61 / 61
生徒会庶務のお仕事!
生徒会庶務のお仕事!⑫
しおりを挟む
決闘……それはデュエリストたちによる熱きカードバトル……って、これは違うか。ブラックでマジシャンなガールに性癖を崩された少年であるところの俺は、決闘と聞くと真っ先にそっちが思いついてしまうが、恐らく今回はそうではない。
会長さんのことなので、万が一ということも考えられるが果たし状? らしきものから考えるに、これから会長さんと俺は少年マンガ的な展開を繰り広げることになるはずだ……あれ? でもよくよく考えたらアレも少年マンガだし、ワンちゃん会長さんの言う勝負ってカードゲームのことなのかしらん。あー、俺の最強デッキ捨てるんじゃなかったなぁ。せめて売るんだったなぁ……って、絶対違うな。会長さん頭脳戦苦手そうだし……。ちなみに、最近父親が気にしているのは血糖値である。けっとうだけに。
などと、そんなどうでもいいことを考えていても足は勝手に進み、気づくと家の近くまで着ていた。
いつもは帰りたくて仕方ない我が家だというのに、会長さんが待ち伏せていると思うと、かなり帰りたくない。というか、会長さんには早く自分の家に帰ってほしい。
……よし。会長さんには、俺の秘蔵コレクション。ブラックでマジシャンなガールのキラキラカードを一枚だけ渡して帰ってもらおう。
そんなことを考えていたからだろうか、最後の曲がり道を曲がった瞬間、玄関前に立つ大きな獣と目があった。
「ヒナー!! まちわびたぞおおお!!! 私と勝負だあああぁぁぁ!!!」
なんてことはない。
会長さんは人ん家のまん真ん前で待ち伏せていた。
そして、目をギラつかせた会長さんが、俺の方へと真っ直ぐにダッシュしてくる。
「げっ!?」
「あっ、こらヒナ! にげるなあ!」
「そりゃ逃げるわ! 俺を捕まえてボコボコにするんでしょ!?」
「はて? 私はただ、ヒナと一緒にデュエルしようと思ってだなあ……」
そんな、まさかの会長さんのの一言と、とっくにスタミナが切れたこともあって俺の足は止まってしまった。
そして、数秒と待たずに会長さんが追い付いてきた。
「いやいや、会長さん勝負って言ってましたよね。ふつう、勝負ってもっとこう……ケンカてきな」
「何を言ってるんだヒナ。勝負と言えば決闘、決闘と言えばデュエル! ブラックでマジシャンなガールに性癖を狂わされた私たちの世代では、そんなのカードバトルに決まっているだろう」
……アンタもかい。いや、何がとは言いませんけど……。
「……まあ、言いたいことはわかりましたけど、俺カードもう捨てちゃったんですが」
「それなら大丈夫だ! カードいっぱいもってきたから」
そう言って、会長さんは子供みたいな笑顔を見せた。
それからしばらく。
俺と会長さんは、カードバトルに始まり、トランプにテレビゲーム。しいてはしりとりまでも含めた謎の勝負を延々と繰り返した。戦績は俺の全勝に終わっている。……なんというか、会長さんはやること成すこと真っ直ぐすぎて分かりやすすぎるんだよなぁ。あとアホだし。
「よし。もう時間も遅いし、これで最後だ。これでかった方が今日の勝負、勝ちってことで」
会長さんがそう言うころには、かなり時間がたっていて時刻は7時前。
まあ、たしかに遅い時間だ。
それは、わかるのだが……
「どう考えても今日の勝負は、俺の勝ちでしょ?」
「い、いや……最後は十万点入るから、これで決める!」
「そ……そうですか」
某スポーツ番組みたいな点数配分に若干引いていたが、よくよく考えてみれば俺もよくその手を使うのであまり会長さんのことを言えなかった。
それを誤魔化すようにして、会長さんに先を促す。
「それで、次はなんの勝負ですか?」
「うむ、最後はじゃんけんでいこう!」
「……は?」
え、散々やってきてじゃんけんで終わり?
いや、まあ俺は別にいいんですけど、会長さんてたしか……
「よし!それじゃあいくぞ! じゃんけん……」
不意打ちかましてくる会長さんだったが、甘い。甘すぎる。そんなの栗きんとんよりも甘いね。
じゃんけんとは、一見するとただの運勝負のようにも見えるが実はそうではないのだ。
様々なパターンがあるが、今回は不意打ち。
不意打ちの場合は、不意打ちをかけられた方がどうしても不利になる。何を出すか考える時間すらなく、ただただグーを出してしまうことも多々。結果、あっけなく不意打ちによって破れ去る者たちが多数発生しているのだ。
恐らくは、会長さんも最後の勝負だということで、少しは知恵を使ったのだろう。だが、甘い。甘すぎる。そんなの栗きんと(以下略)。
俺は、不意打ちに慣れているのだ。……まあ、主に仕掛ける側ではあるが。
会長さんの頭には、俺がグーを出すことしか考えられていないはず。最後の勝負にかけているからこそ、ここで百パー取りに来るに決まっている。
だったら、会長さんはパーしか出さない。
ここまでわかれば簡単だ。
俺は不意打ちに引っ掛かったフリをして、チョキを出せばいい。
それで俺の勝ちだ。……ほんと、会長さんの考えは甘い。甘すぎる。そんなの(以下略)。
「なっ!?」
俺は、計画通りわざとらしく驚きながらじゃんけんをする。
会長さんは、そんな俺の姿を満足げに見ながら右手を振り下ろしていた。
そして……
「「ぽん!」」
……場に出た手は、何故かグーとチョキだった。
「は?」
「……いよーし!! 私の逆転だあ!!」
「な、はああ!?」
……え、なんでこの人グー出してんの? パーじゃないの?
「ふっふっふ。やはりじゃんけんはグーからだな」
不敵な笑みを浮かべる会長さんに、まさかと嫌な予感が頭を過る。
そう、この人が俺の想像以上にアホな人なのではという予感が。
「あの……まさかですけど会長さん。それ『最初はグー』って掛け声と混同してません?」
「え、アレってじゃんけんの必勝法だろ? 小さい頃よくやってたし……さて。てなわけで、勝者の言うことを何でも一つだけ聞いてもらえるのだが……」
……それ聞いてねぇ。
「とりあえず……今日はもう遅いし、私を途中まで送ってくれないか?」
「じゃあ、それで言うこと聞いたってことで」
「何を言ってるんだヒナ。レディを送り届けるくらい男の子なら当たり前のことだろう。私の身に何かあったらどうするんだ」
……いや、会長さん強いんで襲われても大丈夫だと思いますけど?
とまあ、抵抗もむなしく、俺は会長さんを送ってあげることになってしまった。
会長さんのことなので、万が一ということも考えられるが果たし状? らしきものから考えるに、これから会長さんと俺は少年マンガ的な展開を繰り広げることになるはずだ……あれ? でもよくよく考えたらアレも少年マンガだし、ワンちゃん会長さんの言う勝負ってカードゲームのことなのかしらん。あー、俺の最強デッキ捨てるんじゃなかったなぁ。せめて売るんだったなぁ……って、絶対違うな。会長さん頭脳戦苦手そうだし……。ちなみに、最近父親が気にしているのは血糖値である。けっとうだけに。
などと、そんなどうでもいいことを考えていても足は勝手に進み、気づくと家の近くまで着ていた。
いつもは帰りたくて仕方ない我が家だというのに、会長さんが待ち伏せていると思うと、かなり帰りたくない。というか、会長さんには早く自分の家に帰ってほしい。
……よし。会長さんには、俺の秘蔵コレクション。ブラックでマジシャンなガールのキラキラカードを一枚だけ渡して帰ってもらおう。
そんなことを考えていたからだろうか、最後の曲がり道を曲がった瞬間、玄関前に立つ大きな獣と目があった。
「ヒナー!! まちわびたぞおおお!!! 私と勝負だあああぁぁぁ!!!」
なんてことはない。
会長さんは人ん家のまん真ん前で待ち伏せていた。
そして、目をギラつかせた会長さんが、俺の方へと真っ直ぐにダッシュしてくる。
「げっ!?」
「あっ、こらヒナ! にげるなあ!」
「そりゃ逃げるわ! 俺を捕まえてボコボコにするんでしょ!?」
「はて? 私はただ、ヒナと一緒にデュエルしようと思ってだなあ……」
そんな、まさかの会長さんのの一言と、とっくにスタミナが切れたこともあって俺の足は止まってしまった。
そして、数秒と待たずに会長さんが追い付いてきた。
「いやいや、会長さん勝負って言ってましたよね。ふつう、勝負ってもっとこう……ケンカてきな」
「何を言ってるんだヒナ。勝負と言えば決闘、決闘と言えばデュエル! ブラックでマジシャンなガールに性癖を狂わされた私たちの世代では、そんなのカードバトルに決まっているだろう」
……アンタもかい。いや、何がとは言いませんけど……。
「……まあ、言いたいことはわかりましたけど、俺カードもう捨てちゃったんですが」
「それなら大丈夫だ! カードいっぱいもってきたから」
そう言って、会長さんは子供みたいな笑顔を見せた。
それからしばらく。
俺と会長さんは、カードバトルに始まり、トランプにテレビゲーム。しいてはしりとりまでも含めた謎の勝負を延々と繰り返した。戦績は俺の全勝に終わっている。……なんというか、会長さんはやること成すこと真っ直ぐすぎて分かりやすすぎるんだよなぁ。あとアホだし。
「よし。もう時間も遅いし、これで最後だ。これでかった方が今日の勝負、勝ちってことで」
会長さんがそう言うころには、かなり時間がたっていて時刻は7時前。
まあ、たしかに遅い時間だ。
それは、わかるのだが……
「どう考えても今日の勝負は、俺の勝ちでしょ?」
「い、いや……最後は十万点入るから、これで決める!」
「そ……そうですか」
某スポーツ番組みたいな点数配分に若干引いていたが、よくよく考えてみれば俺もよくその手を使うのであまり会長さんのことを言えなかった。
それを誤魔化すようにして、会長さんに先を促す。
「それで、次はなんの勝負ですか?」
「うむ、最後はじゃんけんでいこう!」
「……は?」
え、散々やってきてじゃんけんで終わり?
いや、まあ俺は別にいいんですけど、会長さんてたしか……
「よし!それじゃあいくぞ! じゃんけん……」
不意打ちかましてくる会長さんだったが、甘い。甘すぎる。そんなの栗きんとんよりも甘いね。
じゃんけんとは、一見するとただの運勝負のようにも見えるが実はそうではないのだ。
様々なパターンがあるが、今回は不意打ち。
不意打ちの場合は、不意打ちをかけられた方がどうしても不利になる。何を出すか考える時間すらなく、ただただグーを出してしまうことも多々。結果、あっけなく不意打ちによって破れ去る者たちが多数発生しているのだ。
恐らくは、会長さんも最後の勝負だということで、少しは知恵を使ったのだろう。だが、甘い。甘すぎる。そんなの栗きんと(以下略)。
俺は、不意打ちに慣れているのだ。……まあ、主に仕掛ける側ではあるが。
会長さんの頭には、俺がグーを出すことしか考えられていないはず。最後の勝負にかけているからこそ、ここで百パー取りに来るに決まっている。
だったら、会長さんはパーしか出さない。
ここまでわかれば簡単だ。
俺は不意打ちに引っ掛かったフリをして、チョキを出せばいい。
それで俺の勝ちだ。……ほんと、会長さんの考えは甘い。甘すぎる。そんなの(以下略)。
「なっ!?」
俺は、計画通りわざとらしく驚きながらじゃんけんをする。
会長さんは、そんな俺の姿を満足げに見ながら右手を振り下ろしていた。
そして……
「「ぽん!」」
……場に出た手は、何故かグーとチョキだった。
「は?」
「……いよーし!! 私の逆転だあ!!」
「な、はああ!?」
……え、なんでこの人グー出してんの? パーじゃないの?
「ふっふっふ。やはりじゃんけんはグーからだな」
不敵な笑みを浮かべる会長さんに、まさかと嫌な予感が頭を過る。
そう、この人が俺の想像以上にアホな人なのではという予感が。
「あの……まさかですけど会長さん。それ『最初はグー』って掛け声と混同してません?」
「え、アレってじゃんけんの必勝法だろ? 小さい頃よくやってたし……さて。てなわけで、勝者の言うことを何でも一つだけ聞いてもらえるのだが……」
……それ聞いてねぇ。
「とりあえず……今日はもう遅いし、私を途中まで送ってくれないか?」
「じゃあ、それで言うこと聞いたってことで」
「何を言ってるんだヒナ。レディを送り届けるくらい男の子なら当たり前のことだろう。私の身に何かあったらどうするんだ」
……いや、会長さん強いんで襲われても大丈夫だと思いますけど?
とまあ、抵抗もむなしく、俺は会長さんを送ってあげることになってしまった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる