エロステータスを操作したい対象を教えてください】という表示と注意書きが出た。
 注意書きによると、名前の入力とその相手の写真をアップロードすることでステータスを操作する対象の選択ができるらしい。
 僕みたいなやつが、女の子の写真をもっているわけがない。
 と思ったけれど、持っていた。
 義妹の写真だ。
 薫子さんが何かの折に送ってくれたものだ。
 僕は藤宮梓と名前を入れ、義妹の写真を選択した。

 すると、アプリの画面が切り替わる。

 藤宮 梓 :ステータス
 年齢  :17才
 性別  :女
 身長  :155センチ
 体重  :48キロ
 3サイズ :B92・W57・H88
 性的経験:処女
 感度  :20(低い)
 変態度 :10(低い)
 性癖  :S度10/M度60
 性的状態:欲求なし

 なんだ、これ。
 これが、梓のステータス?
 でも本物なわけないよな。
 名前と年齢は一致しているけど、それ以外は確かめようもない項目ばかりだ。
 それでもなぜだか、この項目には真実みを感じる。
 身長はおそらく、これぐらいだろう。
 3サイズもあの体つきからすると、これぐらいでおかしくはない。
 ってことは……。

【各項目のステータスの変更が可能となります】
【ステータス変更反映は10分後となります】
【ステータス変更時間は30分間となります】
【ステータス変更はエロポイントが必要となります】
【初回は二項目無料となります】。
 ※エロポイントは所有者が対象者と性的体験をすると獲得できます。

 と表示されている。

 初回は二項目まで無料。
 なんだか課金ゲーみたいだな。
 感度の数字をタップすると、数字を入力する画面がでてくる。
 最大100まで数字が打てるらしい。
 初回のポイントでこの内の二つまで変更できるみたいだな。
 ってか身長とか年齢もタップできるけど、これも変更できるのか、このアプリ。
 50が普通、70以上が高いになっている。
 
 僕は感度を80に設定し、いくつか選べる性的状態から【発情状態】を選んだ。

 ここまでしておきながら、僕はそのアプリのことを信じてはいなかった。
 信じてはいなかったけれど、先ほどリビングで映画を見ていた義妹の様子を見に行きたくなった。
 もちろんこんなアプリの数値をいじったり、状態異常を設定したって、この通りになるわけないだろう。
 念のため。
 念のためってやつだ。
 僕は誰にしているのかわからない言い訳をしながら、先ほどまでリビングで映画を見ていた梓の様子を見に行った。

 ※※※

 梓はいつものようにリビングのソファーで映画を見ていた。
 エアコンで身体を冷やさないようにするためか、タオルケットにくるまって体育座りをしている。
 この一ヶ月でこんなラフな姿も何度も見たが、それでも依然として新鮮に映る。
 
「この映画おもしろそうだな」
「始まったばかりですよ。兄さんも一緒に見ますか?」
 こういうことをさらっと言えるのが梓のすごいところだと思う。
 人間ができすぎているのだ。
「せっかくだから。一緒に見ようかな」
 僕はスペースを空けながらも梓の隣に腰掛けた。
 梓は風呂上がりなのだろう。
 大理石のような真っ白な頬が上気している。
 シャンプーの甘いシトラスの匂いが漂ってくる。
 シャンプーの匂いのはずなのに、梓自身から漂ってくるように感じる。
 しっとりとした黒髪をタオル地のヘアボンドで留めている。
 まだ五分も経っていないから、梓に変化はない。
 普通に美人で、美少女で、隣にいるだけでドキドキするような存在だ。
 あんなアプリ、効果があるわけはない。
 そう思っている自分と、もし効果があったらと期待している自分がいる。
「昴兄さんは恋愛映画って大丈夫ですか?」
「特に苦手ではないよ」
「よかったです。友達から勧められたのですが、かなり恋愛の要素が強いって聞いているので」
「梓は?」
「わたしはどちらかと言うと苦手です。恋愛映画の恋愛はきらきらしている気がして。そういうがのよくわからないので」
「してみたいって思わないのか?」
「思わなくはないです。でも、わたしには遠いものに感じられます」
「不思議だな。梓ぐらい…その」
 モテるなら、と続けたかったがそこまで直接的に言うのははばかられた。
 けれど梓は僕の言葉の続きを察したようだ。
「……なんでしょうね。多くの人に気にかけてもらえるのは嬉しくないわけじゃないんです。努力だってしていますし。でも、こんな言い方したら傲慢に聞こえるかもしれませんが、あまり人に憧れられたくはないんです。わたしは駄目なところばかりですから」
 梓がそう語るのは意外だった。
 勉強だって、部活だって梓はトップレベルなのだ。
 容姿は比べられるものじゃないかもしれないけど、少なくとも目を惹くのは間違いない。
 でもこれはそういう話ではないのだろう。
 僕は梓のことを遠いと思う。僕みたいに何も持っていない身からしたら、その距離は計り知れない。
 かといってそんな梓だって、きっといろんなものが遠く見えるのだろう。もしかしたらそう思えるからこそ、より遠くを目指して努力ができるのかもしれない。
「だから恋や愛などのふわりとしたものよりも、もっと即物的な欲が欲しいって思うことはあります。認められたいって欲とか、手をつなぎたいって欲とか、抱きしめられたいって欲とか、それから、その……」
 言いづらそうにしたその先の言葉を察して僕は少し照れた。
 梓も自分の言おうとしたことに気づいたのか、
「ごめんなさい。わたし昴兄さんにかなり恥ずかしいこと言ってますね」
 僕は首を横に振った。
 梓が語る内容は男子高校生としても、わかりすぎるものだったからだ。きっとそこに男女差なんてないのだろうけれど。
 互いに言葉はなくなったいく。
 その沈黙には価値があるような気がした。
 少なくとも僕にとってはそうだ。
 わずかかもしれないけれど、梓の理解が深まった。
 少しだけ近くなったような気がした。

 ※※※

 梓の様子が変わってきたのは、映画の中の男女がキスシーンを迎えたところからだ。
 タオルケットにくるまっている彼女の頬が紅潮していた。
 エアコンが十分に効いた部屋にもかかわらず、熱そうにしている。
 整った輪郭が震え、大きな瞳が甘く蕩けたようになっている。
 生で女の子のこういう表情を見るのは初めてだった。
 その表情を切ないって表現することがあるけれど、まさにそれだった。
 強く欲している、求めている表情だ。
 もっと端的に言い方をすると、梓は発情していた。

 僕が気づいたことに、梓自身はまだ気づいていないようだ。
 梓は自分の状態をうまく理解できないのか、苦しげに小刻みに身体を震わせている。

 見ていた映画が濡れ場に入った。
 年頃の男女が二人で見るには気まずい場面だ。

 梓にとってはそれだけではなかったようだ。
 こらえようとしていた欲求が、画面の中で発散されていく様子をみて、一段と顔が赤くなっていた。
 そして体育座りのままタオルケットの中でもぞもぞと手を動かし始めた。
 タオルケット越しだから本当のところはわからない
 わからないけれど、片手を胸のあたりに片手を股間に手を当てているのはわかる。

「ぁん。ぁぁあん」

 聞こえるかどうかわからないほどのか細い声が、確かに耳に響いた。
 女の子の喘ぎ声を聞くのは始めで、それがあの梓のものなのだ。
 僕も興奮していた。
 僕はテレビを見ている振りをしながら、その声に耳を澄ました。

「ぁぁん。ひゃぁん。っん」

 抑えようとしても漏れ出てしまう快感の声は、普段の梓からは想像もできないほど色っぽい。
 タオルケット越しでもわかるほど、梓はさらに激しく自分を慰め始めた。

 ぐちゅり。ぐちゃり。
 その声にわずかに水音が混じる。
 淫らで卑猥な音が隠しきれていない。

「ぅぁん。ぁぁん。っあん」

 隠すことなど忘れたように、梓の嬌声がはっきり聞こえるようになった。
 そこまで高まった欲望を抑えることができないのも男女変わらないようだ。
 蕩けきった瞳、切なそうな唇、先まで赤くなった耳。
 梓は顔を真っ赤にしながら目を瞑った。
 義妹が達しそうになっているのがわかった。
 
 その瞬間だった。
 梓の体を覆っていたタオルケットが、手の動きの反動でこぼれ落ちた。
 隠していたものが全部露わになった。 
 もこもこのルームウェアに上下どちらも半脱ぎになった下着。
 胸と秘所に腕を伸ばしている腕。

「きゃぁぁぁあぁぁあ」
 
 梓は普段聞いたことのないような悲鳴をあげた。
 兄の前で自慰行為をしていたとはっきりばれたのだから、その反応は当たり前なのかもしれない。
 梓は顔を真っ赤にして、固まった。

 ※※※

「昴兄さん、これは違くて」

 涙目になりながら取り繕う声は弱々しい。
 それに快感を得ようとした寸前で止まったしまったからだろう、体全体を小刻みに震わせている。
 まだ快楽の熱が欲しそうに、大きな瞳は潤んでいる。
 その弱々しさが僕の加虐心をそそった。

「何が違うの?」
「昴兄さん。……そのわたし、突然おかしいぐらいに切なくなってしまいまして」
「だから隣でしてたの?」
 梓はこくりと頷く。
「触れたら体が蕩けてしまうぐらい気持ち良くなって。兄さんが隣にいるのに、こんなことをしたらだめだってわかっているのに止まらなくて……ごめんなさい」
「最後まで気持ち良くはなれた?」
 梓は今度は横に振った。
「気持ち良くなるの手伝ってあげようか?」
 自分でも何を言っているの分からない。
 先ほどの光景に、今見えている梓の半裸姿。
 それに欲情を煽られていた。
 梓が得ていた快楽と同じものを僕も欲しくなった。
 
 僕の提案に対して、梓は恥ずかしそうにこくりと頷いた。
 梓は梓でどんなに恥ずかしくても、もう抑えることも、我慢することもできないのだろう。
 気持ちよくなりたくてしかたがないのだろう。

「じゃあ、そこに立って」

 僕はテレビを消して、梓を姿見の前に立たせた。
 背の高い姿見だ。
 梓は僕が言ったことをすぐに理解して、それでも抵抗する様子も見せずに姿見の前に立った。
 姿見は梓よりも背が高く、梓の全身を映し出す。
 あられもない姿を鏡に晒される。
 梓が隠すように胸と秘所に手を当てているのがもったいない。
 
「梓、手を上げて後ろで組んで」
「それは……恥ずかしいです」
 嫌がっているわけではないのは声でわかる。
 そうじゃなくて、求めているのだ。
 そうでなければ何も言わずに鏡の前に立ったりはしないだろう。
「恥ずかしいのは嫌い?」
「……。その。昴兄さん……。わたしが。わたしみたいな子が好きって言ったらだめですよね? 変ですよね?」
「変じゃない。かわいいって思う」
 梓は僕の言葉に真っ赤になる。
 それからゆっくりと両手を頭の後ろに組んだ。
 僕は梓の背後に回り込んで、着ていたパステルカラーのルームウェアをゆっくりと剥がした。

 鏡に映るのは絶景だった。
 ブラとショーツを半脱ぎにして、頭の後ろで腕を組む美少女。
 凹凸のはっきりした上半身。
 ブラからはみ出すたわわな双丘。
 そこから連なる腰のくびれにかけての曲線美。
 下の方に目を向けると、まずはその尻だ。
 胸に劣らず大きくプリッとした尻に水泳部で鍛えられた太ももが扇情的すぎる。
 しっかりと手入れをしているのか、生えない性質なのか、下の毛は生えていない。
 僕は目に焼き付けるように、鏡を凝視する。

「昴兄さん、そんなに見られると……恥ずかしすぎます」
「恥ずかしいだけじゃないんだろ」
「はいぃ。その……興奮しています。鏡の前で自分だけ裸で、こんなポーズで、それを昴兄さんに見られて、えっちな気分になってます」
 梓はとろんとした瞳になって続ける。
「はいぅ。もう我慢できないんです。はしたなくてごめんなさい。兄さんにえっちなことして欲しいです」
「どうされたいんだ?」
「胸を愛撫されたいです」
「もっとえっちに言って」
「昴兄さんの意地悪。……。わたしのおっぱいを昴兄さんの手でいじめて欲しぃです」
「よくできました」

 僕は梓を背後から抱き寄せて、両手を後ろから梓の胸に回す。
 後ろからのパイもみだ。
 触れた瞬間、指に電流が走ったような快楽を覚える。
 なんだこれ。
 気持ちいい。
 やわらかいのはもちろんだけど、それだけじゃない。
 この場所は特別だ。
 触れただけでそうわかる。
 僕は手のひらで梓のたわわな胸を覆ってみせる。
 いま僕の手の中に幸福がおさまっているのがわかる。

「梓の胸、すごい柔らかくて気持ちいい」
「ぁぅぅん。ぁん。わたしも、わたしも、気持ちいいですぅ」
「鏡、見てみろ。梓の顔蕩けてるぞ」
「うんぅ。おっっぱい気持ち良くて。兄さんの手も気持ち良くて。顔がえっちになっちゃいます」
「乳首もすごいことになってるぞ」
 僕は硬くなった乳首にちょこんと指をあてる。
 こりこりになった乳の先をゆっくりとなぶる。
「くぅぅん。やらしいおっぱいでごめんなさい。はしたない乳首でごめんさいぃ」
 梓の恥ずかしい言葉が、僕の欲望をさらにたかめる。
 あの梓が、こんなことを言うなんて。
 学校での梓を知っている人が見たら信じられないだろう。
 しかも、それを僕が生み出しているのだ。
 僕の両手が、梓の胸を揉みしだく度に、彼女は顔を赤らめて嬌声をあげる。
 今まで感じたことはない。
 幸福感と快感を同時に得られるような体験だ。
 僕は梓のおっぱいを貪り尽くす。

 一本指で丘の先っぽを撫でる。
「ぁあぁん。ぁぁああ」
 二本指で、丘の先っぽを挟む。
「ぁああん。ぁぁあああん」
 三本指で、てっぺんの周囲をなで回す。
「ぁん。うぁっぁあん。っあ」
 四本指で、丘の先をもう一度いじめてみせる。
「はぁあん。ぅあ、っあぁ」
 五本指で、また周囲をなで回す。
「はあぁん。はあぁああん」
 それから手のひら胸全体でなで回しながら、揉みしだく。
「はぁあん。あぁああん。ぁああああああんん。にぃさん、ああぁあん。きもち…ぁああ。きもちいいでぅ。」
 梓を大きく首を左右に振りながら、
「だめぇえぇ。兄さん。その、このままじゃぁイっちゃいそう」
「胸だけでイキそうなのか?」
 僕は少しだけ意地悪してそう聞く。
「はぁい。兄さんの手が気持ち良くて、もう我慢できないんでぅ。
「じゃあ、お願いをしてみせて。いかせて欲しいって」
 梓は脚をもじもじさせ戸惑いながら、頭の中にやらしい言葉を探す。
「兄さんにもっともっと、梓のやらしいおっぱいをかわいがって欲しいです。もっとぐちょぐちょにいじめて欲しいです」
 梓の感度はいじったけれど、性癖自体はそのままだ。
 だからこれは素の梓なのだろう。
「梓はほんとえっちなんだな」
「うぅぅ。言わないで、くださぁい」
「それじゃあ違うのか?」
「違いません。わたしは……ぅぅ、えっちが好きなんだと思います。言葉で意地悪されるのも好きだし、エッチな言葉を言わされるのも、後ろからおっぱいいじめられるのも好きなんです。全部があわさっていま、ほんとに気持ち良くて。はしたない妹でごめんなさい。兄さん、もっと、もっと気持ち良くして、ください」
 僕は両手で梓の乳を揉みしだく。
 勃起して硬くなった乳首をいじめていく。
「ぁぁあぁああん。ぁあん。いぃ。いぃよぁ」
 不思議だ。
 梓の嬌声を聞いていると、梓の感じる快感が伝わってくる。
 僕自身も気持ち良くなっていく。
 指先全体で、手のひら全体で、僕は梓の胸を味わっていく。
「ぁああん。もう、だめぇぇ。イクぅ。イっちゃいますぅ」
「このままイッて」
「ぁあんっ。ぁあぁっっっ。イクぅぅぅ!」

 梓は絶頂すると同時に、脚を震わせ快感に敗北したようにぺたりとそのまま座り込んだ。
 頬が真っ赤になり、瞳が潤わせている。
 放心したように、目線が地面に落ちている。
 蕩けきった目は満足しきってはいないのか、まだ欲望に満ちている。
 欲しい。もっと欲しい。
 そう思っているのが瞳だけで伝わってくる。
 荒くなった息を整えるように、大きく深呼吸をした。

 それから僕の方に向き直った。
 僕は立っており、梓は座り込んでいるから、自然と上目遣いになる。
 たわわな双丘が見下ろせる。梓はそのことに気づいてない様子だ。
「昴兄さん。その昴兄さんのも」
 逆に梓は僕が意識していないことに気づいていたようだ。
 当然ながら僕の股間のものはズボンの中で硬くいきり立っていた。
「見せて欲しいっていったら怒りますか?」
「本当ににして欲しいことが言えたら怒らないよ」
 僕は意地悪く言う。
 梓の興奮が収まっていないことはその表情からはっきりしていた。
 あのアプリの効果は三〇分だったはずだ。
 まだ、催淫状態にあるのだろう。
 梓は、僕の股間をまるで上目遣いで憧れるように見ていた。
「昴兄さんのもので、わたしのを気持ち良くして欲しいんです」
「言い方が違う。賢い梓なら分かるだろ?」
 僕の意図を察して、梓はまた頬を赤らめる。」
「昴兄さんのえっち、変態」
「それは梓の方だろ」
「うぅぅ…言います。こんなの……。こんなに恥ずかしいのに……。昴兄さんのおちんぽをわたしのおまんこに入れて欲しいんですぅ。気持ち良くして欲しいんです」
 僕は頷いて、梓の頭にぽんと手をやる。
 梓は褒められた犬のように喜んだ表情を見せる。
 そして、まるでそう躾けられたと言わんばかりに僕のベルトに手をかけ外し、ズボンを下ろした。
 下着の上からでも分かるほど屹立したものが露わになる。下着の生地が引き延ばされてテントを作っている。
 梓はゆっくりと下着を下ろす。
 僕のものは自分でも経験したことないほど大きく、硬くなっていた。
 梓はそれを見て息をのんだ。
 憧れのものをみているような、上目越しでうっとりとした瞳で僕のものを見る。
 優しく、繊細に、愛おしいものに触れるように僕の肉棒に触れる。
「すごく熱いし。硬い」
 梓の細い手が僕の肉棒に絡まる。
 僕がそれだけで達しそうになるぐらいだった。
 あの梓が僕のものを握ってる。
 その現実は、どんな妄想よりも現実味のないほど、夢のようだ。
 その現実をさらに夢へと近付けるために、梓に断って背の高い姿見をソファの前に移動させた。これで姿見にはソファが映る。
「梓、全部脱いで鏡に向かって手をついて、お尻を突き出して」
 言われたとおり、梓は半脱ぎになっていたブラとショーツを脱ぎ、鏡を支えにしながら尻を天に差し出した。
 僕は梓の背後にまわり梓が突き出した大きな尻に手を置く。僕の肉棒の先端が軽く梓の尻に触れる。
 軽く触れただけなのに、梓の快感が伝染するように僕の肉棒がより快楽を求め始める。
「梓、もっと尻を高くつきだして」
「こうでしょうか。兄さん。これ。恥ずかしいです……その丸見えじゃないですか?」
「丸見えだよ」
「くぅぅう……恥ずかしい…恥ずかしいですぅ」
 見えてはいけないような場所さえ見えるが、今はそこは本命じゃない。愛液でだらだらになっている秘所、そちらが目指す場所だ。
 僕は自分のものをコントールしてゆっくりと秘所へとあてがう。
「梓、挿れるよ」
「きてぇ、昴兄さん」
 声に導かれるままに僕はゆっくりと自分の肉棒を梓の秘所へと差し込んだ。ぎゅっと密閉されたとした肉壁が僕の肉棒を包み込む。
 肉棒が悲鳴を上げてしまうような快感に、思わず果てそうになるのをこらえる。
「ぁぁあん。ぁん」
「入れただけで気持ちいいのか?」
「ぅうぅん。昴兄さんの、硬いおちんちん。すごく熱くて、わたしの中も熱くなっちゃう。これ、気持ちいぃぃ」
 このまま動きたい気持ちに駆られるが、それじゃ姿見を置いた意味がない。
 僕は挿入したままの状態で徐々に腰を落とし、梓の体ごとソファに深く腰掛ける。
 梓のくっきりと山になっている胸、くびれたウエストにかけての曲線。僕の肉棒をまるで自分の物のように咥え込んであずさの秘所。梓の蕩けきっている顔全体が鏡に全部映し出されている。
 だというのに、梓はその鏡の中の自分をうっそりと見ている。
「昴兄さん、これは……」
「梓はこういうの嫌か?」
 僕は分かってて、あえて逆に聞く。
「頭がおかしくなるぐらい恥ずかしいのに、すごくいやらしいって思うのに……嫌じゃない。好きなの。こんな恥ずかしいのに、それが気持ちいいのぉぉ」」
「梓はほんとに淫乱のドMだな」
「言わないで、ください」
「違うんじゃないのか。こういうことをもっと言って欲しいんじゃないのか?」
 その証拠に僕の淫乱って言葉に反応して、梓の膣の中はきゅっとしまり、鏡の中の梓はもっとひどい言葉を待っているように蕩けている。
「ちがぅ。ちがぁいますぅ。わたしはそんなんじゃ……」
「鏡を見てみろ。エロい表情で、もっともっとってなってるぞ」
「ちがぅ。ちがぅのを」
「そうか。じゃあ。外してもいいな」
 僕は梓の腰を持ち上げて、梓の中に深く収まっていた肉棒を抜き取る。
 もとからそうだったのかはわからないが、僕は結構Sっ気があるみたいだ。 
 梓に意地悪がしたくなる。
 こんなにいじらしくて愛おしい梓をもっといじめたくなる。
「昴兄さん、なんで?」
 梓は切なそうに僕を見る。
 瞳が少し潤んでいるようにさえ見える。
 先ほどまで入っていた熱が忘れられないのか、膣の熱を冷ますように尻を軽く振っている。
「梓が自分を淫乱のドMってきちんと認めたらもう一度入れるよ」
「そんなの……」
 梓は自分のプライドと快楽を秤にかけた。
 ただ僕がアプリで弄ったせいで、今の梓にとって快楽の重さが壊れている。
 欲望を求め続けるスイッチが入り続けた状態だ。
 我慢なんてできるはずがない。
 梓は羞恥で肩を震わせながら喋り始める。
「わたしは淫乱のドMです。昴兄さんのおちんちんを咥えたくて、おまんこが疼いている変態です」
「そこまで言えとは言ってないのに」
「わたしが言いたいんです。えっちなことを言うと、おまんこがきゅってなるんです」
「ほんとに変態さんだな」
「くぅぅ。ごめんなさぁい」
「でも、言えたから入れていいよ。ほら、じゃあ、僕のを自分で入れてみろ」
「わたしが?」
「そう。僕はこうやって座っているから自分で咥えてみせて」
「昴兄さんの変態、鬼畜ぅ……」
 梓は僕が腰掛けるソファーに抱き合うように腰を下ろしていく。 背面ではなく、正面だ。僕は梓の体を支える。
 梓は僕にもたれかかるように一度座り混むと、腰だけ浮かせる。僕の肉棒を大事そうにつかみながら、自分の膣に導いていく。
「昴兄さんの、おちんちん、すごく熱い」
「梓のおまんこもすごく熱くなっているだろ」
「はい。……昴兄さん、挿れます」
「ああ」
「ぁぁあん。ぁああ。熱い。兄さんのおちんちん、おっきくておまんこいっぱいになってるぅ」
「梓のもすごく締め付けてきて気持ちいいよ」
「わたしも気持ちいい。これ、自然と腰浮かせちゃう。動かしたくなっちゃうよ」
 梓はさらなる快楽を求めて腰を上下させる。
 目の前にある二つの丘がたゆんたゆんと上下する。
 汗まみれになっていて、光ってさえ見える。
 僕はそれを両手で揉みしだく。
「ぁぁん。おっぱいも一緒にされたら。ぅん。はぁあぁあん」
「動きを止めたらダメだぞ」
「はぁい。あぁん。これ気持ちいぃ。おっぱいとおまんこどっちもされて、うぁぁぁん」
 梓の上下運動がさっきよりもずっと激しくなる
 ソファーについている腕も大きく動かしている。
 汗が飛び散り、甘い匂いが強くなる。
 快楽をさらに高ぶらせていくのがわかる。
 梓は快楽に溺れたような表情だ。溺れているのに、それに苦しむわけではなく、快楽に身を預けきっている。
 微笑んだような、切なげな表情がやけにエロい。
 梓は僕と目を合わせると、体全体を僕の方に寄せてくる。顔が密着する。
「昴兄さん、ごめんなさい、わたし我慢できなくて」
 梓が僕の唇に自らの唇を合わせた。
 驚いて僕は口を半開きにすると、舌が入ってくる。
 僕も梓の舌に絡ませるよう、自分の舌を動かす。 

 僕だって梓と同じだ。
 僕ももう快楽に溺れきっていた。
 義妹に対して欲情しきって、梓のすべてを僕のものにしたいと思っていた。
 キスも気持ち良い。
 膣に入っている肉棒の快感とはぜんぜん違う。
 言葉が発される場所だからかもしれない。
 肉体的な快楽はもちろんだけど、互いに互いの言葉が、気持ちが、より重なるような感触がする。
 舌が交わされるたびに、言葉じゃない言葉をやりとりしているような気持ちになる。
 お互いを快楽を貪るように長い長いキスを交わした。

「昴兄さん、わたしもう、だめですぅ」
「僕も限界が近い。このまま……」
「兄さん、引かないで欲しいんですが、鏡の前で後ろからして欲しいです」
「変態」
「変態でいいもん。だって、恥ずかしくて、えっちで、あれでいけたら最高に気持ちいいもん」
 普段大人っぽい梓の子どもっぽい喋りに僕は萌える。
 僕は姿見の位置を移動させ、梓は鏡に向かって立った。
 僕の自分の肉棒をあてがい、再び梓の中に入れる。
 背後からの立ちバック。
 鏡に梓が映る。
 梓はそれを見ている。
 汗にまみれて自分の全身。こりこりに固まりきった乳首の先。気持ち良すぎてにやけているような自分の表情。
 欲望の溺れきって我慢できない梓が、全部映し出されている。
「わたし、こんなやらしい顔してたんだ」
「さっきからずっとだよ。気持ち良さそうにしてる」
「兄さんもやらしい顔している」
「そりゃあな。梓とこんな風になれるだなんて思って見なかったから」
「わたしだから……なんだ?」
「梓だからだよ。ずっと憧れていたんだから」
「義妹に欲情するなんて兄さんも変態ですね」
「梓とならそれでもいい」
「わたしも同じです。ねえ、昴兄さん動かしてください。梓のおまんこ気持ち良くしてください」
 僕は梓の腹を支えに大きく腰を動かす。
 僕のものも、梓のものも熱くたぎっている。
 肉棒で梓の中をかき分けていく。
「ぁぁあんっ。ぁあん。兄さんのおちんちん気持ちいいぉ」
「梓の中も気持ちいい」
 僕は動かすペースを腰を動かすペースを速めていく。
「ぁぁああん。ぁあん。うぁあぁん。だめぇぇえ。これ。ほんとに気持ちいいの。もっと、もっと奥まで突いて。梓をいじめてぇ欲しいの」
 淫らなことを叫びながら、梓は鏡を見ている。 
 大理石のように白い肌が汗ばんで、光って見える。
 快楽で蕩け切った梓はいやらしい表情で乱れている。
「梓、もうイキそうなんだろう。おまんこひくひくしているぞ」
「うんっ。もうだめぇ。げんかいなの。昴兄さん、きてぇ。気持ち良くして、いかせて」
「僕も限界だ」
「うん。一緒に、一緒にいこう。兄さん。ふぁぁああん。あふぁん。あぁわぁあぁぁああぁぁ」
 
 お互いの感じ方は違うのかも知れない。 
 ただ二人とも快楽の絶頂にいるのはお互いの体の繋がっている部分で理解できた。
 梓の秘所は僕の肉棒をさらに締め付けてくる。
 僕は絶頂を求めて激しくの中を動いた。
「ぁぁわぁあっぁ。兄さん。ぅあぁあ。いく。いっちゃうぅぅ」
「ああ、僕もだめだ。いく」
「「気持ちいぃぃ」」
 互いの声がぴったりと重なる。
 
 僕はぎりぎりで肉棒を梓の中から取り出した。
 それが限界だった。
 もう我慢なんてできなかった。
 梓を後ろから強く抱き締める。
 屹立した肉棒は後ろから梓の腹を撫でた。
 頭が真っ白になっていく。
 精子がもうすぐそこまで上ってきている。
 僕は肉棒を梓の腹にこすりつけながら、精を解き放った。
 これまで感じたことのないような勢いで射精だ。
 しかも快感の時間まで長い。
 僕の精子が今までそんな風になったことがないぐらいに、飛び出して、梓の胸の辺りまで飛んでいく。
「昴兄さんのすっごいでてる。あつぃ」
「それだけ気持ち良かったんだ。梓は?」
「わたしも。わたしもすごくよかったです」
 梓はぐったりとその場に崩れ落ちるように座り混んだ。
 僕も同じだった。
 快楽を味わい尽くして疲れきった。
 僕はティッシュで梓の体を拭き取る。
 座り混んでいる梓に手を伸ばすと、梓は僕の手を取った。
 僕は梓を強く抱きしめると、梓は言葉もなく抱きしめて返してくれた。そのまま梓の体をソファーまで抱きかかえて、もたれこんだ。
 お互いの体をくっつけ合いながら寝転んだ。
 梓はもう疲労の限界なのか瞳が閉じていて、それは僕も同じだった。
 どちらが先に眠りに落ちたのかわからなかった。
 僕らは抱き合いながら、幸福な眠りを迎えた。

 *** 

「……昴兄さん、もう一度言ってもらってもいですか」
 梓は服を着てソファーに腰掛け、僕は全裸で正座をしている
「えっと、信じてもらえないかもしれないけれど、このアプリで、その梓のステータスをいじってました」
 そんなことになったのはお互いが目を覚ました後に、僕が梓にアプリのことを打ち明けたからだ。
 もちろんそうしなくても良かったのかも知れないけれど、そうしたいと思ってしまった。
「ごめんなさい」
 僕は正座のまま頭を下げる……土下座をしていた。
「昴兄さん、頭を上げてください。全裸の人に頭を下げられるのは、その変な感じです。それが兄さんならなおさらです」
 梓はこほんと息を吐いて、続ける。
「昴兄さんがしたことは良くないことだと思います。わたし、兄さんのすぐ隣にいるのに、その、自分を慰めたんですよ。すっごい恥ずかしかったんですから」
「ごめん」
「鏡の前に立たされて、後ろから胸を揉まれて……いかされたんですよ」
「ごめん」
「それから抱きかかえながら鏡の前で……初めてのだったのに」
「何から何までごめんなさい」
「昴兄さんは罪を償わないといけません。スマホを貸してください」
 梓の声色はフラットで、何を望んでいるのかわからない。
 僕は言われたとおりスマホを渡す。
 画面は先ほどのアプリが立ち上がったままだ。
「これがわたしのステータスですか」
 もう時間が切れているためステータスは元通りになっているはずだ。
「自分で自分のこういうのを見るのは変な気持ちです。スリーサイズなども書いてあり、プライバシー的にも良くありません。……それで、兄さんはこのステータスの【感度】を80にして、わたしを発情状態にしたんでしたね?」
 僕は頷くことしかできない。
「それじゃ、これをこうして。こうしましょう。はい、昴兄さん、確認してボタン押してください」
「えっ」


 藤宮 梓 :ステータス
 年齢  :17才
 性別  :女
 身長  :155センチ
 体重  :48キロ
 3サイズ :B92・W57・H88
 性的経験:処女
 感度  :22(低い)→90
 変態度 :12(低い)
 性癖  :S度10/M度65
 性的状態:欲求なし→淫乱状態

 矢印が分がポイントを使って変更する部分だ。
 つまりは……。
「昴兄さんがしたことは良くないことだと思います。でも、その気持ち良かったんです。だから兄さんへの罰はわたしにもう一度することです」
「それで……いいのか?」
「あくまでも兄さんへの罰ですからね、それ以外の意味なんてこれっぽちもないんですからね。勘違いしてはいけませんよ」
 梓は耳を赤くしながら、ツンデレのようなことを言う。
「わたしは変態じゃありませんし、兄さんとそういうことをしたいだなんて思ってないですからね」
「僕は思っている。梓としたいって」
 梓の顔が真っ赤になる。
「昴兄さんの馬鹿。そんなまっすぐに言わないでください。恥ずかしい」
「恥ずかしいのが好きなんだろ?」
「……大好きです」
 それがアプリの効果なのか、梓の本心なのか、僕にははっきりと理解できた。
「それじゃあ、今度は……」
 僕はもう一度、完璧超人な義妹を抱きしめる。
 快楽に満ちた、幸福な時間がもう一度訪れる。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

可愛くて巨乳で幼馴染の彼女に耳かきしてもらうだけの話

青春 / 完結 24h.ポイント:142pt お気に入り:1

色彩のアリス

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:13

【完結】私の婚約者は、いつも誰かの想い人

恋愛 / 完結 24h.ポイント:85,822pt お気に入り:3,888

【R18】若奥様はすけべ魔女

恋愛 / 完結 24h.ポイント:134pt お気に入り:81

転生したら血塗れ皇帝の妹のモブでした。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:11,398pt お気に入り:6,306

男女貞操逆転世界で、自己肯定感低めのお人好し男が、自分も周りも幸せにするお話

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:156pt お気に入り:1,480

おじさん

大衆娯楽 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:5

【R18】カッコウは夜、羽ばたく 〜従姉と従弟の托卵秘事〜

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:85pt お気に入り:24

処理中です...