251 / 362
第七章 アイリス六歳
その29 アフタヌーンティー(5)アイリス、お茶会へ
しおりを挟む
29
セーフルームの床に描かれていた転移魔法陣が、銀色に輝いて、浮かび上がる。
事前に打ち合わせていたとおりに、まずはエステリオ・アウルが転移魔方陣に踏み込んだ。
間をおかずに、つづいてあたし、アイリスが。
「さあ、行きなさい」
カルナックお師匠さまの声に、背中を押されて。
だけど、ドキドキする。
転移する先はお披露目会場ではなくて、お父さまとお母さまが待っていてくれる控室だと、わかっているのに。
「アイリスちゃん、わたしたちも一緒よ。手を握っていましょうね」
「大船に乗った気持ちで、どーんとまかせな!」
サファイアさんとルビーさんが、右と左の手をそれぞれ、ぎゅっと握ってくれた。
「わわわん!」「くーん」
シロとクロも、力づけてくれるように声をあげて、あたしの影の中に沈んでいく。
あたしは大きく息を吸って。
一緒に、魔法陣に足を踏み入れた。
※
魔法陣で転移する瞬間は、ごく短いのだろうけど、あたしにはひどく長く感じた。エステリオ・アウルの姿が消えていくのを見たときの怖さは、たとえようがなくて。……でも、誰にも言わないわ。
銀色の靄に包まれる。
両側にいるはずのサファイアさんとルビーさんの存在が、感じられない。
とつぜん、たったひとりで放り出されたみたいに、たまらない不安がこみあげてくる。
ここは、どこ?
『その不安は理由のないものではないわ』
ふいに、懐かしい、優しい声が胸に響いて、あたしは周囲を見渡した。
けれどもあたりは白い霧に閉ざされて、何も、見ることはできなかった。
「女神さま! スゥエさま?」
『やっと声を届けられるわ。シ・イル・リリヤには大勢の魔法使いがいて、守護のための強力な魔法を常時展開しているせいで、なかなか連絡できなかったの』
「スゥエさま? どこに?」
『今も、声を届けるしかできないの。残念だけど。わたしは、アイリスに伝えておきたいことがあって、話しかけているのよ』
「伝えたいこと? それはなんですか?」
『六歳の誕生日を無事に迎えた祝いの席はめでたい、けれど慶事には隙が生じるもの。あなたには守護精霊たちがいるから大丈夫だけど……エステリオ・アウルに、気を配ってあげて。ターゲットは……昔と同じなの。まだ、エステリオ・アウルは……』
それきり、スゥエさまの声はとぎれてしまった。
しだいに霧は晴れていき、あたしは通常の空間に戻ってきた。
ここは居間のひとつ。お茶会の会場になっている中庭へつながる扉がある。だから控室になっているのだ。
お父さまとお母さまがいるところ。
お母さま専属メイドで実は護衛でもあるレンピカさん、マルグリットさんたち、それにローサ、メイド長のエウニーケさんも来ていた。
「アイリス!」
お父さまとお母さまが呼んでる。
あたしが魔法陣の上に姿を現したのを見て、二人とも急いで駆け寄ってきた。
「お母さま! お父さま!」
「無事でよかった」
「離れていた間は、とても心配だったのよ」
お父さまとお母さまは、あたしのお支度を見て、嬉しそうに、目を細める。
ヴェールをかぶっているから、よく見えないのではないかしら?
ティアラも隠れてしまってないかな?
心配していたら、サファイアさんが、ヴェールを少し持ち上げて、顔の部分だけ見えるようにしてくれた。
そういえばサファイアさんはカルナックさまと遠い親戚だって前に言ってたっけ。だからなのか、サファイアさんには、ヴェールを上げたりできるんだわ。
「すてきなドレスね。大公様御用達のルイーゼロッテさんだもの、きっと素晴らしいだろうと思っていたわ。だけど予想以上のできばえよ。もっとよく姿を見せて」
期待に応えて、あたしは、くるりとターンしてみせる。
ヴェールがひろがって、とても奇麗。ついでに神秘的な効果をあげているにちがいないわ。
「エステリオ叔父さまは? 先に会場に入ったの?」
答えてくれたのはエウニーケさんだった。
「ええ、さようでございますよ、お嬢様。コマラパ老師様や、魔法使いの方々とご一緒です」
お母さまは、あたしを抱き上げ、頬を寄せた。
「そのティアラはね、わたしもお披露目の時につけたものなの。今は外から見えていなくてもかまわないわ。きれいなものを身に着けていると思うことは、心の支えになるのよ」
「お母さまも、お披露目会でつけたティアラなの? アイリスうれしい!」
ぎゅっと、お母さまにしがみつく。
あたたかさが、伝わってくる。
ふだんから、そんなに抱っこしてもらったりしないけど……良家のお嬢さまって、めんどうなの……こんなチャンスがあれば、アイリスは遠慮しないもの。
あ、今、すごく、六歳幼女アイリスの本来の感情になってた。
そのとき、
転移の魔法陣が再び銀色に光って、カルナックさまが姿を現した。
「カルナック様。このたびはアイリスのためにいろいろとお骨折りを頂きましてありがとうございます」
「お礼のしようもございません。我がラゼル商会は、カルナック様と魔導士協会のために、いかようにも尽力させていただきましょう」
「ありがたいお申し出です。お互いのためになる関係でいたいものです」
カルナックさまは、ふわりと笑う。
「さて今からが正念場です。招待客は善意の者ばかりではありません。彼らはこう考えているでしょう。許婚と公表されている相手はどこの誰か、名目だけの許婚ではないか。付け入る隙があるか。隙あれば自分たちの息のかかった者を代わりの婚約者にと推挙するつもりだ」
「まあ! 恐ろしい!」
「ご安心を。奥様。我々に全てお任せください」
爽やか笑顔のカルナックさまだけど、あたしはふと、夜中の通販番組を思い出したのでした。
「よかったわねアイリス。エステリオもこんな頼もしい方たちと親しくしていただいて、安心だわ」
お母さまが頬を染める。
「わたしの実家は小さな商家だったから、お披露目は簡単に済ませたのよ。あなたには、素敵なお披露目会をしてあげたかったの」
「我が家のお姫さま。お手をどうぞ」
お父さまの差し出した手を、あたしは握った。
エウニーケさんが、扉を開ける。
茶会が行われている、お父さまご自慢の、中庭へと。
お父さまに誘われ、ヴェールで顔を隠した、あたしはゆっくりと歩く。
隣にはお母さまがいて。
嬉しくて、だけど、ふいに、あたしは泣きそうになる。
アイリアーナお母さまは、前世のあたし、21世紀の東京に住んでいた、月宮アリスのママに、雰囲気が似ているから。
あたしはパパとママより先に十五歳で死ぬなんて親不孝をしてしまった。
ママ。パパ。ごめんなさい。
あたしは、ここで、異世界(セレナン)で、生きているよ。
伝えられたらいいのに。
「どうしたのアイリス。不安なことは何もないのよ」
「ううん、お母さま。うれしいからなの」
笑顔で、そう答えた。
決心してる。
今のお母さまとお父さまには、うんと親孝行をするんだ。
あたしは決意を新たに、茶会の席へと足を踏み出す。
エステリオ・アウル叔父様……あたしの、大切な許婚も、そこで待っていてくれる。
けれど、ふと不安がよぎる。
あのスゥエさまの忠告。
『ターゲットは……昔と同じ』
どういうことだろう?
館の廊下を、お父さまとお母さまに挟まれ、サファイアさんとルビーさんがいるのを感じてゆっくりと歩きながら、あたしは、考えていた。
この時点では、よくわかっていなかった。
もっとよく考えておかなくちゃいけないことだったのだと、あたしは、後に、痛感することになる。
セーフルームの床に描かれていた転移魔法陣が、銀色に輝いて、浮かび上がる。
事前に打ち合わせていたとおりに、まずはエステリオ・アウルが転移魔方陣に踏み込んだ。
間をおかずに、つづいてあたし、アイリスが。
「さあ、行きなさい」
カルナックお師匠さまの声に、背中を押されて。
だけど、ドキドキする。
転移する先はお披露目会場ではなくて、お父さまとお母さまが待っていてくれる控室だと、わかっているのに。
「アイリスちゃん、わたしたちも一緒よ。手を握っていましょうね」
「大船に乗った気持ちで、どーんとまかせな!」
サファイアさんとルビーさんが、右と左の手をそれぞれ、ぎゅっと握ってくれた。
「わわわん!」「くーん」
シロとクロも、力づけてくれるように声をあげて、あたしの影の中に沈んでいく。
あたしは大きく息を吸って。
一緒に、魔法陣に足を踏み入れた。
※
魔法陣で転移する瞬間は、ごく短いのだろうけど、あたしにはひどく長く感じた。エステリオ・アウルの姿が消えていくのを見たときの怖さは、たとえようがなくて。……でも、誰にも言わないわ。
銀色の靄に包まれる。
両側にいるはずのサファイアさんとルビーさんの存在が、感じられない。
とつぜん、たったひとりで放り出されたみたいに、たまらない不安がこみあげてくる。
ここは、どこ?
『その不安は理由のないものではないわ』
ふいに、懐かしい、優しい声が胸に響いて、あたしは周囲を見渡した。
けれどもあたりは白い霧に閉ざされて、何も、見ることはできなかった。
「女神さま! スゥエさま?」
『やっと声を届けられるわ。シ・イル・リリヤには大勢の魔法使いがいて、守護のための強力な魔法を常時展開しているせいで、なかなか連絡できなかったの』
「スゥエさま? どこに?」
『今も、声を届けるしかできないの。残念だけど。わたしは、アイリスに伝えておきたいことがあって、話しかけているのよ』
「伝えたいこと? それはなんですか?」
『六歳の誕生日を無事に迎えた祝いの席はめでたい、けれど慶事には隙が生じるもの。あなたには守護精霊たちがいるから大丈夫だけど……エステリオ・アウルに、気を配ってあげて。ターゲットは……昔と同じなの。まだ、エステリオ・アウルは……』
それきり、スゥエさまの声はとぎれてしまった。
しだいに霧は晴れていき、あたしは通常の空間に戻ってきた。
ここは居間のひとつ。お茶会の会場になっている中庭へつながる扉がある。だから控室になっているのだ。
お父さまとお母さまがいるところ。
お母さま専属メイドで実は護衛でもあるレンピカさん、マルグリットさんたち、それにローサ、メイド長のエウニーケさんも来ていた。
「アイリス!」
お父さまとお母さまが呼んでる。
あたしが魔法陣の上に姿を現したのを見て、二人とも急いで駆け寄ってきた。
「お母さま! お父さま!」
「無事でよかった」
「離れていた間は、とても心配だったのよ」
お父さまとお母さまは、あたしのお支度を見て、嬉しそうに、目を細める。
ヴェールをかぶっているから、よく見えないのではないかしら?
ティアラも隠れてしまってないかな?
心配していたら、サファイアさんが、ヴェールを少し持ち上げて、顔の部分だけ見えるようにしてくれた。
そういえばサファイアさんはカルナックさまと遠い親戚だって前に言ってたっけ。だからなのか、サファイアさんには、ヴェールを上げたりできるんだわ。
「すてきなドレスね。大公様御用達のルイーゼロッテさんだもの、きっと素晴らしいだろうと思っていたわ。だけど予想以上のできばえよ。もっとよく姿を見せて」
期待に応えて、あたしは、くるりとターンしてみせる。
ヴェールがひろがって、とても奇麗。ついでに神秘的な効果をあげているにちがいないわ。
「エステリオ叔父さまは? 先に会場に入ったの?」
答えてくれたのはエウニーケさんだった。
「ええ、さようでございますよ、お嬢様。コマラパ老師様や、魔法使いの方々とご一緒です」
お母さまは、あたしを抱き上げ、頬を寄せた。
「そのティアラはね、わたしもお披露目の時につけたものなの。今は外から見えていなくてもかまわないわ。きれいなものを身に着けていると思うことは、心の支えになるのよ」
「お母さまも、お披露目会でつけたティアラなの? アイリスうれしい!」
ぎゅっと、お母さまにしがみつく。
あたたかさが、伝わってくる。
ふだんから、そんなに抱っこしてもらったりしないけど……良家のお嬢さまって、めんどうなの……こんなチャンスがあれば、アイリスは遠慮しないもの。
あ、今、すごく、六歳幼女アイリスの本来の感情になってた。
そのとき、
転移の魔法陣が再び銀色に光って、カルナックさまが姿を現した。
「カルナック様。このたびはアイリスのためにいろいろとお骨折りを頂きましてありがとうございます」
「お礼のしようもございません。我がラゼル商会は、カルナック様と魔導士協会のために、いかようにも尽力させていただきましょう」
「ありがたいお申し出です。お互いのためになる関係でいたいものです」
カルナックさまは、ふわりと笑う。
「さて今からが正念場です。招待客は善意の者ばかりではありません。彼らはこう考えているでしょう。許婚と公表されている相手はどこの誰か、名目だけの許婚ではないか。付け入る隙があるか。隙あれば自分たちの息のかかった者を代わりの婚約者にと推挙するつもりだ」
「まあ! 恐ろしい!」
「ご安心を。奥様。我々に全てお任せください」
爽やか笑顔のカルナックさまだけど、あたしはふと、夜中の通販番組を思い出したのでした。
「よかったわねアイリス。エステリオもこんな頼もしい方たちと親しくしていただいて、安心だわ」
お母さまが頬を染める。
「わたしの実家は小さな商家だったから、お披露目は簡単に済ませたのよ。あなたには、素敵なお披露目会をしてあげたかったの」
「我が家のお姫さま。お手をどうぞ」
お父さまの差し出した手を、あたしは握った。
エウニーケさんが、扉を開ける。
茶会が行われている、お父さまご自慢の、中庭へと。
お父さまに誘われ、ヴェールで顔を隠した、あたしはゆっくりと歩く。
隣にはお母さまがいて。
嬉しくて、だけど、ふいに、あたしは泣きそうになる。
アイリアーナお母さまは、前世のあたし、21世紀の東京に住んでいた、月宮アリスのママに、雰囲気が似ているから。
あたしはパパとママより先に十五歳で死ぬなんて親不孝をしてしまった。
ママ。パパ。ごめんなさい。
あたしは、ここで、異世界(セレナン)で、生きているよ。
伝えられたらいいのに。
「どうしたのアイリス。不安なことは何もないのよ」
「ううん、お母さま。うれしいからなの」
笑顔で、そう答えた。
決心してる。
今のお母さまとお父さまには、うんと親孝行をするんだ。
あたしは決意を新たに、茶会の席へと足を踏み出す。
エステリオ・アウル叔父様……あたしの、大切な許婚も、そこで待っていてくれる。
けれど、ふと不安がよぎる。
あのスゥエさまの忠告。
『ターゲットは……昔と同じ』
どういうことだろう?
館の廊下を、お父さまとお母さまに挟まれ、サファイアさんとルビーさんがいるのを感じてゆっくりと歩きながら、あたしは、考えていた。
この時点では、よくわかっていなかった。
もっとよく考えておかなくちゃいけないことだったのだと、あたしは、後に、痛感することになる。
10
あなたにおすすめの小説
唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。
彩世幻夜
ファンタジー
※ 2019年ファンタジー小説大賞 148 位! 読者の皆様、ありがとうございました!
裕福な商家の生まれながら身分は平民の悪役令嬢に転生したアンリが、ユニークスキル「クリエイト」を駆使してシナリオ改変に挑む、恋と冒険から始まる成り上がりの物語。
※2019年10月23日 完結
新作
【あやかしたちのとまり木の日常】
連載開始しました
烈火物語
うなぎ太郎
ファンタジー
大陸を支配する超大国、シューネスラント王国。
その権力の下で、諸小国は日々抑圧されていた。
一方、王国に挑み、世界を変えんと立ち上がる新興騎馬民族国家、テラロディア諸部族連邦帝国。
激動の時代、二つの強国がついに、直接刃を交えんとしている。
だが、そんな歴史の渦中で――
知られざる秘密の恋が、静かに、そして激しく繰り広げられていた。
戦争と恋愛。
一見無関係に思える、二つの壮大なテーマが今、交錯する!
戦いと愛に生きる人々の、熱き想いが燃え上がる、大長編ファンタジー小説!
※小説家になろうでも投稿しております。
https://ncode.syosetu.com/n7353kw/
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】いせてつ 〜TS転生令嬢レティシアの異世界鉄道開拓記〜
O.T.I
ファンタジー
レティシア=モーリスは転生者である。
しかし、前世の鉄道オタク(乗り鉄)の記憶を持っているのに、この世界には鉄道が無いと絶望していた。
…無いんだったら私が作る!
そう決意する彼女は如何にして異世界に鉄道を普及させるのか、その半生を綴る。
転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。
42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。
下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。
約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。
それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。
一話当たりは短いです。
通勤通学の合間などにどうぞ。
あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。
完結しました。
蔑ろにされましたが実は聖女でした ー できない、やめておけ、あなたには無理という言葉は全て覆させていただきます! ー
みーしゃ
ファンタジー
生まれつきMPが1しかないカテリーナは、義母や義妹たちからイジメられ、ないがしろにされた生活を送っていた。しかし、本をきっかけに女神への信仰と勉強を始め、イケメンで優秀な兄の力も借りて、宮廷大学への入学を目指す。
魔法が使えなくても、何かできる事はあるはず。
人生を変え、自分にできることを探すため、カテリーナの挑戦が始まる。
そして、カテリーナの行動により、周囲の認識は彼女を聖女へと変えていくのだった。
物語は、後期ビザンツ帝国時代に似た、魔物や魔法が存在する異世界です。だんだんと逆ハーレムな展開になっていきます。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
悪役令嬢の騎士
コムラサキ
ファンタジー
帝都の貧しい家庭に育った少年は、ある日を境に前世の記憶を取り戻す。
異世界に転生したが、戦争に巻き込まれて悲惨な最期を迎えてしまうようだ。
少年は前世の知識と、あたえられた特殊能力を使って生き延びようとする。
そのためには、まず〈悪役令嬢〉を救う必要がある。
少年は彼女の騎士になるため、この世界で生きていくことを決意する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる