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裏エピローグ
第69話 CRサンダーキング3000
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CRサンダーキング3000。
大当たり確立99分の1。1R1000発のST【サンダータイム】を刻んでいくのが主な勝ち筋。でかい一発よりも小当たりを重ねて勝ちに行くマイルドに遊べるタイプのパチンコ。だからと言って一撃性がない訳ではなく、プレミアフラグを引けば1R3000発の上位ST【ライジンタイム】に入り、数万発オーバーの出玉を容易に獲得できる爆発力も兼ね備えたパチンコ台だ。
雷丈家が監修に携わっており、プレミアフラグを引くと何とサンダージョーの笑顔が大アップで液晶に表示される嬉しい演出がついてくる。「ぼぼぼぼぼ僕が神の子だァだァだァ――」というサンダージョー本人録り下ろしの大当たり肉声ボイスが数あるパチンコ台の中でも屈指の大音量で店中に轟くのだ。サンダージョーが開発現場で発揮した旺盛なサービス精神の賜物だ。雷丈家が開発したパチンコ台の中でもこの台だけはサンダージョーが完全監修したのだ。サンダージョーがプロデューサーを務めた唯一の作品。サンダージョーにとっては思い出深い台だった。
総合的なスペックも甘デジにしては破格の甘さで、高性能かつ嬉しいプレミア演出つきの上位STまで搭載しており、試し打ちした人間からはもれなく名機と呼ばれた完成度の高さにも関わらず高い撤去率と低い実売数で雷丈家を悩ませた曰く付きの台だ。最終的にはスペックは殆どサンダーキング3000据え置きで演出キャラを水着の女の子に総入れ替えしただけの超手抜き台サンダーマリン1582という超大ヒット機との抱き合わせ販売で何とか捌き切った。台自体のポテンシャルは相応にあったのだ。何がとは言わないが致命的な欠点を公式が仕様として搭載していただけで。
それ以降、サンダージョーは正人から雷丈家の副家業の一つであるはずがその収益率の高さが最近では本家業を追い抜き始めているパチンコ台開発の現場への立ち入りを固く禁じられ、サンダーキング3000はサンダージョーが開発に携わった唯一のパチンコ台となった。それゆえ、サンダーキング3000へのサンダージョーの思い入れはそれなりに深いものがあった。
嫌なことがあったら釘など見もせずボーっと家の金を使ってプレミア演出見たさに一日中レバーを回し続ける程度には。
「……でねぇ」
笑顔どころか前向きな感情の欠片すらない死んだ目でサンダージョーは力なくレバーを回し続ける。サンダージョーも設計を失敗したなと思っている爆雷王ナックルを模した役物で隠れて見えづらい台上部のデータカウンターに表示される回転数は2993。サンダージョーは99分の1の確率で当選するはずの大当たりにもう2993回連続で落選していた。
ざっくりと確率計算すると0.001%以下の確率となる。パチンコ開発に携わったことのあるサンダージョーには簡単な確率計算なら一瞬で答えを弾き出せると言う特技があった。天性のものだった。サンダージョーは割と天才肌なのでやろうと思えば大体何でもできてしまうところがあった。その中でもパチンコ開発には特に天性の才能があった。全てが噛み合った。そして性にあった。正人にさえ許されればサンダージョーはパチンコ台開発者になろうとさえ思っていた。そんなサンダージョーが精魂込めて監修し最高の台を作ったという確信の下世に送り出した台。それがサンダーキング3000だ。しかしサンダーキング3000は死ぬ程評判が悪かった。
正人は詳しく理由を離さないまま開発現場からサンダージョーを追い出したので正確な原因は分からないがおそらく頭上の爆雷王ナックルの役物のせいだろうとサンダージョーは思う。サンダージョーはイかしていると思うナックルの造形が一般的には際物の範疇に入ることをサンダージョーはよく理解していた。しかしそれでもナックルにこだわりたかったのだ。初めて作るパチンコ台だから1個人のこだわりが出過ぎた。ユーザーの気持ちを無視して感性の押し付けを行えば、それもこんな目立つ役物をデータカウンターの読み取りの邪魔になるところに配置すれば打たれるまでもなくユーザーからそっぽを向かれることは自明の理だった。
打ちさえすれば最高の台だと分かってもらえると今でもサンダージョーは思っている。だがサンダージョーはサンダーキング3000が打たれているところを滅多に見たことがない。大体いつも一人で打っている。たまに打ってる人間を見かけるがサンダージョーが打ち始めてから数分~数十分程度で去ってしまう。それを見ると通常時の演出も間違っていたのかなとサンダージョーは思う。有名機種を類型分けして現行ユーザーの好みを割り出し特にプライドもなく人気機種の演出をパロったりしたのだがやはりそういう手練手管は嫌われるリスクもあると言うことだろう。
それでもプレミア演出さえ、プレミア演出さえ見てもらえばサンダーキング3000に嵌まると言う絶対の自信がサンダージョーにはあった。事実、以前サンダージョーが見かけたプレミア演出を引き当てた客はあまりの感動に数秒間絶句した後、喜んでSTを消化していた。言葉を失うほどの感動とは中々生み出せない。やはり己が精魂込めて作り上げたプレミア演出は最高の出来栄えだったとあの客の反応を思い出す度今でもサンダージョーは笑顔が零れる。
ただ、やはりプレミアはプレミア。滅多に見れないもの。それよりは通常演出にこそサンダージョーを押し出すべきだっただろう。開発者の一人にサンダージョーはその存在価値を思えばプレミア以外絶対ありえないと言われて押し切られてしまったが、もしもありえない次の機会があれば絶対通常時からサンダージョーをアピールしていこうとサンダージョーは思っている。代わりに爆雷王ナックルに役物と数字の7からプレミア演出に昇格してもらおうとも。あのビジュアルは人受けしなさ過ぎた。デザインセンスの欠如。それがサンダーキング3000の最大の失敗だ。
ナックルのプレミア演出への昇格はナックルの供養にも丁度いいだろうなと、サンダージョーはふと思った。
「……ナックル、さま」
ナックルは蘇生されなかった。クロノスが時の逆行による蘇生の対象から外したのだ。決闘後、ナックルのカードがどこにもないことに気づいたサンダージョーが半狂乱でマギサに詰め寄ると、簡易召喚で呼び出されたクロノスがこう言ったのだ。
「あいつにはもう改心する未来が残されていない。バエルと違って、あいつは芯から腐った。だから蘇生させなかった。生きててもこの世に害を齎すだけだからな。滅んだままにしといたのだよ」
泣きながらナックルの助命を請うサンダージョーに「君は良い奴なのだな。だが駄目だ」と言ったところでマギサが簡易召喚を解いた。説明責任は果たしたと。そして「もう生命力が空だから召喚しろと言われても無理だ。24時間が経過したらもう蘇生できない。これから自分は寝るからあんたも帰れ」と言って本当に帰ってしまったのでもうどうしようもなかった。
ナックルの魂ごとの喪失もまたサンダージョーが不貞腐れてパチンコを打っている理由の一つだった。
「……まったく、でねぇ」
プレミア演出がではない。いや、それもだが、普通の当たりがだ。確率的に考えればあり得ないことだ。これまでで間違いなく最大の嵌まりだった。甘デジなのだ。99分の1なのだ。確率分母が319のミドルではないのだ。ありえないことなのだ。絶対にあってはならないことなのだ。
絶対に合ってはならないことがラグナロク学園に入学してから続けて起こる。全てのケチの付き始めはやはり天之玄咲とかいう異様に目つきが悪く悪魔のように強い地獄のように恐ろしい男だ。サンダージョーはあの男に関わったことを心から後悔していた。
あの男に数限りない暴虐を受けた。あの男の精霊からはそれに100倍するほどの暴虐を。そして学園長にはその精霊の暴虐を100分の20程度再体験させられた。地獄だった。それでも天性のメンタルの丈夫さを持つサンダージョーにはまだこうしてパチンコを打って現実逃避をするだけの余裕があった。
しかしエクスキューショナーの他の隊員はそうではない。全員再起不能の心の傷を負った。中には即日自殺したものもいる。岩下若芽という隊員だ。サンダージョーは無理もないと思っていた。そして同時に、あんな暴虐を受けても平静を保っていられるのってこの世で僕だけじゃん? そんな風に自慢げにも思っていた。
だから、サンダージョーが今こうして失意のドン底でパチンコを打っているのは、間接的には天之玄咲が原因だが、直接的には違う。
ハンドルを回すサンダージョーの手に涙がほろり、一粒落ちた。
「うぅ、正人おじさまがあんなに僕のことを罵るなんて生まれて初めてだ。うぅ、ううぅっ……! うわぁあああああああああああああっ! ちょっと失敗した途端この様だ! 愛されてなんてなかった! やっぱり僕はあの糞婆の言う通り都合のいいように洗脳されていただけの人形(マリオネット)だったんだッ!!!」
パチンコ台に両手を打ち付け泣き喚く。サンダージョーは雷丈正人に嫌われてしまったのだ。
堕天使の確保に失敗したことを罵られた。エクスキューショーナーを壊滅させたことをなじられた。決闘で負けただけでなく恥まで晒したと殴られた。ゾディアック・サンダーを賭けるんじゃないと蹴られた。七霊王家(セブンスロード)の証たる家宝の爆雷王ナックルの喪失に至ってはADまで武装解放されてカード魔法で滅多打ちにされた。サンダージョーは天才かつ努力家でたゆまず己を鍛え上げてきたのでカード魔法自体は大して効かなかった。そりゃ痛かったが地獄のフルコースを味わったあとだと蚊に刺された程度の痛みにしか思えなかった。だが、心はズタボロにされた。
極めつけは最後の言葉だった。
「なにが神の子だ! 私はお前をそんな風に思ったことなど一度もない! おだてて気分よく従わせてやろうと思って言っただけだ! この精神異常者が! 私の役に立たないお前などもう飼う価値はない! どこにでも行って神の子気取って痛い目で見られてキれて逮捕されて雷丈家抜きの自分の現実を思い知らされて最終的に雨の日に失意と絶望のどん底で汚水のたまったドブにでも落ちて死ねゴミが!
気づいたら正人をタコ殴りにしていた。ADもカードも使わず滅多打ちにしていた。護衛兼執事のゴルド・ジョンソンが止めに入らなかったらそのまま殴り殺していたことだろう。我に変えったサンダージョーは無我夢中で殴った正人の原型をとどめぬほどに破壊された体を見て心底恐怖した。とんでもないことをしてしまった。どうせ回復魔法で治るとはいえ。正人に手を出してしまった。自分はもう終わりだ――!
気づいたらサンダージョーはパチンコ屋にきていた。そしてサンダーキング3000をいつものように打っていた。自分がもっとも輝いていた時代の象徴。あの頃は全てが上手くいっていた。最近ではすっかり伸びなくなったレベルもあの頃は月1ペースで上がっていた。さきほど家庭崩壊した雷丈家の幹部としてエクスキューショナーの隊長を任せられるまでになった。アマルティアン狩りも調子よかった。魔獣狩りもじゃんじゃんやってた。そして最高のパチンコ台を作った。輝かしい日々の思い出がサンダーキング3000を見てると無限に思い出された。サンダージョーは泣きながらサンダーキング3000を打ち続けた。
そしてとうとう2999回転まできた。当たりは引けなかった。
「3000。はは、サンダーキング3000の3000だ。なんだそういうことか。次の3000回転目でプレミア演出を引くってことか。はは、神の子なんだから引けるに決まってる。それが契機になってまた全てが上手くいき始めるはず。さぁ台よ祝福してくれ! 僕の前途を! プレミア演出で! ぼぼぼぼぼ僕が神の子だァだァだァ――」
プレミア演出でも引いたのかと勘違いした客がサンダージョーの台を覗きにきて、打っている人物を見て即逃げ出した。そんな一幕にも気づかずサンダージョーは血走った目でパチンコを打ち続ける。入らない。入らない。入らない。入らない。入らない! もう100発以上も玉がへそに入――。
入った。
ボロン。ベベボン。
そんなどうしようもない外れ音とともに767。画面に一人見切れながら映った3人のナックルが嘲笑するような笑みを浮かべてサンダージョーを小馬鹿にするように舌を出した。サンダージョーはブチ切れた。
「プレミア演出、こ――な――い――武装解放――マリアージュ・デュー――!」
サンダージョーはADを展開した。
青保留がなに1つドラマを起こさぬまま普通に外れた。
サンダーキング3000の回転数が3000になった。
どろどろになって1日中打つ中で今やサンダージョーの人生の分身たる分身と化したサンダーキング3000の数字がピークに達した。あるいはどん底に達した。
もう落ちるだけ。あるいは底を抜けて沈むだけ。
ならばもう何もかもどうでも良かった。
ADにカードをインサートして、サンダージョーは。
「サンダー・ショック!」
思い出を破壊した。
赤い光と熱を背で受けて退店する。
サンダージョーの心の中に生まれた地獄が乗り移ったかのように炎上するパチンコ店を出た矢先。
いつか見た魔符警察2人がサンダージョーの前に立ちふさがった。いや、2人だけではない。200人以上の魔符警察がサンダージョーを包囲していた。サンダージョーは鼻で笑う。
「どけよ。屑どもが」
「お前には逮捕状が出ている。今すぐお縄について投降しろ」
「ああ。正人さまが俺に愛想を尽かしたのか。やれやれ。本当にこれっぽちも俺のことなんか愛していなかったんだな。ハハ。よく分かったよ」
「何言ってんだお前。雷丈正人が亜人売買の罪で逮捕されたから関係人物としてお前にも逮捕状が出たんだぞ」
――?
「えっ?」
「えっ、じゃない。雷丈正人が白状したんだ。お前も深く亜人売買に関わっていると。何人もの亜人を誘拐して殺してレベルを上げてきたと。へっ、やっぱりそういうからくりだったかこの鬼畜外道が。今日がお前の人生の終点だ。世界の嫌われ者がようやく地獄に落ちる時がきたなぁ」
「……嘘だ。正人さまはそんなことを言うなんて、僕は何もしていない。僕は無実だ! 僕は、僕は……!」
「ほら、聞けよこの音声」
若い魔符警察がレコード・リード・デバイスを起動した。
「ジョー坊も深く関わっている! あいつは実行部隊の一人だ! むしろ私よりいきいきと奴隷を捕まえ殺し犯していたくらいだ! わ、私は何度も止めたのに、くッ! 今思えば雷丈家が狂ったのは全てあいつのせいだった……! せめてあいつも地獄に落としてやらんと気が済まん」
「――」
サンダージョーは。
自分の精神が完膚なきまでに壊れる音を聞いた。
サンダージョーはそれから先のことをよく覚えていない。
ただ、殺して、殺して、殺して。
ただ、傷ついて、傷ついて、傷ついて。
目に映るもの全てを殺して、目に映るもの全てから逃げて、そして、その果てに――。
「やっと、捕まえたぞ!」
「ガフッ!」
いつかの2人組の片割れの中年――若い方は殺した――に押し倒され、ADを奪い捨てられて。
「てめぇ! よくもこれまでこの国で暴虐を尽くしやがったな!」
「殺されたマサルの恨みだ! オラァ!」
「みんな、やっちまえ! 今までの恨みを晴らそうぜ!」
「や、やめ、ブベェッ! なんで、なんで、僕が、こんな目にっ――!
――殺到した魔符警察たちに囲まれて暴虐を尽くされて。
気絶するその時までサンダージョーは地獄のような悪意と痛みを浴び続けた。
大当たり確立99分の1。1R1000発のST【サンダータイム】を刻んでいくのが主な勝ち筋。でかい一発よりも小当たりを重ねて勝ちに行くマイルドに遊べるタイプのパチンコ。だからと言って一撃性がない訳ではなく、プレミアフラグを引けば1R3000発の上位ST【ライジンタイム】に入り、数万発オーバーの出玉を容易に獲得できる爆発力も兼ね備えたパチンコ台だ。
雷丈家が監修に携わっており、プレミアフラグを引くと何とサンダージョーの笑顔が大アップで液晶に表示される嬉しい演出がついてくる。「ぼぼぼぼぼ僕が神の子だァだァだァ――」というサンダージョー本人録り下ろしの大当たり肉声ボイスが数あるパチンコ台の中でも屈指の大音量で店中に轟くのだ。サンダージョーが開発現場で発揮した旺盛なサービス精神の賜物だ。雷丈家が開発したパチンコ台の中でもこの台だけはサンダージョーが完全監修したのだ。サンダージョーがプロデューサーを務めた唯一の作品。サンダージョーにとっては思い出深い台だった。
総合的なスペックも甘デジにしては破格の甘さで、高性能かつ嬉しいプレミア演出つきの上位STまで搭載しており、試し打ちした人間からはもれなく名機と呼ばれた完成度の高さにも関わらず高い撤去率と低い実売数で雷丈家を悩ませた曰く付きの台だ。最終的にはスペックは殆どサンダーキング3000据え置きで演出キャラを水着の女の子に総入れ替えしただけの超手抜き台サンダーマリン1582という超大ヒット機との抱き合わせ販売で何とか捌き切った。台自体のポテンシャルは相応にあったのだ。何がとは言わないが致命的な欠点を公式が仕様として搭載していただけで。
それ以降、サンダージョーは正人から雷丈家の副家業の一つであるはずがその収益率の高さが最近では本家業を追い抜き始めているパチンコ台開発の現場への立ち入りを固く禁じられ、サンダーキング3000はサンダージョーが開発に携わった唯一のパチンコ台となった。それゆえ、サンダーキング3000へのサンダージョーの思い入れはそれなりに深いものがあった。
嫌なことがあったら釘など見もせずボーっと家の金を使ってプレミア演出見たさに一日中レバーを回し続ける程度には。
「……でねぇ」
笑顔どころか前向きな感情の欠片すらない死んだ目でサンダージョーは力なくレバーを回し続ける。サンダージョーも設計を失敗したなと思っている爆雷王ナックルを模した役物で隠れて見えづらい台上部のデータカウンターに表示される回転数は2993。サンダージョーは99分の1の確率で当選するはずの大当たりにもう2993回連続で落選していた。
ざっくりと確率計算すると0.001%以下の確率となる。パチンコ開発に携わったことのあるサンダージョーには簡単な確率計算なら一瞬で答えを弾き出せると言う特技があった。天性のものだった。サンダージョーは割と天才肌なのでやろうと思えば大体何でもできてしまうところがあった。その中でもパチンコ開発には特に天性の才能があった。全てが噛み合った。そして性にあった。正人にさえ許されればサンダージョーはパチンコ台開発者になろうとさえ思っていた。そんなサンダージョーが精魂込めて監修し最高の台を作ったという確信の下世に送り出した台。それがサンダーキング3000だ。しかしサンダーキング3000は死ぬ程評判が悪かった。
正人は詳しく理由を離さないまま開発現場からサンダージョーを追い出したので正確な原因は分からないがおそらく頭上の爆雷王ナックルの役物のせいだろうとサンダージョーは思う。サンダージョーはイかしていると思うナックルの造形が一般的には際物の範疇に入ることをサンダージョーはよく理解していた。しかしそれでもナックルにこだわりたかったのだ。初めて作るパチンコ台だから1個人のこだわりが出過ぎた。ユーザーの気持ちを無視して感性の押し付けを行えば、それもこんな目立つ役物をデータカウンターの読み取りの邪魔になるところに配置すれば打たれるまでもなくユーザーからそっぽを向かれることは自明の理だった。
打ちさえすれば最高の台だと分かってもらえると今でもサンダージョーは思っている。だがサンダージョーはサンダーキング3000が打たれているところを滅多に見たことがない。大体いつも一人で打っている。たまに打ってる人間を見かけるがサンダージョーが打ち始めてから数分~数十分程度で去ってしまう。それを見ると通常時の演出も間違っていたのかなとサンダージョーは思う。有名機種を類型分けして現行ユーザーの好みを割り出し特にプライドもなく人気機種の演出をパロったりしたのだがやはりそういう手練手管は嫌われるリスクもあると言うことだろう。
それでもプレミア演出さえ、プレミア演出さえ見てもらえばサンダーキング3000に嵌まると言う絶対の自信がサンダージョーにはあった。事実、以前サンダージョーが見かけたプレミア演出を引き当てた客はあまりの感動に数秒間絶句した後、喜んでSTを消化していた。言葉を失うほどの感動とは中々生み出せない。やはり己が精魂込めて作り上げたプレミア演出は最高の出来栄えだったとあの客の反応を思い出す度今でもサンダージョーは笑顔が零れる。
ただ、やはりプレミアはプレミア。滅多に見れないもの。それよりは通常演出にこそサンダージョーを押し出すべきだっただろう。開発者の一人にサンダージョーはその存在価値を思えばプレミア以外絶対ありえないと言われて押し切られてしまったが、もしもありえない次の機会があれば絶対通常時からサンダージョーをアピールしていこうとサンダージョーは思っている。代わりに爆雷王ナックルに役物と数字の7からプレミア演出に昇格してもらおうとも。あのビジュアルは人受けしなさ過ぎた。デザインセンスの欠如。それがサンダーキング3000の最大の失敗だ。
ナックルのプレミア演出への昇格はナックルの供養にも丁度いいだろうなと、サンダージョーはふと思った。
「……ナックル、さま」
ナックルは蘇生されなかった。クロノスが時の逆行による蘇生の対象から外したのだ。決闘後、ナックルのカードがどこにもないことに気づいたサンダージョーが半狂乱でマギサに詰め寄ると、簡易召喚で呼び出されたクロノスがこう言ったのだ。
「あいつにはもう改心する未来が残されていない。バエルと違って、あいつは芯から腐った。だから蘇生させなかった。生きててもこの世に害を齎すだけだからな。滅んだままにしといたのだよ」
泣きながらナックルの助命を請うサンダージョーに「君は良い奴なのだな。だが駄目だ」と言ったところでマギサが簡易召喚を解いた。説明責任は果たしたと。そして「もう生命力が空だから召喚しろと言われても無理だ。24時間が経過したらもう蘇生できない。これから自分は寝るからあんたも帰れ」と言って本当に帰ってしまったのでもうどうしようもなかった。
ナックルの魂ごとの喪失もまたサンダージョーが不貞腐れてパチンコを打っている理由の一つだった。
「……まったく、でねぇ」
プレミア演出がではない。いや、それもだが、普通の当たりがだ。確率的に考えればあり得ないことだ。これまでで間違いなく最大の嵌まりだった。甘デジなのだ。99分の1なのだ。確率分母が319のミドルではないのだ。ありえないことなのだ。絶対にあってはならないことなのだ。
絶対に合ってはならないことがラグナロク学園に入学してから続けて起こる。全てのケチの付き始めはやはり天之玄咲とかいう異様に目つきが悪く悪魔のように強い地獄のように恐ろしい男だ。サンダージョーはあの男に関わったことを心から後悔していた。
あの男に数限りない暴虐を受けた。あの男の精霊からはそれに100倍するほどの暴虐を。そして学園長にはその精霊の暴虐を100分の20程度再体験させられた。地獄だった。それでも天性のメンタルの丈夫さを持つサンダージョーにはまだこうしてパチンコを打って現実逃避をするだけの余裕があった。
しかしエクスキューショナーの他の隊員はそうではない。全員再起不能の心の傷を負った。中には即日自殺したものもいる。岩下若芽という隊員だ。サンダージョーは無理もないと思っていた。そして同時に、あんな暴虐を受けても平静を保っていられるのってこの世で僕だけじゃん? そんな風に自慢げにも思っていた。
だから、サンダージョーが今こうして失意のドン底でパチンコを打っているのは、間接的には天之玄咲が原因だが、直接的には違う。
ハンドルを回すサンダージョーの手に涙がほろり、一粒落ちた。
「うぅ、正人おじさまがあんなに僕のことを罵るなんて生まれて初めてだ。うぅ、ううぅっ……! うわぁあああああああああああああっ! ちょっと失敗した途端この様だ! 愛されてなんてなかった! やっぱり僕はあの糞婆の言う通り都合のいいように洗脳されていただけの人形(マリオネット)だったんだッ!!!」
パチンコ台に両手を打ち付け泣き喚く。サンダージョーは雷丈正人に嫌われてしまったのだ。
堕天使の確保に失敗したことを罵られた。エクスキューショーナーを壊滅させたことをなじられた。決闘で負けただけでなく恥まで晒したと殴られた。ゾディアック・サンダーを賭けるんじゃないと蹴られた。七霊王家(セブンスロード)の証たる家宝の爆雷王ナックルの喪失に至ってはADまで武装解放されてカード魔法で滅多打ちにされた。サンダージョーは天才かつ努力家でたゆまず己を鍛え上げてきたのでカード魔法自体は大して効かなかった。そりゃ痛かったが地獄のフルコースを味わったあとだと蚊に刺された程度の痛みにしか思えなかった。だが、心はズタボロにされた。
極めつけは最後の言葉だった。
「なにが神の子だ! 私はお前をそんな風に思ったことなど一度もない! おだてて気分よく従わせてやろうと思って言っただけだ! この精神異常者が! 私の役に立たないお前などもう飼う価値はない! どこにでも行って神の子気取って痛い目で見られてキれて逮捕されて雷丈家抜きの自分の現実を思い知らされて最終的に雨の日に失意と絶望のどん底で汚水のたまったドブにでも落ちて死ねゴミが!
気づいたら正人をタコ殴りにしていた。ADもカードも使わず滅多打ちにしていた。護衛兼執事のゴルド・ジョンソンが止めに入らなかったらそのまま殴り殺していたことだろう。我に変えったサンダージョーは無我夢中で殴った正人の原型をとどめぬほどに破壊された体を見て心底恐怖した。とんでもないことをしてしまった。どうせ回復魔法で治るとはいえ。正人に手を出してしまった。自分はもう終わりだ――!
気づいたらサンダージョーはパチンコ屋にきていた。そしてサンダーキング3000をいつものように打っていた。自分がもっとも輝いていた時代の象徴。あの頃は全てが上手くいっていた。最近ではすっかり伸びなくなったレベルもあの頃は月1ペースで上がっていた。さきほど家庭崩壊した雷丈家の幹部としてエクスキューショナーの隊長を任せられるまでになった。アマルティアン狩りも調子よかった。魔獣狩りもじゃんじゃんやってた。そして最高のパチンコ台を作った。輝かしい日々の思い出がサンダーキング3000を見てると無限に思い出された。サンダージョーは泣きながらサンダーキング3000を打ち続けた。
そしてとうとう2999回転まできた。当たりは引けなかった。
「3000。はは、サンダーキング3000の3000だ。なんだそういうことか。次の3000回転目でプレミア演出を引くってことか。はは、神の子なんだから引けるに決まってる。それが契機になってまた全てが上手くいき始めるはず。さぁ台よ祝福してくれ! 僕の前途を! プレミア演出で! ぼぼぼぼぼ僕が神の子だァだァだァ――」
プレミア演出でも引いたのかと勘違いした客がサンダージョーの台を覗きにきて、打っている人物を見て即逃げ出した。そんな一幕にも気づかずサンダージョーは血走った目でパチンコを打ち続ける。入らない。入らない。入らない。入らない。入らない! もう100発以上も玉がへそに入――。
入った。
ボロン。ベベボン。
そんなどうしようもない外れ音とともに767。画面に一人見切れながら映った3人のナックルが嘲笑するような笑みを浮かべてサンダージョーを小馬鹿にするように舌を出した。サンダージョーはブチ切れた。
「プレミア演出、こ――な――い――武装解放――マリアージュ・デュー――!」
サンダージョーはADを展開した。
青保留がなに1つドラマを起こさぬまま普通に外れた。
サンダーキング3000の回転数が3000になった。
どろどろになって1日中打つ中で今やサンダージョーの人生の分身たる分身と化したサンダーキング3000の数字がピークに達した。あるいはどん底に達した。
もう落ちるだけ。あるいは底を抜けて沈むだけ。
ならばもう何もかもどうでも良かった。
ADにカードをインサートして、サンダージョーは。
「サンダー・ショック!」
思い出を破壊した。
赤い光と熱を背で受けて退店する。
サンダージョーの心の中に生まれた地獄が乗り移ったかのように炎上するパチンコ店を出た矢先。
いつか見た魔符警察2人がサンダージョーの前に立ちふさがった。いや、2人だけではない。200人以上の魔符警察がサンダージョーを包囲していた。サンダージョーは鼻で笑う。
「どけよ。屑どもが」
「お前には逮捕状が出ている。今すぐお縄について投降しろ」
「ああ。正人さまが俺に愛想を尽かしたのか。やれやれ。本当にこれっぽちも俺のことなんか愛していなかったんだな。ハハ。よく分かったよ」
「何言ってんだお前。雷丈正人が亜人売買の罪で逮捕されたから関係人物としてお前にも逮捕状が出たんだぞ」
――?
「えっ?」
「えっ、じゃない。雷丈正人が白状したんだ。お前も深く亜人売買に関わっていると。何人もの亜人を誘拐して殺してレベルを上げてきたと。へっ、やっぱりそういうからくりだったかこの鬼畜外道が。今日がお前の人生の終点だ。世界の嫌われ者がようやく地獄に落ちる時がきたなぁ」
「……嘘だ。正人さまはそんなことを言うなんて、僕は何もしていない。僕は無実だ! 僕は、僕は……!」
「ほら、聞けよこの音声」
若い魔符警察がレコード・リード・デバイスを起動した。
「ジョー坊も深く関わっている! あいつは実行部隊の一人だ! むしろ私よりいきいきと奴隷を捕まえ殺し犯していたくらいだ! わ、私は何度も止めたのに、くッ! 今思えば雷丈家が狂ったのは全てあいつのせいだった……! せめてあいつも地獄に落としてやらんと気が済まん」
「――」
サンダージョーは。
自分の精神が完膚なきまでに壊れる音を聞いた。
サンダージョーはそれから先のことをよく覚えていない。
ただ、殺して、殺して、殺して。
ただ、傷ついて、傷ついて、傷ついて。
目に映るもの全てを殺して、目に映るもの全てから逃げて、そして、その果てに――。
「やっと、捕まえたぞ!」
「ガフッ!」
いつかの2人組の片割れの中年――若い方は殺した――に押し倒され、ADを奪い捨てられて。
「てめぇ! よくもこれまでこの国で暴虐を尽くしやがったな!」
「殺されたマサルの恨みだ! オラァ!」
「みんな、やっちまえ! 今までの恨みを晴らそうぜ!」
「や、やめ、ブベェッ! なんで、なんで、僕が、こんな目にっ――!
――殺到した魔符警察たちに囲まれて暴虐を尽くされて。
気絶するその時までサンダージョーは地獄のような悪意と痛みを浴び続けた。
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SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
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バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
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現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
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最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
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※※※※※
1億年の試練。
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それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
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記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
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【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
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ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
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それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
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旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
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果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
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