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生徒会のお仕事Ⅴ
生徒会のお仕事Ⅴ⑤
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「うああああああぁぁーーー!!!!」
大声で叫び、ソファの上で転げ回る男子高校生の姿がここにはあった。……というか、転げ回っていたのは俺だった。
「お兄ちゃんどうしたの?見ててかなりキモいんだけど……」
人をまるでゴミかなにかのように見ているのは妹の由依だ。
確かに、自分の兄がソファの上で奇声を上げながら転げ回る光景というのはなんというか……キモいの一言に限る。
しかし、俺にも奇声を上げた理由があるのだ。そこだけは理解してもらいたい。
「俺がキモいのはいつものことだが、今日だけは許してくれよ。せっかくヤル気を出したのに、全然いい方法が思い付かないんだよ……」
俺がそう言うと、由依の方からゴトリと何か固いものが地面に落ちた音がした。
筋トレ用のダンベルでも落としたのかと思ったが、どうやら由依がスマホを落としてしまったらしい。
「なに、どしたの?」
「お兄ちゃんがヤル気を……出した?」
「おいおい、まるで俺が今までヤル気を出したこと無いような言い方だなぁ」
「だって、お兄ちゃんがヤル気を出すなんて今まで聞いたこと無いし」
由依は顔を真っ青にしてそう言った。
確かに俺は基本ヤル気は無いが、別に人生で一度くらいヤル気をだして頑張ったことくらい……あっ、俺人生でヤル気を出したことないわ!……
由依は本当にビックリしているらしく、「明日世界が滅ぶんじゃ……」とか「お兄ちゃん変な病気にかかって余命が3日とかじゃないよね?」なんて言ってくる。
「どれも違うわ!今回は俺でもヤル気を出さなきゃいけないんだよ」
「へー、どんな理由があるの?」
由依は棒読みでそう言うと、俺のとなりに座ってこっちを見ている。……お前興味あるの無いのどっちなの?……
「まあ、アレだ。友達と楽しく過ごしたいって理由だ」
「友達ね……」
友達……由依はその言葉にピクリと反応すると、何故か表情が暗くなった。
この反応、これはもしや……
「なに、お前って友達いないの?」
「いる!……くはないけど……もう……」
由依にしては珍しく、どんどん声が小さくなっていった。
何かあったのかもしれないけど、俺に出来ることなんてないし俺が聞くのもヤボってものだ。それに、由依が何も言わないということは言いたくないということだろう。
俺はそんな理由から由依に何も聞かず自分の話をすることにした。
「由依はさ、体育祭を延期するならどうする?」
リンコ先輩のケガはどうやっても治るのに一ヶ月はかかるだろう。だったら、リンコ先輩と体育祭に出るためには体育祭を延期するしかない。
俺はその方法をずっと考えていたので、由依に聞いてみたのだが……
「え、そんなのムリでしょ」
帰って来たのはそんな言葉と由依の「コイツ何言ってんの?」という冷たい視線だった。……いや、せいぜい「コイツ頭おかしくなったのかぁ」くらいの哀れむ視線だな。まあ、どっちにしても妹からそんな視線で見られる兄なんて普通はいないけど……
「だよな。けど俺はなんとしても体育祭を延期しなくちゃならないんだよ」
「う~ん……あっ!生徒全員が体育祭をボイコットとかしたらいいんじゃない?」
「それこそ無理だろ?というか、ボイコットしちゃったら延期じゃなくて中止になるな」
「やっぱり、無理だと思うよ。お兄ちゃんって変な屁理屈しか考えられないから、もっと頭のいい人に相談したらいいんじゃない?私も頭よくないし」
「屁理屈ってな……俺のは立派な理由になってるだろ?」
俺の言葉に対し由依はタイムラグゼロで無い無いと手を横に振っていた。
「やっぱり無理かあ……」
「だと思うよ……」
雛田家のリビングでは、この後小一時間ほどため息が続いていた。
大声で叫び、ソファの上で転げ回る男子高校生の姿がここにはあった。……というか、転げ回っていたのは俺だった。
「お兄ちゃんどうしたの?見ててかなりキモいんだけど……」
人をまるでゴミかなにかのように見ているのは妹の由依だ。
確かに、自分の兄がソファの上で奇声を上げながら転げ回る光景というのはなんというか……キモいの一言に限る。
しかし、俺にも奇声を上げた理由があるのだ。そこだけは理解してもらいたい。
「俺がキモいのはいつものことだが、今日だけは許してくれよ。せっかくヤル気を出したのに、全然いい方法が思い付かないんだよ……」
俺がそう言うと、由依の方からゴトリと何か固いものが地面に落ちた音がした。
筋トレ用のダンベルでも落としたのかと思ったが、どうやら由依がスマホを落としてしまったらしい。
「なに、どしたの?」
「お兄ちゃんがヤル気を……出した?」
「おいおい、まるで俺が今までヤル気を出したこと無いような言い方だなぁ」
「だって、お兄ちゃんがヤル気を出すなんて今まで聞いたこと無いし」
由依は顔を真っ青にしてそう言った。
確かに俺は基本ヤル気は無いが、別に人生で一度くらいヤル気をだして頑張ったことくらい……あっ、俺人生でヤル気を出したことないわ!……
由依は本当にビックリしているらしく、「明日世界が滅ぶんじゃ……」とか「お兄ちゃん変な病気にかかって余命が3日とかじゃないよね?」なんて言ってくる。
「どれも違うわ!今回は俺でもヤル気を出さなきゃいけないんだよ」
「へー、どんな理由があるの?」
由依は棒読みでそう言うと、俺のとなりに座ってこっちを見ている。……お前興味あるの無いのどっちなの?……
「まあ、アレだ。友達と楽しく過ごしたいって理由だ」
「友達ね……」
友達……由依はその言葉にピクリと反応すると、何故か表情が暗くなった。
この反応、これはもしや……
「なに、お前って友達いないの?」
「いる!……くはないけど……もう……」
由依にしては珍しく、どんどん声が小さくなっていった。
何かあったのかもしれないけど、俺に出来ることなんてないし俺が聞くのもヤボってものだ。それに、由依が何も言わないということは言いたくないということだろう。
俺はそんな理由から由依に何も聞かず自分の話をすることにした。
「由依はさ、体育祭を延期するならどうする?」
リンコ先輩のケガはどうやっても治るのに一ヶ月はかかるだろう。だったら、リンコ先輩と体育祭に出るためには体育祭を延期するしかない。
俺はその方法をずっと考えていたので、由依に聞いてみたのだが……
「え、そんなのムリでしょ」
帰って来たのはそんな言葉と由依の「コイツ何言ってんの?」という冷たい視線だった。……いや、せいぜい「コイツ頭おかしくなったのかぁ」くらいの哀れむ視線だな。まあ、どっちにしても妹からそんな視線で見られる兄なんて普通はいないけど……
「だよな。けど俺はなんとしても体育祭を延期しなくちゃならないんだよ」
「う~ん……あっ!生徒全員が体育祭をボイコットとかしたらいいんじゃない?」
「それこそ無理だろ?というか、ボイコットしちゃったら延期じゃなくて中止になるな」
「やっぱり、無理だと思うよ。お兄ちゃんって変な屁理屈しか考えられないから、もっと頭のいい人に相談したらいいんじゃない?私も頭よくないし」
「屁理屈ってな……俺のは立派な理由になってるだろ?」
俺の言葉に対し由依はタイムラグゼロで無い無いと手を横に振っていた。
「やっぱり無理かあ……」
「だと思うよ……」
雛田家のリビングでは、この後小一時間ほどため息が続いていた。
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