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困った事
しおりを挟む「リレイナ。リレイナ!」
「どうしましたか?」
数日後、ウィリアムは突然訪ねてきた。
優雅にお茶を飲むの私の前には苛立った様子のウィリアムがいた。
「アデリーナは物をプレゼントすると、君と違って喜んでくれる。キスもしてくれる。だからたくさんたくさんプレゼントしたんだ! なのに使ってくれない。それで聞いたんだ。プレゼントはどうしてるのかと。そしたら君に渡してると言うじゃないか! 妹から奪うなんて……恥ずかしくないのか!?」
「それを言われると、姉から奪うなんて恥ずかしくないのか。とあの子に言いたくなりますが……まぁそれはいいとして。あれは全部あなたがアデリーナにあげた物でしたの」
「そうだ! それを君はっ」
「勘違いなさっているようですから申し上げますが、私はなにも奪っておりません。あれらはすべてアデリーナが自主的に渡してきたのです。それともアデリーナが盗られたとでも言ってましたか?」
「い、いや……」
ウィリアムはどうやら勢いでここまできたらしい。まったく浅慮な男である。
そこにちょうどよくアデリーナが現れた。
「あら? ウィリアム様どうなさったの?」
「アデリーナ! 君にあげたプレゼントの件だ……あれは、アデリーナに渡している。そうだな?」
「ええ。そうですけど……」
「彼女に盗られたんだな!」
ウィリアムが私を指差して叫ぶ。
するとアデリーナは首をかしげた。
「なんのお話ですの? あれは私の物になったので、姉妹で共有しているだけですけれど……」
「え……」
「だってわたくしたちこんなに仲がよいんですもの」
そう言ってアデリーナは私に抱きついた。
「わたくしの物はお姉さまの物なの。ああ、逆もそうなのよ」
その理論で、彼女は私のものを持っていくのだけど。まぁ慣れたから気にしない。
ウィリアムは混乱した様子でいた。
しかしすぐに立ち直ると。「君たちは仲がいいんだな」などと言って、アデリーナの腰を支えて部屋を出て行った。
台風のようで、私はため息をはくばかり。
こういうことはおそらく続く。ウィリアムはまた近いうちに乗り込んでくるだろう。そう予想した。
またまたその予想は的中した。
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