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放送開始発表!
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「8時だ! かずね、番組のことSNSに乗る時間だよ! 」
アリーナツアー初日終了後。ステージ裏でマッサージを受けていると、近くでスマホを触っていたメンバーのモカが話しかけてきた。
「そっか、もうそんな時間か。どうしよう緊張する。」
「いやいや、楽しみじゃん。ファンの皆だって絶対喜んでくれるって。」
モカがケラケラと笑いながら、スマホの画面をスクロールしている。
「おっ、出た! 藤咲かずね、レギュラー番組開始のお知らせ。」
時計を見るとちょうど20時ぴったり。ついに『かずねと宮』の放送開始が発表されたのだ。
「すごいすごい、いいねとコメントの数すごいよ! 」
マッサージ台から顔をあげ、モカが見せてくれた画面を覗きこむと、お知らせのつぶやきにすでに500件ほどのいいねと200件ほどのコメントがついている。
>発表ってこれか! 楽しみです!
>まさかのかずねちゃんがバラエティ! 想像つかない。
>ウツノさん好きだから嬉しい~。
>コンサートの後にこの発表はアガる!
「よかった、好意的なコメントが多い。」
私はホッとして深く息を吐く。
「当たり前じゃん。毎週地上波でかずねのこと見れるなんて、嬉しくないわけないんだから。」
モカは上機嫌に口笛を吹きながら、画面をスクロールし続けている。ある瞬間、その手をパッと止めると私の方にもっと近づいてきた。
「そういえばこないだ、初めてのロケだったんでしょ? どうだった、ウツノさん。」
私の答えを期待するように、モカは目をぱちぱちさせている。モカはもともとウツノさんのネタが好きだったらしく、番組の企画を聞いた時も「かずねが欠席のときは私が代わりにでます! 」と即座に手をあげていたほどだ。
「ロケというより挨拶程度だったんだけど、楽しかったよ。」
「なにその毒にも薬にもならない感想。」
私の曖昧な回答に、モカが口をとがらせる。
「ウツノさんって、やっぱりツッコミの反応とかすごいの? 私、芸人さんとしっかりお話したことないからさ。」
「そうだね、想像してたよりすっごいパキパキしてる方で、圧倒されちゃった。」
「パキパキしてるんだ! なんかあんま想像つかない擬音だけど、初回放送めちゃくちゃ楽しみ♡ かずねとウツノさんの絡みがみれるなんてお得過ぎる……♡」
モカはやっぱりウツノさんのことが好きみたい。本当に楽しみそうな表情をしていて、私まで嬉しくなっちゃう。
「そういえばウツノさん、お肌がすっごいキレイだったよ。」
「何、その情報。」
モカがまたケラケラと笑いだす。まあ確かに、何その情報ってなるよね。いや、でも本当に綺麗で見とれちゃうくらいだったんだって……。
「でね、お肌キレイですねって褒めたら、調子狂うわ~って言って逃げられちゃった。」
「何それ可愛い! っていうか、かずね積極的! 初めて会う人にそんなグイグイ行くなんて珍しいじゃん! 」
「そうかな。」
「そうだよ! はぁ~どうしよう、もしかして2人の関係性ってめちゃくちゃキュンキュンしちゃうかんじ? 私大好きなんだよね、強く言い合える人たちの関係性。」
モカの好み、初めて聞きました……。
「モカさん、ちょっといいですか。」
マネージャーさんにモカが呼ばれる。
「はーい! じゃあね、かずねまた明日♡」
モカは話したいことを話し、台風のような勢いで去っていった。コンサートを終えた後でもあんなに元気な彼女を見ると、同じチームのメンバーながら素直に尊敬する。
そして、ひとまず番組に対して好意的なリアクションをしてくれるファンの人たちが多いことが分かって、よかった。一安心です。来週は、ついに街中でのロケがある。どうなるのか緊張するけど、ちょっと楽しみだな。モカのためにも、一生懸命がんばろ!
アリーナツアー初日終了後。ステージ裏でマッサージを受けていると、近くでスマホを触っていたメンバーのモカが話しかけてきた。
「そっか、もうそんな時間か。どうしよう緊張する。」
「いやいや、楽しみじゃん。ファンの皆だって絶対喜んでくれるって。」
モカがケラケラと笑いながら、スマホの画面をスクロールしている。
「おっ、出た! 藤咲かずね、レギュラー番組開始のお知らせ。」
時計を見るとちょうど20時ぴったり。ついに『かずねと宮』の放送開始が発表されたのだ。
「すごいすごい、いいねとコメントの数すごいよ! 」
マッサージ台から顔をあげ、モカが見せてくれた画面を覗きこむと、お知らせのつぶやきにすでに500件ほどのいいねと200件ほどのコメントがついている。
>発表ってこれか! 楽しみです!
>まさかのかずねちゃんがバラエティ! 想像つかない。
>ウツノさん好きだから嬉しい~。
>コンサートの後にこの発表はアガる!
「よかった、好意的なコメントが多い。」
私はホッとして深く息を吐く。
「当たり前じゃん。毎週地上波でかずねのこと見れるなんて、嬉しくないわけないんだから。」
モカは上機嫌に口笛を吹きながら、画面をスクロールし続けている。ある瞬間、その手をパッと止めると私の方にもっと近づいてきた。
「そういえばこないだ、初めてのロケだったんでしょ? どうだった、ウツノさん。」
私の答えを期待するように、モカは目をぱちぱちさせている。モカはもともとウツノさんのネタが好きだったらしく、番組の企画を聞いた時も「かずねが欠席のときは私が代わりにでます! 」と即座に手をあげていたほどだ。
「ロケというより挨拶程度だったんだけど、楽しかったよ。」
「なにその毒にも薬にもならない感想。」
私の曖昧な回答に、モカが口をとがらせる。
「ウツノさんって、やっぱりツッコミの反応とかすごいの? 私、芸人さんとしっかりお話したことないからさ。」
「そうだね、想像してたよりすっごいパキパキしてる方で、圧倒されちゃった。」
「パキパキしてるんだ! なんかあんま想像つかない擬音だけど、初回放送めちゃくちゃ楽しみ♡ かずねとウツノさんの絡みがみれるなんてお得過ぎる……♡」
モカはやっぱりウツノさんのことが好きみたい。本当に楽しみそうな表情をしていて、私まで嬉しくなっちゃう。
「そういえばウツノさん、お肌がすっごいキレイだったよ。」
「何、その情報。」
モカがまたケラケラと笑いだす。まあ確かに、何その情報ってなるよね。いや、でも本当に綺麗で見とれちゃうくらいだったんだって……。
「でね、お肌キレイですねって褒めたら、調子狂うわ~って言って逃げられちゃった。」
「何それ可愛い! っていうか、かずね積極的! 初めて会う人にそんなグイグイ行くなんて珍しいじゃん! 」
「そうかな。」
「そうだよ! はぁ~どうしよう、もしかして2人の関係性ってめちゃくちゃキュンキュンしちゃうかんじ? 私大好きなんだよね、強く言い合える人たちの関係性。」
モカの好み、初めて聞きました……。
「モカさん、ちょっといいですか。」
マネージャーさんにモカが呼ばれる。
「はーい! じゃあね、かずねまた明日♡」
モカは話したいことを話し、台風のような勢いで去っていった。コンサートを終えた後でもあんなに元気な彼女を見ると、同じチームのメンバーながら素直に尊敬する。
そして、ひとまず番組に対して好意的なリアクションをしてくれるファンの人たちが多いことが分かって、よかった。一安心です。来週は、ついに街中でのロケがある。どうなるのか緊張するけど、ちょっと楽しみだな。モカのためにも、一生懸命がんばろ!
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