星の船・愛の船

もらわれっこ

文字の大きさ
2 / 5

星の船・愛の船2

しおりを挟む
    「おはようございます、今日1日よろしくお願いします。」

    「こ……こちらこそ…」

    大丈夫かな?凄く顔が赤くなっている。それにしどろもどろだし。今日1日持つのかな?まずはスタッフルームでお茶を飲みながら、お話しよう。

    「単刀直入に聞くよ。僕の担当になりたくなかった?」

   「い……いいえ!嬉しかったです!!本当に嬉しかったです!貴方の担当になることが出来ましたから。」

    「?でも、余り嬉しそうに見えないし、他の人達と反応が違うよ?」

    「!それは…他の人はわかりませんが、私は嬉しかったです。他の人達と反応が違うかも知れませんが……」

    顔が物凄く赤くなっている。『頭から湯気が出そうな』と、言う表現がピッタリくるみたいだけど。本当に熱が無いのかな?

    「!!い…いきなり、な…何するんですか!!」

    おでこに手を当てたら怒らせてしまった。?違う?ビックリした?本当に反応が面白い。いままでの人達は、そんな風にしなかったし答えてくれなかった。僕より年上なのに、なんかカワイイな。頭を撫でてあげよう。

    「いままでこの船で見かけなかったけど、何処のエリアにいたの?」

    「あ……えっと……スタッフ予備の1人です……何処のエリアでもありません……マザーコンピューターから聞いたことはありませんか?」

    スタッフ予備?聞いたことはないかな?……首をかしげて考えても思い出せない……

    「聞いたことは…ない…かな?多分僕には、必要ないと判断されたかもしれない。」

    「そうですか……では、これを忘れてください…と、言っても…ダメでしたね…」

    そう、忘れることが出来ない……僕は、全てを覚えてなくちゃいけないから。そういう立場だから。

    「うん、知ってると思うけど覚えていなくてはいけないんだ。だからマザーコンピューターは、僕をあの場所に置くんだと思うよ。でも、君の話で多分僕の予備も居るとわかったよ。」

    淡々と話をしていたら何故か目の前が暗くなった……なに?と思ったら抱きしめられていた。何で?だろうこんなの分からない。

    「何?」

    「……僕がこうしたいと思ったからです……」

    ますます分からない。でも、これで気がすむなら、しばらくこのままでいよう。

    ……心臓の音って落ち着くな……何かの本に書いてあった……母親の体内にいる時を思い出すから……だっけ?でもおかしいな。僕には、親は居ないはず。マザーコンピューターが精子と卵子を選び、培養液の中で育て上げたから。でも、この音を聞いてると眠くなる。ファー……眠い……スゥスゥ……

    ……うーん…良く寝た…?あれ?えっと?

    「あ……起きましたか?」

    「??」

    ??僕何で此処で寝ているの?これって膝枕?

    「?えっと?何で?」

    「あの、眠ってしまったので横にしました。覚えてますか?」

    あぁ、いきなり抱きしめられて、そしたらなんか眠くなって、そのまま眠ってしまったんだ。

    「心臓の音を聞いてたら、何か眠くなって………。どのくらい眠っていたの?」

    「一時間位です。」

    「ふーん、その間何をしていたの?」

    「何も………」

    「何もしないでいたの?」

    「はい………」

    「何もしないで、ただ僕の顔を見てたの?」

    『ボン!!』ていう音が聞こえて来そうなほど、一気に赤くなった。そうして、僕から見ても面白いくらい動かなくなった。

    「オーイ。」

    声をかけても、反応がない。ペチペチ頬を叩いても反応がない。

    「オーイ!カルシュ!」

    今度は少し強めに声をかけて、顔を近づけて見た。

    「……うわっ!?な…何をしてるんですか!?」

    ??何をって動かないから、おでこ同士をくっ付けてみたんだけど、何処かおかしかったのかな?

    「カルシュこそどうしたの?熱はないのに赤くなるし、いきなり挙動不審になるし。」

    おでこをつけたまま聞いてみる。本当に反応が面白いな。顔を赤くさせ口をパクパクさせながら離れていく。追いかけようとしたらますます離れていく。追い掛けっこ?スタッフルームの中で追い掛けっこが始まった。

    「何で追い掛けて来るんですか?」

    何故って………

    「逃げてるから捕まえようと思って!」

    数分間の追い掛けっこ……カルシュが諦めて捕まってくれた。

    「捕まえた!」

    「捕まって挙げたんです。何なんですか?いきなり。」

    逃げるから追い掛けただけだし、これと言って理由はないかな?何でだろう?あえて言えば……

    「心臓の音が聞きたい、落ち着くから。」

    と、言って抱きしめた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...