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死霊殺しの少年
死霊殺しの少年④
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「確かこの辺りにいるって話しなんだけどな……」
ましろとせつなは情報にあった町外れの森の中にいた。
なんでもお祓いをしようとした死霊殺しが町で人を襲わないようにこの森の中に閉じ込めたらしいのだ。
森の中を探し回って30分ほど経ってしまったが目的の生霊には出会えていない。
「せつなは生霊みかけたか?」
「見てない……それどころか気配も感じない」
ある程度の実力があると生霊術を用いることで生き物だけでなく生霊や死霊の気配を探る事ができる。まだましろにはできないが……
「せつなの探知に引っ掛からないってことはもう少し奥のほうかな?」
せつなの実力は相当なものなので、ましろはそう判断したのだが……
「次は君たちがわたしをお祓いするのかい?」
突然後ろから声をかけられた。
驚いて後ろを振り替えると血のように真っ赤な髪をした女の人が立っていた。
「……スカーレットさんですか?」
ましろはターゲットの名前を呼んでみた。
「ん?わたしの名前を知っているってことは、ゼフレンに雇われたのかな?」
どうやら目の前に立っている女の人がましろたちのターゲットで間違いなさそうだ。
「はい。ゼフレンさんに言われましたが、抵抗しないのであればお祓いします……抵抗するのであれば……」
ましろが続きを話そうとすると、突然スカーレットは笑いだした。
「アハハッ!わたしを退治するつもりなの?見たところ駆け出しの新人ちゃんでしょ?その程度の実力で倒せるほどわたしは弱くないわよ……まあ、そちらのお嬢さんも戦うなら話は別だけど……よくわからないけど、相当な強さでしょ?」
スカーレットはせつなの方を気にしながらもそう言ってきた。
どうやらこの人もかなりの実力者のようで、せつなが精霊ということには気付いていないが実力は見抜いている。
「わたしは何もしないわよ。戦うのはましろだけよ」
せつなはどうでも良さそうにそう言う。
「そう?……なら坊やは逃げた方がいいと思うけど?」
スカーレットは余裕の表情を浮かべている。
「やってみなきゃ……わからないだろ!」
ましろはそう叫ぶのと同時に片手剣を生霊術で生成しスカーレットに斬りかかった。
「思ったよりやるじゃない……けど」
スカーレットは少し体を捻らせるだけで、ましろの攻撃を避け体の周りに高熱の炎を纏った。
「これで、近づけないわよ」
「くっ!」
ましろはスカーレットが放った炎の塊に少し当たってしまい左腕を火傷してしまった。
「動きも悪くないし生霊術の技術もそれなりだけど……わたしと殺り合うにはまだ若すぎね」
スカーレットは次々と武器を生成して飛ばしてくる。ましろは森の木を盾にしながら辛うじて避けている。
(ここは、一旦距離を取らないとどうしようもない……)
ましろはスカーレットから離れて森の中に身を隠した。
「あら?かくれんぼのつもりかしら……確かにこの暗い森の中に隠れられると見つけるのは苦労するけど……そんな面倒くさいことしないわよ?」
スカーレットはそう言って、何やら呪文を唱え出した。すると、スカーレットの真上に巨大な炎の塊がみるみる出来上がっていた。
「まずはこの辺りを焼き付くそうかしら……火炎術・焔玉!」
スカーレットが放った炎の塊によってましろとは反対側に生えていた木々が一瞬で焼き尽くされてしまった。
「(うそだろ!?森のおよそ3分の1が今ので消えたのか?)」
……こんなやつと距離をとっても焼き殺されるだけだ!
「ふ~ん……今のは外れみたいね。次はこっち側を焼こうかしら」
スカーレットはさっきと同じ呪文を唱えだした。
「これでもくらいやがれ!」
ましろはとっさにスカーレットの背後に飛び出し、剣で斬りかかった。
しかし、スカーレットは後ろに目があるかのようにあっさりと避けてしまった。
「残念だけど、わたしくらいになると戦闘中でも探知くらいできるのよ?」
スカーレットは炎を生成しながらましろの探知もやってのけていた。
(……てことは、俺がどこに隠れているのか解っていたのにあんな生霊術を使ったのか……)
「どうする?もう降参する?」
スカーレットは炎の塊を生成しながらそう言ってきた。
恐らくここで素直に敗けを認めれば、依頼は達成できないが命は助かるだろう……
「……う……よ」
「なにかしら?」
「うるせーって言ってるんだよ!」
ましろはそう叫び、ありったけの残留思念を使って水の剣を生成した。
ましろは全力で斬りかかったが、スカーレットに当たる寸前で水の剣が蒸発してしまった。
「くっそ……」
「よく考えたけど、わたしの炎は本気を出せば地面をも溶かすのよ……それじゃあ、さようなら」
スカーレットはそう言って真上にあった巨大な炎の塊を放ってきた。
力を使い果たし身動き一つ取れないましろに向かって炎の塊が飛んできて……辺り一面を焼き尽くした……
ましろとせつなは情報にあった町外れの森の中にいた。
なんでもお祓いをしようとした死霊殺しが町で人を襲わないようにこの森の中に閉じ込めたらしいのだ。
森の中を探し回って30分ほど経ってしまったが目的の生霊には出会えていない。
「せつなは生霊みかけたか?」
「見てない……それどころか気配も感じない」
ある程度の実力があると生霊術を用いることで生き物だけでなく生霊や死霊の気配を探る事ができる。まだましろにはできないが……
「せつなの探知に引っ掛からないってことはもう少し奥のほうかな?」
せつなの実力は相当なものなので、ましろはそう判断したのだが……
「次は君たちがわたしをお祓いするのかい?」
突然後ろから声をかけられた。
驚いて後ろを振り替えると血のように真っ赤な髪をした女の人が立っていた。
「……スカーレットさんですか?」
ましろはターゲットの名前を呼んでみた。
「ん?わたしの名前を知っているってことは、ゼフレンに雇われたのかな?」
どうやら目の前に立っている女の人がましろたちのターゲットで間違いなさそうだ。
「はい。ゼフレンさんに言われましたが、抵抗しないのであればお祓いします……抵抗するのであれば……」
ましろが続きを話そうとすると、突然スカーレットは笑いだした。
「アハハッ!わたしを退治するつもりなの?見たところ駆け出しの新人ちゃんでしょ?その程度の実力で倒せるほどわたしは弱くないわよ……まあ、そちらのお嬢さんも戦うなら話は別だけど……よくわからないけど、相当な強さでしょ?」
スカーレットはせつなの方を気にしながらもそう言ってきた。
どうやらこの人もかなりの実力者のようで、せつなが精霊ということには気付いていないが実力は見抜いている。
「わたしは何もしないわよ。戦うのはましろだけよ」
せつなはどうでも良さそうにそう言う。
「そう?……なら坊やは逃げた方がいいと思うけど?」
スカーレットは余裕の表情を浮かべている。
「やってみなきゃ……わからないだろ!」
ましろはそう叫ぶのと同時に片手剣を生霊術で生成しスカーレットに斬りかかった。
「思ったよりやるじゃない……けど」
スカーレットは少し体を捻らせるだけで、ましろの攻撃を避け体の周りに高熱の炎を纏った。
「これで、近づけないわよ」
「くっ!」
ましろはスカーレットが放った炎の塊に少し当たってしまい左腕を火傷してしまった。
「動きも悪くないし生霊術の技術もそれなりだけど……わたしと殺り合うにはまだ若すぎね」
スカーレットは次々と武器を生成して飛ばしてくる。ましろは森の木を盾にしながら辛うじて避けている。
(ここは、一旦距離を取らないとどうしようもない……)
ましろはスカーレットから離れて森の中に身を隠した。
「あら?かくれんぼのつもりかしら……確かにこの暗い森の中に隠れられると見つけるのは苦労するけど……そんな面倒くさいことしないわよ?」
スカーレットはそう言って、何やら呪文を唱え出した。すると、スカーレットの真上に巨大な炎の塊がみるみる出来上がっていた。
「まずはこの辺りを焼き付くそうかしら……火炎術・焔玉!」
スカーレットが放った炎の塊によってましろとは反対側に生えていた木々が一瞬で焼き尽くされてしまった。
「(うそだろ!?森のおよそ3分の1が今ので消えたのか?)」
……こんなやつと距離をとっても焼き殺されるだけだ!
「ふ~ん……今のは外れみたいね。次はこっち側を焼こうかしら」
スカーレットはさっきと同じ呪文を唱えだした。
「これでもくらいやがれ!」
ましろはとっさにスカーレットの背後に飛び出し、剣で斬りかかった。
しかし、スカーレットは後ろに目があるかのようにあっさりと避けてしまった。
「残念だけど、わたしくらいになると戦闘中でも探知くらいできるのよ?」
スカーレットは炎を生成しながらましろの探知もやってのけていた。
(……てことは、俺がどこに隠れているのか解っていたのにあんな生霊術を使ったのか……)
「どうする?もう降参する?」
スカーレットは炎の塊を生成しながらそう言ってきた。
恐らくここで素直に敗けを認めれば、依頼は達成できないが命は助かるだろう……
「……う……よ」
「なにかしら?」
「うるせーって言ってるんだよ!」
ましろはそう叫び、ありったけの残留思念を使って水の剣を生成した。
ましろは全力で斬りかかったが、スカーレットに当たる寸前で水の剣が蒸発してしまった。
「くっそ……」
「よく考えたけど、わたしの炎は本気を出せば地面をも溶かすのよ……それじゃあ、さようなら」
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